日本のポリドールが権利を保有しているクレフ/ヴァーヴ、メトロ・ジャズ、MGMレーベルに録音したビリー・ホリデイを全曲集大成した10枚組ボックスです。

6枚目(side11,12)は、共演者がH.エディソン(tp)、B.ウエブスター(ts)、B.ケッセル(g)、J.ロウルズ(p)という豪華版で、中でもB.ウエブスターが特筆すべき出来です。J.ロウルズも趣味の良いピアノを聴かせてくれます。B.ホリデイの良さも含めて最大の聴きものは、「SOPHISTICATED LADY」と「APRIL IN PARIS」です。

 

1956/8/18 (11-1,2)

BILLIE HOLIDAY(vo) HARRY EDISON(tp) BEN WEBSTER(ts) JIMMY ROWLES(p) BARNEY KESSEL(g) JOE MONDRAGON(b) ALVIN STOLLER(ds)

 

1957/1/3 (11-3~5)

BILLIE HOLIDAY(vo) HARRY EDISON(tp) BEN WEBSTER(ts) JIMMY ROWLES(p) BARNEY KESSEL(g) RED MITCHELL(b) ALVIN STOLLER(ds)

 

1957/1/4 (11-6) (12-1,2)

BILLIE HOLIDAY(vo) HARRY EDISON(tp) BEN WEBSTER(ts) JIMMY ROWLES(p) BARNEY KESSEL(g) RED MITCHELL(b) ALVIN STOLLER(ds)

 

1957/1/7 (12-3,4,5) 

BILLIE HOLIDAY(vo) HARRY EDISON(tp) BEN WEBSTER(ts) JIMMY ROWLES(p) BARNEY KESSEL(g) RED MITCHELL(b) ALVIN STOLLER(ds)

 

95点  side11-1  「SOPHISTICATED LADY」        1956/8/18

93点  side11-2  「APRIL IN PARIS」                    1956/8/18

89点  side11-3  「I WISHED ON THE MOON」   1957/1/3

91点  side11-4  「MOONLIGHT IN VERMONT」 1957/1/3

89点  side11-5  「A FOGGY DAY」                        1957/1/3

90点  side11-6  「I DIDN’T KNOW WHAT TIME IT WAS」1957/1/4

89点  side12-1  「JUST ONE OF THOSE THINGS」1957/1/4

90点  side12-2  「COMES LOVE」                        1957/1/4

90点  side12-3  「DAY IN, DAY OUT」                  1957/1/7

90点  side12-4  「DARN THAT DREAM」            1957/1/7

88点  side12-5  「BUT NOT FOR ME」                 1957/1/7

 

「ソフィスティケイテッド・レディ(11-1)」

D.エリントンのオリジナルです。イントロはB.ケッセル(g)。B.ホリデイは何故かD.エリントンの曲とは相性が良いようで、いつも素晴らしい歌唱を聴かせてくれます。今日も聴き入ってしまいますが、その後出て来るB.ウエブスター(ts)のソロに驚かされます。絶品の素晴らしいソロで、この曲の点数を一気に跳ね上げました。気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨めたいほどの95点です。

「エイプリル・イン・パリ(11-2)」

V.デュークの曲です。B.ウエブスター(ts)のイントロがこれ又素晴らしい!こうなるとB.ホリデイも燃えます。1コーラス素敵な歌唱を聴かせた後2コーラス目に入ります。B.ウエブスター、今度はオブリガードで好演。このセッションのB.ウエブスターは最高ですね。気品があり別格でいつまでも浸っていたく、他人(ひと)に奨めようかなという気がよぎる93点です。

「アイ・ウィッシュド・オン・ザ・ムーン(11-3)」

R.レインジャーの曲です。イントロはB.ウエブスター(ts)の一音から。B.ホリデイは軽やかなJ.ロウルズのピアノに乗って歌いますが、不安定さを少し感じました。続くB.ウエブスター(ts)のソロは安定した良さで、更にH.エディソン(tp)ミュート、B.ホリデイと続きます。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。

