第一七八番真言碑

初雪さえ降り

この冬一番の寒さのあとだっただけに

こんなに天の恵みを受けた

きょうのこの日のありがたさよ

素足の園児たちが幕を引いてくれ

手話をしながら

二度とない人生だからの詩を

第一節から七節まで全部

声高らかに唱えてくれた

 

日本国中にどれほど

保育園があろう

でも手話をしながら唱えてくれる

二、三歳児たちはいないだろう

もう一つ驚いたことは

わたしが話をするうしろの黒板には

さかむらしんみんせんせいと

歓迎の文字が

園児たちの可愛い小さい手形で

できていることだった

園長の小部(こべ)智子先生のお心が

じんじんと伝わってくる

すばらしい除幕式だった

 

碑の石は天山御影石

形のよい川石だった

お天気にも恵まれ

何もかもありがたくて

神仏のおん守りの(あか)し一ぱいの

除幕入魂式であった

 

坂村真民全詩集 第七巻 大東出版社