ジャッキー・マクリーンのリーダー・アルバムで、チューバのレイ・ドレイパーを紹介しています。曲は各人のオリジナルを持ち寄っています。マルのオリジナルである「MIRAGE」は「レフト・アローン」に通底する演奏で、このアルバム最大の聴きものとなっています。

 

JACKIE McLEAN(as) BILL HARDMAN(tp) RAY DRAPER(tuba) MAL WALDRON(p) DOUG WATKINS(b) ARTHUR TAYLOR(ds)

 

85点  side1-1  「FLICKERS」    1957/2/8

87点  side1-2  「HELP」            1957/2/8

86点  side1-3  「MINOR DREAM」1957/2/8

86点  side2-1  「BEAU JACK」 1957/2/8

88点  side2-2  「MIRAGE」       1957/2/8

 

「フリッカーズ(1-1)」

M.ウォルドロンのオリジナルです。ソロはJ.マクリーン(as)、B.ハードマン(tp)、R.ドレイパー(tu)、M.ウォルドロン(p)です。マルのそろが曲相に最も合っていますが、マルのオリジナルであるが故でしょうか。ちゃんとしたジャズで再聴下限の85点です。

「ヘルプ(1-2)」

D.ワトキンスのオリジナルで、曲はうんとジャズっぽくなります。イントロをD.ワトキンス(b)が演り、R.ドレイパー(tu)とJ.マクリーン(as)でテーマを演ります。ソロはB.ハードマン(tp)ミュート、J.マクリーン(as)、R.ドレイパー(tu)、M.ウォルドロン(p)、D.ワトキンス(b)です。マルはマイナーなソロで良いです。曲の感じがマイナーで良く、マルとD.ワトキンスのソロも良く、お洒落で格好いい87点です。

「マイナー・ドリーム(1-3)」

R.ドレイパーのオリジナルです。B.ハードマン(tp)がテーマをリードし、ソロはR.ドレイパー(tu)、B.ハードマン(tp)、J.マクリーン(as)、M.ウォルドロン(p)、三管でフォー・バースと続きます。全体を流れるマイナーなムードが良く、ちょっといい86点です。

「ボー・ジャック(2-1)」

J.マクリーンのオリジナルです。マクリーンらしいグルーヴィーなテーマで、ソロはJ.マクリーン(as)から。以下B.ハードマン(tp)、M.ウォルドロン、J.マクリーンとB.ハードマンのフォー・バースと続きます。マルはグルーヴィーな基調は崩さずにマルらしいスパイスを加えて良いソロなのですが、短いのが難点です。ちょっといい86点です。

「ミラージュ(2-2)」

M.ウォルドロンのオリジナルです。マルのイントロを受けてJ.マクリーン(as)がテーマを悲しげに吹きます。B.ハードマン(tp)ミュートのオブリガードが無ければ「レフト・アローン」の前哨戦そのままという感じです。J.マクリーンがそのままソロをとり、B.ハードマン(tp)ミュート、マルと続きます。マルのバラードはこの頃から「いいですねー」。バラードにおけるマルトマクリーンの相性はとても良く、「レフト・アローン」は必然であると思わされます。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。