この時期ペッパーは、M.レヴィエフの名義で2枚のアルバムを吹き込んでいます。即ち、『ブルース・フォー・ザ・フィッシャマン』と『トゥルー・ブルース』(共に80/6/28,29)です。本アルバムでの出来は、その2枚よりも良いと感じます。
ART PEPPER(as) MILCHO LEVIEV(p) BOB MAGNUSSON(b) CARL BURNETT(ds)
91点 CD1-1 「UNTITLED #34」 1980/5/
89点 CD 1-2 「AVALON」 1980/5/
88点 CD 1-3 「STRAIGHT LIFE」 1980/5/
92点 CD 1-4 「PATRICIA」 1980/5/
90点 CD 1-5 「BLUESFOR BLANCHE」 1980/5/
91点 CD1-6 「A SONG FOR RICHARD」 1980/5/
「アンタイトルド・34番(CD1-1)」
音合わせの後、一旦静寂となり、アート・ペッパー・カルテットの演奏が始まります。ブルース風です。ペッパーのソロは好調で、スキ無く乗れます。続くレヴィエフのソロもオーソドックスさに少し新しさを足して好感が持てます。B.マグナッソンのベース・ソロは特筆するほどではありませんが、ドラムのC.バーネットと相俟って良くカルテットを盛り上げています。別格でちょっと浸りたい91点です。
「アヴァロン(CD1-2)」
スイング時代にベニー・グッドマンがよく演った曲です。そのせいか心なし寛ぎを感じます。ペッパー前期の寛ぎに後期のアグレッシヴさを加味するとこんな演奏になります。M.レヴィエフのピアノに聴衆は乗っています。好調ですね。ペッパーを喰っているかも。楽しいコンサートです。別格一歩手前の89点です。
「ストレート・ライフ(CD1-3)」
ペッパーお馴染みの急速調の曲です。ペッパーのソロはいつも通りのスウィンギーさとエネルギーです。C.バーネットのドラムが全員をよく鼓舞しています。お洒落で格好良く気品すら感じさせる88点です。
「パトリシア(CD1-4)」
しっとりとバラードです。アドリブ・パートに入ると激しい一面も見せますが(例によって)、バックの3人が実によく演っています。自分の役割をしっかりと演じ切っています。ペッパー→レヴィエフ→マグナッソン→ペッパーとそれぞれに素敵なソロが続き、ペッパーの後半のソロでは、バラード・プレイからブルース調へと全員で盛り上げて行き、その盛り上がりのままに曲を終えます。バラードから始まり、ブルースで終わる、その風情にいつまでも浸っていたく92点です。
「ブルース・フォー・ブランチ(CD1-5)」
ブルースです。ペッパー、レヴィエフ、マグナッソンとソロが続きますが、C.バーネットの好サポートが目立ちます。エルヴィン・ジョーンズばりで、スリリングです。最後にはペッパー、レヴィエフとの長い小節交換もあります。別格の90点です。
「ア・ソング・フォー・リチャード(CD1-6)」
ペッパーのアルトとマグナッソンの弓弾きから始まります。そしてやおら、雰囲気のあるテーマが登場します。やがてイン・テンポになり、哀しみの一面を湛えた曲は、ペッパーのソロ、レヴィエフのソロ、マグナッソンのソロ、再びペッパーのソロと続きます。演奏全体はちょっと荒削りですが、曲が魅力的なので、別格でちょっと浸りたい91点です。