月に一度のご挨拶 WIN&WINセミナー 塾長の手紙 -32ページ目
塾長の古田修一です。
今年一年も終わります。今年は皆様にとりまして、どのような年でしたでしょうか。私もこれまでの一年を振り返り、来年に向けての目標設定をしていこうと考えています。
寒さもいっそう増してきています。インフルエンザも流行する時期になりました。皆様体調には十分にお気をつけください。

<飛び込みの営業マンに感動>
最近塾に飛び込みで営業に来た方に初めて感動しました。塾にいますと、様々な営業マンがやってきます。電話での営業も多くあり、断るのも大変です。そのような中、いつもであれば簡単に断るのですが、もっと話を聞きたくなるような内容でした。
「トイレの便座の除菌スプレーを1週間無料で試してみませんか?」との話。確かに除菌スプレーがあれば、常に清潔を保つことができていいなとは思いましたが、毎月の費用のことを考えると、消極的でした。しかし、次の一言で、一気にくらいついてしまいました。「今なら初回のみ、無料でトイレの掃除もします!」
いろいろと説明を聞くと、単純な掃除ではなく、素人では落とすことのできない汚れも落としてくれるというのです。長年トイレを使用すると、「尿石」というものが便器のへりに付着するそうなのです。実際、この塾も10年以上も同じものを使用していますので、だいぶ付いていました。私も掃除しているときいつも「どうやったらこの汚れが取れるのだろう?」と考えていました。
「初回は無料ですが、もし除菌スプレーをつけてくれたら、掃除費用は○○円でやります」ということでした。あくまでもメインは除菌スプレーの販売だったのですが、どちらかというと、掃除のほうに関心を持ちました。金額もそこまで高額ではなかったので、試しにどの程度きれいになるかを見るために掃除をしてもらうことにしました。
かなり評判の良いサービスだったようで、お試しの掃除に来ていただくまで1週間ほど時間がかかりました。
作業の日がやってきました。1時間ほどの作業時間でした。特殊な薬剤を用いた作業で、ものすごい臭いが出ましたが、見てみると驚くほど変わっていたのです。私が落としたかった白くざらついた尿石もきれいに落ちていました。便器のコーティングまでしてもらったので、まるで新品の便器のようにピカピカと輝いていました。また、タンクの上にある手を洗うところの黒ずみもきれいに落ちていました。これには、「さすがプロ!」と感動です。あまりの変わりようでしたので、ビル2階のトイレも同じように掃除してもらうことにしました。2階トイレは少し悩んでいたことがありました。それは、暖房便座ですので、便座の裏側の汚れを取ることができていなかったのです。(ただ便座を取り外せるということを知らなかっただけなのですが・・・。)「便座も取り外して全部やりますよ」とのことで、仕上がりが楽しみでした。
1時間後、作業は終了しました。見るとまたまた感動!汚れがひとつも見えないほど白く輝いていました。長年使用していたので、黄ばみも若干あったのですが、それもすべてなくなり新品のようでした。
あまりにも感動したので、本当は3階部分のトイレだけにしようと思っていたのですが、2階部分のトイレも契約することにしました。
掃除してもらってからは、日々のメンテナンスが楽になりました。さっとふき取るだけで、もとの輝きが!毎日のお手入れが楽しみになりました。

なぜそこまでに感動しているのかと思われるかもしれません。「なぜそんなことにお金をかけるのですか?」ということを聞く生徒もいました。実はこれにはちょっとしたこだわりがあるのです。

<私の掃除へのこだわり>
私がトイレや教室内の清掃を積極的に取り組んでいこうと考えたのが今から2年前です。最初のきっかけは、自分自身を磨いていこうとの気持ちでした。あとは、何かひとつ毎日継続してできることを作りたいと考えていたこともあります。何も哲学的に考えているわけではなく、そんな軽い気持ちではじめました。
毎日継続するということは苦手にしているところがあるので、やはり最初の1年はサボってしまうこともありました。「今日は少し疲れているし、明日でいいか」など、甘い考えが出てくるとそうなります。まずはこの甘い気持ちを何とか直そうと考えるようになりました。
継続させるためにひとつ工夫をしてみました。それは、出勤したら必ずやることとして「清掃」を組み込んでみたのです。どんな状況でもこれだけはと決めました。時には、午前中に人と会う約束をしていて、時間をとることができないこともありましたが、そのようなときには、少なくともトイレだけは、と心がけました。トイレ掃除は、慣れてくると、1箇所5分程度で掃除をすることができます。あまり時間をとらずにできますので、これなら継続できると思いました。
そう考えて実践に移しました。「三日坊主」とよく言いますが、最初の三日は何とか乗り切ることができました。その先がやはり気持ちを強く持たないといけないところです。何とか気持ちを奮い立たせて乗り切ることができました。それから1週間、2週間と経つと、不思議と体が同じ時間に動くようになりました。毎日歯を磨かないと気持ち悪いのと同じで、掃除をしないと何か落ち着かないような感じが初めて私の中に芽生えてきました。(ちょっとオーバーな表現かもしれませんが・・・。)このように清掃は、一つの日課になったわけですが、この日課を通してさまざまな気づきを与えられました。清掃すると室内もきれいになりますので、気持ちもすっきりとするのですが、つい忘れてしまうような大切なことに気づき始めるのです。

<掃除継続からの気づき①>
始めて1年目は2つのことに気がつきました。1つは清掃を通して体を適度に動かすことにより、頭がすっきりとする感覚を得ました。私は自宅から塾までは徒歩で10分程度なので、遠くまで通勤されている方に比べると、運動量的にも少ないのです。軽く掃除をするだけでも、しっとりと汗をかき、頭だけではなく気持ちもスカッとします。(夏場は汗が吹き出しますが・・・。)
インターネットで、掃除とモチベーションに関する記事を読みました。(『モチベーションアップの法則』で検索すると出てきます)それによると、掃除をすることにより、達成感を得ることができ、次の作業にその勢いのまま移れるとのことでした。ジョギングなどの運動も気持ちがよいものですが、身近な掃除でも簡単に運動が取り入れられると思いました。

