マイルスの超一流リズム・セクションを借りて遠慮があったのか、殆どの曲でガーランド、チェンバース、フィリージョーにもソロが割り振られています。Ifですが、もしも典型的なワン・ホーン・カルテットのようにペッパーのソロ・パートを大幅に増やしていたら、このアルバムは“名盤”を超えて“超名盤”になっていたと思います。コンテンポラリー・レコードのレスター・ケーニッヒ社長兼プロデューサーの企画でこのアルバムは生まれたそうですが、社長!そこまで考えて欲しかった‼イースト・コーストの能ある鷹には爪を隠して欲しかった…。
ART PEPPER(as) RED GARLAND(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)
98点 side1-1 「YOU’D BE SO NICE TO COME HOME TO」 1957/1/19
90点 side1-2 「RED PEPPER BLUES」 1957/1/19
92点 side1-3 「IMAGINATION」 1957/1/19
88点 side1-4 「WALTZ ME BLUES」 1957/1/19
90点 side1-5 「STRAIGHT LIFE」 1957/1/19
92点 side2-1 「JAZZ ME BLUES」 1957/1/19
93点 side2-2 「TIN TIN DEO」 1957/1/19
90点 side2-3 「STAR EYES」 1957/1/19
93点 side2-4 「BIRKS WORKS」 1957/1/19
「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥー・カム・ホーム・トゥー(1-1)」
A.ペッパーは絶頂期なので最高の音を出しますが、バックがいつもと違ってマイルスのリズム・セクションなので、カルテットの音は異彩を放っています。ごっつい目の騎馬に見目麗しいイケメンが乗った騎馬線を見ているようですが、この騎馬の強いこと華麗なこと!この1曲だけあればいい!と思ってしまうほど素晴らしいのですが、他の曲も90点以上が目白押しで、名実ともに名盤です。人に薦めたい程で感動の極みの八合目に達する98点です。
「レッド・ペッパー・ブルース(1-2)」
強力なリズム陣に乗ってペッパーは自在なソロを披露します。ガーランド、チェンバース、フィリージョーとソロが続くにつれてテンションは下がりますが、始めのインパクトが残って別格の90点です。
「イマジネーション(1-3)」
バラードで、全く期待を裏切りません。ペッパーの音色の美しいこと!消え入りそうな高音、包み込むような低音、張りがあり艶やかな中音、ペッパーの魅力の一つである“音”が前面に出た演奏です。ガーランドは可愛らしくシングル・トーンで弾いています。最後はやはり少しだけブロック・コードを出しますが…。チェンバースは弦を弾いているのでソコソコ。別格でいつまでも浸っていたい92点です。
「ワルツ・ミー・ブルース(1-4)」
これはいきなりアドリヴです。四人でワン・コーラスずつのソロを二回繰り返し、ガーランドとペッパーの印象的な絡みがあります。ガーランドは上手い!曲というより断片を聴いたという印象で、少し気品を感じさせる88点です。
「ストレート・ライフ(1-5)」
ペッパー十八番の急速調で、相変わらずのドライヴ感は流石です。続くガーランドのピアノ・ソロは良しとして、チェンバースの又出た弓弾き(鋸引き)で気を削がれ、最後のフィリージョーとペッパーのフォー・バースで新たな魅力に触れ、最終的には別格の90点です。
「ジャズ・ミー・ブルース(2-1)」
ここでもペッパーは強力なフィリージョーのドラムに乗り、ペッパーしか出来ないブルースを吹きます。この曲でもピアノ、ベースに等分のソロが割り振られます。フォー・バースという形でドラムにも。それが曲の密度を小さくしますが、でもペッパーは別格でいつまでも浸っていたく92点です。
「ティン・ティン・デオ(2-2)」
ラテンっぽいリズムで始まります。テーマを吹くペッパーからして哀愁が横溢、ましてやソロにおいておや!この哀愁は70年代ではかなり薄くなってしまいます。ガーランドも珍しく哀愁を感じさせます。この曲ではチェンバースのソロは不要です。ペッパーは限られたソロ・スペースの中でペーソスを如何なく発揮し、いつまでも浸っていたくこのペーソスを人にも奨めようかという気がよぎる93点です。
この哀愁!これだけは70年代のA.ペッパーには残念乍ら聴かれませんので、ペッパーの絶頂期論争は56~58年説がやはり有利かなと思ってしまいます。
「スター・アイズ(2-3)」
ペッパーにお似合いの曲です。繊細なペッパーとごっついリズム隊の奇妙なマッチングを楽しみましょう!しかし、ここでも各人悪平等のソロ!ペッパーが居るからこその別格90点です。
「バークス・ワークス(2-4)」
イーストの香りにペッパーのペーソス溢れるブルース・フィーリングが加味されます。ここでもチェンバースとフィリージョーのソロが折角の演奏を薄めています。それでも人に奨めようかという気がよぎる93点です。
98点 side1-1 「YOU’D BE SO NICE TO COME HOME TO」 1957/1/19
90点 side1-2 「RED PEPPER BLUES」 1957/1/19
92点 side1-3 「IMAGINATION」 1957/1/19
88点 side1-4 「WALTZ ME BLUES」 1957/1/19
90点 side1-5 「STRAIGHT LIFE」 1957/1/19
92点 side2-1 「JAZZ ME BLUES」 1957/1/19
93点 side2-2 「TIN TIN DEO」 1957/1/19
90点 side2-3 「STAR EYES」 1957/1/19
93点 side2-4 「BIRKS WORKS」 1957/1/19
