第8位

95点  side4-5  「P.S. I LOVE YOU」                      1954/9/3

 

from『BILLIE HOLIDAY ON VERVE 1946-1959』

「ピー・エス・アイ・ラヴ・ユー(4-5)」

G.ジェンキンスの曲です。イントロはB.タッカー(p)です。じっくりと、シットリと聴けるスロー・バラードで、ビリーはこういう歌は「上手いですねー」。聴き入ってしまいました。H.エディソン(tp)とW.スミス(as)の微かに聴こえるオブリガードも「いいですねー」。気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨めたいほどの95点です。

 

 

第8位

95点  CD3-6  「MY YIDDISHE MAME」              1956/5/30

from『BILLIE HOLIDAY / PERFECT COMPLETE COLLECTION VOL.7-9』 3/3

「マイ・イディッシュ・メイム(CD3-6)」

この曲は初出です。T.スコット(p)をバックにB.ホリデイが切なさ一杯に歌いますが、これは飽くまでもリハーサルです。途中で子供の声も入りますから。しかしこの素晴らしさはどうでしょう。「うーん、凄い!」気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨めたいほどの95点です。

 

第8位

95点  CD4-10  「FINE AND MELLOW」              1957/12/8

from『LESTER YOUNG / LIVE AND PRIVATE RECORDINGS IN CHRONOLOGICAL ORDER VOL.13-16』

「ファイン・アンド・メロー(CD4-10)」

B.ホリデイのオリジナル・ブルースです。バンドがイントロを演り、B.ホリデイ→B.ウエブスター(ts)→L.ヤング(ts)→→B.ホリデイ→V.ディケンソン(tb)→G.マリガン(brs)→B.ホリデイ→C.ホーキンス(ts)→R.エルドリッジ(tp)→B.ホリデイの順でソロをとります。ビリーの歌唱は感動を呼び、B.ウエブスター、L.ヤング、C.ホーキンス三人のテナー・マンは三日前よりも良いソロをとり、G.マリガンが花を添え、R.エルドリッジはハイ・ノートを交えて聴かせてくれます。史上最高の「ファイン・アンド・メロー」は、気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨めたいほどの95点です。

 

第8位

95点  side4-2  「SOPHISTICATED LADY」         1956/8/18

from『ALL OR NOTHING AT ALL / BILLIE HOLIDAY』

 

 

「ソフィスティケイテッド・レディ(4-2)」

D.エリントンのオリジナルです。イントロはB.ケッセル(g)。B.ホリデイは何故かD.エリントンの曲とは相性が良いようで、いつも素晴らしい歌唱を聴かせてくれます。今日も聴き入ってしまいますが、その後出て来るB.ウエブスター(ts)のソロに驚かされます。絶品の素晴らしいソロで、この曲の点数を一気に跳ね上げました。気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨めたいほどの95点です。

 

第8位

95点  side2-2  「MY MAN」                                   1952/7/27

from『BILLIE HOLIDAY』

「マイ・マン(2-2)」

M.イヴァンの曲です。O.ピーターソンの良いイントロから始まり、B.ホリデイ今日は最初からインテンポです。途中に語りが入り、その後インテンポです。変化を求めたようです。気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨めたいほどの95点です。

 

第6位

96点  CD2-3  「FINE AND MELLOW」                1952/11/14

from.『BILLIE HOLIDAY / PERFECT COMPLETE COLLECTION VOL.4-6』3/3

「ファイン・アンド・メロー(CD2-3)」

B.ホリデイのオリジナル・ブルースです。ビリーのブルースにピタリと嵌っています。これまでの最高だと思います。B.ハーディングのピアノも素敵です。他人(ひと)に奨めたいほどで、少し感動的な96点です。

 

第6位

96点  side1-2  「STRANGE FRUIT」                    1945/2/12

from『BILLIE HOLIDAY』

「ストレンジ・フルート(1-2)」

B.ホリデイのオリジナルです。咳払いを二つして、B.ホリデイは殆どピアノだけをバックに、この歌を大聴衆を前にして歌います。J.A.T.P.という場にそぐわないのではという懸念も感じますが、聴衆は大きな拍手を送りました。気品があり別格の90点です。

