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『ブルー・トロンボーン』と吹き込み時期もメンバーもほぼ同じ兄弟アルバムです。全編に亘ってトミー・フラナガンのピアノが断然光っています。J.J.ジョンソンはテクニックがあり安心して聴いていられる稀有なトロンボニストですが、どうも何か物足りなさを感じてしまいます。その足りないものは“情念”ではないかと思っています。そんな中でこのアルバムを救ったのは、トミフラの品が良くて切れるピアノだと思います。トミフラが居なければ随分と平凡なアルバムになったのではないでしょうか。正に名脇役です。

 

J.J.JOHNSON(tb) MAX ROACH(ds) PAUL CHAMBERS(b) TOMMY FLANAGAN(p)

 

85点  side1-1  「IT’S ONLY A PAPER MOON」                1957/4/12

86点  side1-2  「PAUL’S PAL」                                     1957/4/11

86点  side1-3  「FOR HEAVEN’S SAKE」                        1957/4/11

88点  side1-4  「COMMUTATION」                                 1957/4/12

87点  side1-5  「HARVEY’S HOUSE」                             1957/4/11

86点  side2-1  「THAT TIRED ROUTINE CALLED LOVE」  1957/4/11

86点  side2-2  「BE MY LOVE」                                      1957/4/12

87点  side2-3  「CRY ME A RIVER」                                1947/4/26

86点  side2-4  「NICKELS AND DIMES」                          1957/4/11

 

「イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン(1-1)」

短いけど軽快なトミフラのソロは聴かれますが、P.チェンバースのノコギリ引きソロと相殺されて再聴下限の85点です。

「ポールズ・パル(1-2)」

ちょっとのどかな雰囲気のある曲です。トミフラのピアノはのどかな雰囲気の中を流れる小川のようで、キラキラと清く流れます。ちょっといい86点です。

「フォー・ヘヴンズ・セイク(1-3)」

バラードで、JJはミュートをかけます。テーマとソロ、全てJJの独演でトミフラのソロはありません。ちょっといい86点です。

「コミュテイション(1-4)」

トミー・フラナガン・トリオで始まります。小気味良いアタックとキレの良さで、演奏によい緊張感をもたらせます。続いてJJのソロ。上手くて可もなし不可もなし。次はP.チェンバースのベースとM.ローチのドラムを二人だけで演り、JJとローチのソロ交換、ローチのソロ、JJのソロと続きますが、最初のトミフラの雰囲気設定が効いて、お洒落で格好良く僅かに気品すら感じさせる88点です。

「ハーヴェイズ・ハウス(1-5)」

この曲もトミフラがムードを設定し、ソロのトップもトミフラです。短いがグルーヴィーなソロです。ここでのJJは珍しくエモーショナルな面を見せていい感じですが、曲が短かいのが残念です。お洒落で格好いい87点です。

「ザット・タイアド・ルーチン・コールド・ラヴ(2-1)」

ここでもJJはミュートです。JJが終わりトミフラのピアノ・ソロが始まると、アッという間に清楚に輝く世界に変わります。ちょっといい86点です。

「ビー・マイ・ラヴ(2-2)」

テーマの後いきなりトミフラのピアノが跳ねます。このお洒落な感じが堪りません。しかし曲としては、ちょっといい86点です。

「クライ・ミー・ア・リヴァー(2-3)」

曲が良いのか、JJに不足がちな“情念”が少し感じられて演奏に力があります。JJのミュートを使ったソロの後現れるトミフラのソロは気品を感じさせます。お洒落で格好いい87点です。

「ニッケルズ・アンド・ダイムズ(2-4)」

割と速いテンポで、M.ローチのドラムから始まります。そこにトミフラのピアノは小気味良く響き、装飾音が効果的でお洒落です。ちょっといい86点です。