日本公演では1978年3月14日の山形公演(最終公演)が2枚発売済みですが、これはその5日前に神戸で行われたライヴです。
ART PEPPER(as) MILCHO LEVIEV(p) BOB MAGNUSSON(b) CARL BURNETT(ds)
91点 CD1-1 「THE TRIP」 1978/3/9
90点 CD 1-2 「RED CAR」 1978/3/9
87点 CD 1-3 「STELLA BY STARLIGHT」 1978/3/9
88点 CD 1-4 「THE GIRL FROM IN IPANEMA」 1978/3/9
92点 CD 1-5 「BLUES IN E FLAT」 1978/3/9
「ザ・トリップ(CD1-1)」
決定的名演を『ザ・トリップ』に残しており、その後何度もレコーディングを重ねる曲です。丁度コルトレーンの「マイ・フェイヴァリット・シングス」を聴く気分に似ています。名曲なので、ここでも別格は外しません。ちょっと浸りたい91点です。
「レッド・カー(CD1-2)」
ベースが出て、ピアノが加わり、ドラムも加わって、そしてペッパーの登場というパターンです。とても乗りの良い曲で、M.レヴィエフの左手から繰り返し繰り出されるフレーズが堪りません。ペッパーのソロも好調、M.レヴィエフのソロも乗り乗り、B.マグナッソンのベース・ソロも楽しい、C.バーネットのドラム・ソロがもう少しコンパクトならば、盛り上がった気分を継続できたのですが…。それでも山形公演よりはこちらの方が良く、別格の90点です。
「ステラ・バイ・スターライト(CD1-3)」
バラードです。ペッパーはレヴィエフと二人だけで出ます。テーマが終わるとベースとドラムが加わり、テンポを上げ、バラードらしさは無くなります。レヴィエフのソロも普通の曲のように、いやそれ以上にエキサイティングです。何故この曲なんだろう?バラードを聴きたかったなあー、です。最後のテーマ部は少しバラード風になる気配を見せて、やはりエネルギッシュに終わります。ペッパーがやっていることなので、86点までは落とせず、お洒落で格好いい87点です。
「ザ・ガール・フロム・イン・イパネマ(CD1-4)」
例によってペッパーはアドリブから入り、やがてテーマを吹きます。ラテンは得意なペッパーですが、この曲を演るのは珍しいです。ペッパーに続くレヴィエフのソロは「テイク・ジ・エイ・トレイン」をさりげなく見せて始まり、ペッパーとレヴィエフとの小節交換と続き、エンディングです。この曲はスタン・ゲッツの印象があまりにも強過ぎて困ります。あれは名演ですから。お洒落で格好良く気品すら漂わせて88点です。
「ブルース・イン・イー・フラット(CD1-5)」
スロー・テンポのブルースです。「これはっ!」と期待です。ペッパーのブルースはやはりいいです。別格でいつまでも浸っていたい92点です。ペッパーのマイクがもう少し近ければ93点だったと思います。