「ムーンライト・イン・ヴァーモント(11-4)」

C.スースドルフの曲です。イントロはB.ケッセル(g)。J.ロウルズ(p)が趣味の良い伴奏を見せる中、B.ホリデイは懸命な歌唱を聴かせます。B.ウエブスター(ts)はここでも素敵なソロを見せ、B.ホリデイがラスト・コーラスを歌います。気品があり別格でいつまでも浸りたい91点です。

「ア・フォギー・デイ(11-5)」

G.ガーシュインの曲です。イントロはJ.ロウルズ(p)。B.ホリデイはピアノをバックに語りますが、インテンポになってからはスインギーな演奏に代わります。ソロは、ここでも趣味の良さを見せるJ.ロウルズ(p)、 B.ケッセル(g)、H.エディソン(tp)ミュート、B.ウエブスター(ts)と続き、B.ホリデイがラスト・コーラスを締めます。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。

「アイ・ディドント・ノウ・ホワット・タイム・イット・ウォズ(11-6)」

R.ロジャースの曲です。イントロはJ.ロウルズ(p)。B.ホリデイはピアノのだけを従えて語ります。インテンポになり、本調子ではないビリーを聴くのは辛く哀しくもありますが、でも頑張れ!の気持ちです。その後H.エディソン(tp)ミュート、B.ケッセル(g)、B.ウエブスター(ts)、 B.ホリデイと続きますが、B.ウエブスター(ts)が最も力を発揮していると感じます。気品があり別格の90点です。

「ジャスト・ワン・オヴ・ゾーズ・シングズ(12-1)」

C.ポーターの曲です。合奏から始まり、B.ホリデイですが、下降気味な気持ちを奮い立たせて懸命に歌います。頑張れ…ため息が出てしまいます。ソロは、洒落たJ.ロウルズ(p) 、B.ケッセル(g)、H.エディソン(tp)ミュート、B.ウエブスター(ts)、B.ホリデイの順です。お洒落で格好良く気品があり別格目前の89点です。

「カムズ・ラヴ(12-2)」

S.H.ステップの曲です。イントロはB.ケッセル(g)。まずR.ミッチェル(b)が現れ直ぐにB.ホリデイです。グルーヴィーでここは安心して聴けます。H.エディソン(tp)、B.ケッセル(g)、B.ウエブスター(ts)とソロをとり、B.ホリデイに返します。気品があり別格の90点です。

「デイ・イン・デイ・アウト(12-3)」

R.ブルームの曲です。イントロはJ.ロウルズ(p)。B.ホリデイは軽快にスイングしますが、後ろで微かに聴こえるピアノがお洒落です。ソロはH.エディソン(tp)ミュート、B.ケッセル(g)、J.ロウルズ(p)、B.ウエブスター(ts)、B.ホリデイ(vo)です。気品があり別格の90点です。

「ダーン・ザット・ドリーム(12-4)」

J.V.ヒューゼンの曲です。イントロはB.ケッセル(g)。B.ホリデイはドリーミーな歌唱を聴かせてくれます。以下はH.エディソン(tp)ミュート、R.ミッチェル(b)、B.ウエブスター(ts)、B.ホリデイと続きます。気品があり別格の90点です。

「バット・ノット・フォー・ミー(12-5)」

G.ガーシュインの曲です。イントロはJ.ロウルズ(p)。B.ホリデイはミディアム・テンポでスタンダード曲をビリーらしい崩しで歌います。ソロはJ.ロウルズ(p)、B.ケッセル(g)、B.ウエブスター(ts)、H.エディソン(tp)、B.ホリデイと続きます。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。

 

95点  side11-1  「SOPHISTICATED LADY」        1956/8/18

 

93点  side11-2  「APRIL IN PARIS」                    1956/8/18

 

91点  side11-4  「MOONLIGHT IN VERMONT」 1957/1/3

 

90点  side11-6  「I DIDN’T KNOW WHAT TIME IT WAS」1957/1/4

 

90点  side12-2  「COMES LOVE」                        1957/1/4

 

90点  side12-3  「DAY IN, DAY OUT」                  1957/1/7

 

90点  side12-4  「DARN THAT DREAM」            1957/1/7