ジャケットを見るとコルトレーンの初リーダー・アルバムか!と思いますが、実際はプレスティッジ・オール・スターズによるブローイン・セッションです。バリトン・サックスが2本にコルトレーンのテナー・サックスというフロント編成が異質です。一番素敵な「ヴェルヴェット・シーン」にマルのソロがありませんが、それ以外の曲では最も安心して個性を楽しめるソロを聴かせます。

 

JOHN COLTRANE(ts) CECIL PAYNE(brs)  PEPPER ADAMS(brs) MAL WALDRON(p) DOUG WATKINS(b) ART TAYLOR(ds)

 

85点  side1-1  「DAKAR」           1957/4/20

85点  side1-2  「MARY’S BLUES」   1957/4/20

86点  side1-3  「ROUT 4」           1957/4/20

87点  side2-1  「VELVET SCENE」  1957/4/20

85点  side2-2  「WHITCHES PIT」   1957/4/20

85点  side2-3  「CAT WALK」        1957/4/20

 

「ダカール(1-1)」

T.チャールズのオリジナルです。怪異なテーマがあり、ソロはC.ペイン(brs)から。シーツ・オヴ・サウンド抜きのプレスティッジ・コルトレーンが続き、更にP.アダムス(brs)、M.ウォルドロンと続きますが、マルのピアノは怪異さに溶け込んで清涼感すら醸し出しそうな処で終わります。ちゃんとしたジャズで再聴下限の85点です。

「メアリーズ・ブルース(1-2)」

P.アダムスのオリジナルです。P.アダムス(brs)、C.ペイン(brs)と出てすぐに三人でテーマを合奏します。ソロはP.アダムス(brs)、J.コルトレーン(ts)、C.ペイン(brs)、M.ウォルドロン、フロント三人で小節交換と続きます。外れが無い筈のブルースですが、ちゃんとしたジャズで再聴下限の85点です。

「ルート・4(1-3)」

T.チャールズのオリジナルで疾走する曲です。C.ペイン(brs)がリードしてテーマを疾走し、ソロはM.ウォルドロンから。ぎこちないフォームで走りますがちゃんと魅力的です。C.ペイン(brs)、J.コルトレーン(ts)、P.アダムス(brs)、A.テイラー(ds)と疾走してテーマに戻ります。ちょっといい86点です。

「ヴェルヴェット・シーン(2-1)」

M.ウォルドロンのオリジナルで、バラード演奏です。J.コルトレーンがテーマを吹きますが、その音色・節回しは堂々たるものです。P.アダムスがソロのトップを務めますが、コルトレーンのテーマ演奏に影響されたのか、なかなか良いソロです。続くコルトレーンのソロは、バラードで見せるコルトレーンの良さを発揮しており、コルトレーンのスタイルはバラードでまず完成したことが分かります。マルのソロはありませんが、お洒落で格好いい87点です。

「ウッチス・ピット(2-2)」

P.アダムスのオリジナルです。J.コルトレーン(ts)がまず飛び出し、フロント三人でテーマを合奏します。ソロはJ.コルトレーン(ts)からですが、音を紡ぎだすのに少し苦労している印象です。次のP.アダムス(brs)は割とスラスラと吹いています。続くM.ウォルドロンのソロが最も安心して聴けます。最後はC.ペイン(brs)で、フロントとドラムのフォー・バースがありテーマに戻ります。ちゃんとしたジャズで再聴下限の85点です。

「キャット・ウォーク(2-3)」

T.チャールズのオリジナルで、割と落ち着いたテンポです。ソロはP.アダムス(brs)、J.コルトレーン(ts)、C.ペイン(brs)、M.ウォルドロンの順です。マルはコルトレーンと同様に倍テンポを用いて、特異なハード・バップ・ピアノを聴かせます。ちゃんとしたジャズで再聴下限の85点です。

 

85点  side1-1  「DAKAR」           1957/4/20

 

85点  side1-2  「MARY’S BLUES」   1957/4/20

 

86点  side1-3  「ROUT 4」           1957/4/20

 

85点  side2-2  「WHITCHES PIT」   1957/4/20

 

85点  side2-3  「CAT WALK」        1957/4/20