このアルバムの邦題は『ギル・エヴァンスの芸術』ですが、オリジナル盤は『GREAT JAZZ STANDARDS』です。オリジナル・タイトルが示す通りこのアルバムは、ドン・レッドマン、ジョン・ルイス、セロニアス・モンク、クリフォード・ブラウン、ビックス・バイダーベック等の作品をギルのアレンジで現代に蘇らせたものです。ジャズ界の巨人達に思いを馳せるギルの姿、そしてそこで見せるギル・マジックがしっかりと脳裏に刻まれました。国内盤で出す時はオリジナル盤のタイトルが分かるようにして欲しいものです。

 

1959/2/5

JOHNNY COLES(tp) LOUIS MUCCI(tp) DANNY STILES(tp) JIMMY CLEVELAND(tb) CURTIS FULLER(tb) ROD LEVITT(tb) EARL CHAPIN(frh) BILL BARBER (tuba) EDWIN CAINE(fl,cl) STEVE LACY(ss) BUDD JOHNSON(ts,cl) TOMMY POTTER(b) ELVIN JONES(ds) GIL EVANS(p)

 

1959/early

JOHNNY COLES(tp) LOUIS MUCCI(tp) ALLEN SMITH(tp) CURTIS FULLER(tb) BILL ELTON(tb) DICK LIEB(bstb) BOB NOTHERN(frh) BILL BARBER (tuba) ALBERT BLOCK(fl) STEVE LACY(ss) CHUCK WAYNE(g) DICK CARTER(b) DENNIS CHRLES(ds) GIL EVANS(p)

 

92点  side1-1  「THEME」                                         1959/2/5

85点  side1-2  「CHANT OF THE WEED」                    1959/2/5

91点  side1-3  「DJANGO」                                       1959/early

90点  side2-1  「STRAIGHT NO CHASER」                  1959/early

86点  side2-2  「JOY SPTING」                                  1959/2/5

88点  side2-3  「BALLAD OF THE SAD YOUNG MEN」  1959/2/5

87点  side2-4  「DAVENPORT BLUES」                       1959/early

 

「テーマ(1-1)」

ギルのオリジナルです。ギルの金属的なピアノがテーマを弾いた後、そのテーマをオーケストラが演ります。ミュート・トランペットとフルートが不安定な調和を見せ、ギル・マジックその一登場です。最初に現れるのはB.ジョンソンですが、不安定な調和をドッシリとしたテナー・サックス・ソロへと導きます。次いでR.クロウフォードのギター、E.ジョーンズのドラムと続き、ギル・バンドがテーマを奏します。気品があり別格でいつまでも浸っていたい92点です。

「チャント・オヴ・ザ・ウィード(1-2)」

ドン・レッドマンが自分のバンドのテーマとした自作曲です。B.ジョンソンのクラリネットが昔を思わせますが、ギルのペンはスイング時代を切り取って現代に貼り付け、ギル・マジックその二を披露します。再聴下限の85点です。

「ジャンゴ(1-3)」

ジョン・ルイスがジャンゴ・ラインハルトの死を悼んで作った名曲です。ギルはあのテーマをギルの色で奏でます。そしてベースの動きに連られてギルとS.レイシーのソプラノ・サックスがを二人で哀しみ表します。やがてテンポを変えてギル・バンドが歌い、すぐにテンポを戻してベースがあのリフを弾きます。今度はJ.コールズが哀しい音色で歌い、テンポを上げては戻します。最後はベースが奏でるあのリフにJ.コールズとギル・バンドが協奏し、トランペットとソプラノ・サックスとピアノでフェイド・アウトするかと思いきや、最後はギル・バンドが締めます。二つのテンポを操ることによりバラードの部分が際立ち、ギル・マジックその三を見せられました。気品があり別格でちょっと浸りたい91点です。

「ストレート・ノー・チェイサー(2-1)」

ギルの印象的なイントロから始まり、モンクのあのメロディーが現れます。J.コールズ、S.レイシー、J.クリーブランド等のソロがありますが、ギルのピアノ・ソロが最も光ります。モンクとの共通項を見る思いです。最後はギルのピアノが奇才ぶりを発揮して終わります。気品があり別格の90点です。

「ジョイ・スプリング(2-2)」

クリフォード・ブラウンを追悼して彼の曲を取り上げました。ピアノとギターで出て、ソロはR.クロウフォードがとります。ギル・バンドがあのメロディーをブラウニーに代わってギル色で演りますが、天国のブラウニーも喜んでいることでしょう。ちょっといい86点です。

「バラッド・オヴ・ザ・サッド・ヤング・メン(2-3)」

ギルのバラードで、ベースがいい動きをし、雲があちらこちらから湧き立ち、幻想的な景色を見せます。J.クリーブランドのトロンボーンはギルのバラードに欠かせない存在で、ここもピタッと嵌まります。お洒落で格好良く僅かながら気品を感じさせる88点です。

「ダヴェンポート・ブルース(2-4)」

伝説のコルネット奏者、ビックス・バイダーベックの作品です。J.コールズが大役を担います。本編からは外れてしまいますが、ベースの動きに魅せられました。ビッグ・バンドでこれほどベースを上手に効果的且つ印象的に使う人を知りません。ギルのペンは絶好調です。お洒落で格好いい87点です。

 

92点  side1-1  「THEME」                                         1959/2/5

 

91点  side1-3  「DJANGO」                                       1959/early

 

90点  side2-1  「STRAIGHT NO CHASER」                  1959/early

 

88点  side2-3  「BALLAD OF THE SAD YOUNG MEN」  1959/2/5