 

第4位

97点  side1-2  「YESTERDAYS」                          1939/4/20

from『BILLIE HOLIDAY / COMMODORE RECORDS』

 

 

「イエスタデイズ(1-2)」

J.カーンの曲です。過ぎ去った幸せな昔に想いを馳せる曲で、B.ホリデイの歌は心に沁み入ります。こういう歌もB.ホリデイは「上手いなあー」とつくづく思います。S.ホワイトのバック・ピアノも特筆すべき素晴らしさです。テンポアップしてテナー・サックスも加わりますが、全体に流れる基調は変わりません。他人(ひと)に奨めたいほどで、感動的な97点です。この時点におけるB.ホリデイの最高傑作だと思います。私は好きです。

 

第4位

97点  side2-1  「YOU’VE CHANGED」                 1958/2/19~21

from『LADY IN SATIN / BILLIE HOLIDAY』

 

 

「ユーヴ・チェインジド(2-1)」

C.T.フィッシャーの曲です。短いイントロがあり、B.ホリデイは「貴方変わったのね」と歌い始めます。このフレーズに未練と諦観をこれだけ込められるのはB.ホリデイならではです。J.J.ジョンソンのトロンボーン、そしてオーボエとハープが良い仕事をします。他人(ひと)に奨めたいほどで、感動的な97点です。

 

第3位

98点  side1-3  「YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS」1958/2/19~21

from『LADY IN SATIN / BILLIE HOLIDAY』

 

 

「ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ(1-3)」

G.デポールの曲です。前奏が「いいですねー」。ビリーは「あなたは恋がどんなものかご存じないわ」と諄々と説き、恋の先生の講義は心の奥深くへと染み込んでまいりました。トランペット・ソロはM.デイヴィスという説があったのでそれに従いましたが、聴いてみるとどうも違います。メル・デイヴィスが正解のようです。他人(ひと)に奨めたいほどで、感動の極みの八合目に達する98点です。

 

(第1位)

100点  CD1-2  「I’M A FOOL TO WANT YOU(MONOURAL)」1958/2/19~21

from『LADY IN SATIN / BILLIE HOLIDAY』

 

 

「アイム・ア・フール・トゥー・ウォント・ユー(モノラル録音)(CD1-2)」

CDの追加曲で、モノラル・ヴァージョンということになっています。(1-1)との違いは単にモノラルかステレオかなのでしょうか。その辺のことはよく分かりませんが、私には同じに聴こえますので、文句なく完璧で感動の極みの100点です。

 

第1位

100点  side1-1  「I’M A FOOL TO WANT YOU」  1958/2/19~21

from『LADY IN SATIN / BILLIE HOLIDAY』

 

 

「アイム・ア・フール・トゥー・ウォント・ユー(1-1)」

J.ウォルフの曲です。ストリングスとハープがまず端緒を飾り、そしてB.ホリデイの登場です。ビリーは枯れた声で「私は馬鹿よ」と切なく歌いますが、地の底から湧いてくるようなこのビリーの表現力はどうでしょう!レイ・エリスはストリングスを強化して、しっかりとした場をビリーに提供しています。しっかりと美しいオーケストラと、ボロボロになったビリーの声が悲しい対比を見せ、聴くにつれてこちらもどんどんと切なさが増してきます。ビル・エヴァンスは最晩年病気で指がパンパンに腫れて満足に鍵盤を叩けなくなり「テクニックは半分以下になったよ」と言いながら『CONSECRATION THE LAST』という大傑作を最後に残しました。ビリーも最晩年に声も含めて身体は絶不調ではありながら、遺作ではないものの、亡くなる一年ちょっと前にこの大傑作アルバムと唯一の100点満点となった名演を残してくれました。ありがとう!なおトロンボーンのオブリガードはU.グリーンです。文句なく完璧で感動の極みの100点です。