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【2021年6月9日 朝日デジタル】
対面授業なしは「義務不履行」 学生が明星大を提訴へ
原告の男子学生は入学以来、ほとんどの授業をオンラインで受けている。「友達と交流関係をつくりたいから大学に行きたい」と訴える。
コロナ禍を理由に対面授業をやらないのは、大学として義務を果たしていない――。そう訴える男子学生(19)が、学費の半額分の返還などを大学側に求める訴訟を東京地裁に近く起こす。学生は「オンライン授業を安易に続ける大学に不安や疑問を感じる学生は多い。誰かが声をあげないといけない」と話している。
原告の男子学生は2020年4月、「将来、会社を経営したい」と東京都日野市にある明星大学に入った。入学式もなく、所属する経営学部で受けた20年度の授業は、オンラインのみ。録画された講義動画を見てリポートを提出するのが主な内容だった。実家を離れての一人暮らしで、コロナ禍でアルバイトもできなかった。
「(昨年は)画面越しでしか教授らを見ていない。授業の疑問を相談できる友人をつくる場もなく孤独だった」という男子学生は、なぜ丁寧な説明もなくオンライン授業を続けるのかと大学への不信感がふくらんだ。父親(70)から「理不尽な対応なら問題提起すべきだ」との助言もあり、提訴を考えたという。
訴えでは、文部科学省が20年7月と9月に▽対面授業ができない理由の説明▽授業の代わりとなる学生同士や教授らとの交流機会の設定――などを実施するよう各大学に求めていたことを指摘。
大学側の対応は「文科省の要請に反している」としたうえで、施設を利用させるなど学生との契約義務を履行していないと主張する。学費の返還分を含め、計140万円の損害賠償を大学側に求める予定だ。
明星大は取材に、「学生や教職員の安全確保を最優先する」との方針のもと、昨年春から全学部の授業をオンラインにし、昨秋から一部科目で対面授業を再開したと説明。ただ、経営学部の昨年度の全授業はオンラインで行ったという。
こうした授業方針は、学生用ポータルサイトや大学ホームページなどで周知。このほか、経営学部の1年生については昨年9月と今年3月の計2回、学生同士や上級生、教員との交流会を対面で行ったという。男子学生による提訴方針は「訴状が届いていないため確認できない」とした。
文科省による調査(20年10月時点)では、全国の大学や高等専門学校など計187校が、対面授業の実施割合を全体の半分未満と回答した。「ほぼすべての学生が授業形態などを理解・納得している」と答えたのは、このうち18校だった。
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勇気ある行動だと思いますし、現役学生という弱い立場にありながら、強い意志と覚悟を感じます。
提訴したこの学生は、次男と同じ歳。
大学に入学してから1年3ヶ月。この学生も次男もキャンパスライフを送れていないのです。
コロナ禍ということであっても文科省が大学に求めたように学生同士や教授らとの交流機会の設定を
行うことはオンラインでもできたはず。
大学に1日も通えていない学生は、自主的に何かを大学に訴えていくことなどできないのです。
単なる通信教育でしかなかった昨年一年間。
日本中の大学生全員がオンラインだったのであれば、それなりに諦めもついたかもしれません。
国公立、理系、サークルなど、大学に行けた学生はいたのです。
理不尽さを感じずにはいられませんでした。
大学に行けなかった学生が団体を作って菅総理に陳情したというニュースも目にしました。
結果を出せなかったことで訴えかけることを諦めて団体を解散してしまったよう。
自殺したいと思った経緯なども書かれているネットの記事を読むと本当に切ない気持ちになります。
母親の私の方が次男より怒りの感情が強いのかもしれません。
次男はもう冷めている印象。
もどかしすぎます。
この学生の勇気ある行動が世論を巻き込み大学の在り方を変えてくれるのではないかと信じたい。
今日は、久しぶりに河川敷で美しい夕陽を眺めながらのウォーキング。
真夏日だったけれど、風が心地よかったです。
福岡県の緊急事態宣言下の自粛も残り11日。
当たり前の日常が戻ってくることを祈るのみ。