ジョン・コルトレーンとポール・キニシェット、二人のテナー・サックス奏者をフロントに据えたクインテットにマル・ウォルドロンが参加しています。J.コルトレーンはシーツ・オヴ・サウンズを発明する前なので、P.キニシェットに押され気味です。マルは楽曲を4曲提供していますが、ソロ・スペースは極めて少ないです。

 

PAUL QUINICHETTE(ts) JOHN COLTRANE(ts) MAL WALDRON(p) JULIAN EUELL(b) ED THIGPEN(ds)

 

93点  side1-1  「CATTIN’」              1957/5/17

86点  side1-2  「SUNDAY」              1957/5/17

86点  side1-3  「EXACTLY LIKE YOU」  1957/5/17

87点  side2-1  「ANATOMY」            1957/5/17

87点  side2-2  「VODKA」               1957/5/17

 

「キャッティン(1-1)」

M.ウォルドロンのオリジナルで、ミディアム・テンポのブルースです。魅力的なテーマをJ.コルトレーンがワン・コーラス吹き、2コーラス目はJ.コルトレーンにP.キニシェットがはもって来ます。少し可愛いくらいだがブルース気分もちゃんとあるマルのピアノに続き、乾いた音色のJ.コルトレーンのソロ、そして泡立つようで粘っこいP.キニシェット(ts)のテナー・ソロが聴きものです。このトラックの主役は三番手として登場しました。その後J.コルトレーンとP.キニシェットが小節交換をします。ブルースの気分横溢で、気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨めようかなという気がよぎる93点です。他人に奨めたいという気がよぎる93点です。

「サンデー(1-2)」

P.キニシェット(ts)がテーマを吹き、そのままソロに移ります。次はJ.コルトレーン(ts)、泉のようなという訳には行きません。再びP.キニシェット、J.コルトレーン、P.キニシェットとJ.コルトレーンの小節交換と続きます。マルのソロはありませんが、P.キニシェットの頑張りによりちょっといい86点です。

「イグザクトリー・ライク・ユー(1-3)」

J.マクヒューの曲です。マルのイントロで始まり、P.キニシェット(ts)がテーマを吹きます。ソロはP.キニシェット、M.ウォルドロン、P.キニシェットで、マルは得意の訥弁ピアノを聴かせてくれます。ちょっといい86点です。

「アナトミー(2-1)」

M.ウォルドロンのオリジナルです。J.コルトレーンとP.キニシェット、二本のテナー・サックスがテーマを奏し、ソロはJ.コルトレーンから。ここはかなり立派なソロです。続くP.キニシェットは余裕綽々で、L.ヤングの良き弟分であることを示します。次のマルは曲に溶け込みつつもマルの個性をしっかりと見せてくれます。最後にJ.コルトレーンとP.キニシェットの小節交換がありますが、突き進むJ.コルトレーンと柔らかく受け止めるP.キニシェットが良い対比となっています。お洒落で格好いい87点です。

「ウォッカ(2-2)」

M.ウォルドロンのオリジナルです。ここも二本のテナー・サックスがテーマを演ります。ソロはJ.コルトレーン(ts)、P.キニシェット(ts)、M.ウォルドロンの順です。まるは頭の一音を飾り、短いながらも印象的なソロです。最後にJ.コルトレーンとP.キニシェットがチェイスを行いますが、音を一杯詰め込むコルトレーンと、少ない音を粘っこくつなぐキニシェットの対比が面白いです。お洒落で格好いい87点です。

 

93点  side1-1  「CATTIN’」              1957/5/17

 

86点  side1-2  「SUNDAY」              1957/5/17

 

86点  side1-3  「EXACTLY LIKE YOU」  1957/5/17

 

87点  side2-1  「ANATOMY」            1957/5/17

 

87点  side2-2  「VODKA」               1957/5/17