2つ目は、自分自身の悪いところを見直すことができたことです。「先生」と呼ばれる職業に就くと、知らず知らずのうちにおごり高ぶった態度になりがちです。まだ私にもそのようなところがあると思います。(これは私にとって永遠の課題になると思います。)掃除をしていると、そのような自分自身の悪いところ、反省点などを考えるようになりました。たぶん普通に生活をしていたら、そのようなことを考えることもないと思います。不思議と、掃除を継続していると、自然に考えるようになりました。今でもトイレの便器を磨きながら、掃除機をかけながら、「昨日あんなことを言ってしまってごめん。」「ちょっと横柄になってしまったかな?」などと自問自答しています。そのため掃除中はかなり没頭していて、周りから声をかけられるとびっくりしてしまうこともあります(笑)。まだまだ発展途上の私です。自分自身の悪いところを点検できるよい機会としても、この掃除は継続したいと感じました。

<掃除継続からの気づき②>
2年目の今年、新たに1つのことに気づきました。それは、「みんな、塾を利用してくれてありがとう。」との感謝の気持ちが持てるようになったことです。授業が終わると、多少なりとも汚れてくる部分があります。以前は、「何でこんなに汚くなるのか」と腹を立てることが多くありました。教室はきれいに使うように、と生徒たちに厳しく注意することもありました。確かに生徒に指導することも大切ですが、私自身も教室の美化を意識しないといけないと感じたのです。もしこの塾に一人も生徒がいなかったらと考えると、教室が汚れるようなことがないかもしれません。多くの生徒が集ってくれるから、ゴミや汚れもたまってくると思えるようになりました。「利用してくれてありがとう」このことを心の底から思えるようになってくると、掃除をしていても腹を立てるようなことがなくなったのです。それに、室内が清潔だと利用している人も気持ちがいいと思います。この気持ちは今後も大切に持ち続けたいものです。

<凡事徹底(ぼんじてってい)>
掃除のことについて、さらにインターネットで調べて行くと、ある人の話に出会いました。イエローハットの創業者、鍵山秀三郎(かぎやまひでざぶろう)さんです。鍵山さんは今では有名なカー用品販売会社に会社を成長させましたが、創業当初は自転車の行商から始めたそうです。社員を雇おうとするのですが、そのような小さな会社では新卒社員が応募してくるわけではなく、いろいろな職業を渡り歩いてきた中途社員ばかりでした。中途で入社してくる社員のほとんどは心が荒れていたそうです。そこで、鍵山さんは、社員の心を穏やかにさせる必要を感じました。当時の鍵山さんは口下手で、言葉でうまく伝えることができませんでした。また、手紙などで温かい言葉を送ることも苦手にしていたそうです。そこで考えたのは、「働く環境をきれいにして心を穏やかにしてもらう」しかないと考えるようになりました。これが、鍵山さんが今言う「凡事徹底(ぼんじてってい)」の考えのもとになる、「掃除」へのこだわりの最初だったのです。

当時のカー用品店はどこも汚かったそうです。倉庫は油と埃だらけで、ものは置きっぱなしの状態でした。それを社長自ら、毎日掃除をし、整理整頓に心がけたのです。私からするとすばらしい行動だと思うのですが、当時の社員はそんな社長の行動をまったく評価していなかった。むしろ、「余計なことはしないでほしい」「こんなことをしているから商売がうまくいかないんです」と怒られることが多かったようです。「よそは汚いのに、なぜうちだけきれいにする必要があるのですか?」という社員もいたそうです。
評価されない日々は続きましたが、それでも鍵山さんは掃除をすることを徹底して継続しました。その努力が評価されたのは、12年後だったそうです。ある日何も言われずに社員が会社の車を洗車していたのです。それから、徐々に職場を自ら掃除する社員の数が増えてきました。
そのような社員が増えたことにより、社風が良くなってきました。社風が良くなると自然と良い行動が取れるようになりました。
「凡事徹底」に関して、鍵山さんは言います。「みんな特別なことをやろうと考えている。しかし、世の中に特別なことはない。ないものを探しているうちに一生は終わってしまいます。一方、平凡なことならいくらでもあります。その一つ一つを大切にしていけば、やがて大きな力になります。」
鍵山さんは今では事業承継をし、会社は引退されていますが、この凡事徹底の掃除を30年も続け、今では「NPO法人日本を美しくする会」を立ち上げ、日本だけではなく、世界で掃除をすることの大切さを訴え続けています。
鍵山さんの30年に比べると、私なんかはまだ2年です。ここまで徹底されると、もっと多くのことが見えてくるような感じがしました。まだ私は、今回紹介した3つのことしか見えていません。鍵山さんのインタビュー記事を読んでいると、ちょっとしたきっかけで始まった私の「掃除」を通して、私ももっと多くの発見をしていきたいと強く感じるようになりました。

私もこの12月で39歳になりました。もう胸を張って活躍できる人間にならないといけないと思っています。30代最後の年になりました。私自身もWIN&WINセミナーの「塾是」にあるように、より人格を向上させ、社会に貢献する「人財」になれるよう、日々精進していこうと思っています。

~最後までお読みいただき、ありがとうございました。~


~参考文献~
・『日本の社長』(http://www.nippon-shacho.com/)
・『モチベーションアップの法則』
(http://www.motivation-up.com/)