4月になり、暖かな陽気が続くようになりました。街を歩いていると、新しい制服、スーツを着た新人たちを見かけます。そんな様子を見ていると、私の気持ちも新鮮になり、今年一年頑張ろうとの元気をもらうことができます。塾では3月から新年度がスタートしていますが、この4月、あらためて気持ちを入れ替え頑張っていこうと思っています。
<父の田舎暮らし>
私事にはなりますが、今月号ではまず私の父のことについて触れたいと思います。
父はかねてより都会を離れて田舎暮らしをすることを考えていました。もともと出身は鹿児島県の西之表市(種子島)で、仕事を引退した後は、種子島に帰りたいとの気持ちがありましたが、なかなか実現することができませんでした。しかし、さまざまな人との出会いの中から、種子島のような海のある土地ではありませんが、自給自足の生活が基本となるような田舎へ移住することがきまり、この4月から移住の準備のために、現地に行くことになりました。
今回父が移住を決めたところは、新潟県阿賀町豊実です。2年前に自然塾を開催した地で、山に囲まれた自然豊かで静かな集落です。以前もこの塾長の手紙で紹介させていただきました『NPO法人コスモ夢舞台』の代表である佐藤賢太郎先生のご尽力のおかげで移住をする機会を与えていただきました。
佐藤先生は、長年NPOの活動や、アートを通して都会の人と過疎化した町の人との交流で、地方再生に向けて活動されてきました。その活動が軌道にのり、今年からは、豊実への移住者の受け入れ支援を本格的に始め、さらに田舎暮らしのよさを伝え、地方の活性化にむけて走り出すそうです。そんな佐藤先生の活動のお手伝いをさせていただきたいとの父の気持ちもあり、移住が決まったのです。
移住するといっても簡単なことではありません。最近の地方行政では、移住支援をしているところが多くあります。しかし、ただ空き家の提供をするというだけのものがほとんどです。佐藤先生も、ご自身のブログにも書いていらっしゃいますが、住む家はあっても、地元の方との人間関係を築くのには時間がかかります。人間関係を築けずに、せっかく移住した地を離れなくてはいけなくなった人もいるそうです。行政はハード面に関しては強くても、人と人との心に関するところまでのサポートはしきれていないように思えます。
そこで、佐藤先生のような地元の方が、パイプ役になっていただけると、ひとりで地元の方との信頼関係を築くよりも、スムーズに入り込むことができます。もちろん、本人の努力も必要ですが。
また、一番大きな点は、付き添ってくれる母の支えがないと実現できないことです。母は都会暮らしが長く、70歳を過ぎてからの何もない田舎での生活に相当不安を抱えています。そんな不安を抱えつつ父についていくのですから、相当な覚悟を持ってのことです。決して自分ひとりの夢だけでは動くことができません。私も以前妻に冗談で「俺の夢は年をとってから屋久島で暮らすことだ!」なんていったことがありますが、即「冗談じゃない!」ってしかられました(笑)。でも、田舎暮らしへの憧れはあります・・・。
そう考えると、父自身が夢を持って移住をするといっても、さまざまな方の協力がなければ夢を追い続けることはできないわけです。あとは、地元の方に恩返しができるような活躍を期待しています。また、私も応援していきたいと思っています。
父のほかにも、一人移住を強く希望されている方がいらっしゃるそうです。地方再生と都市部と田舎の人たちの交流に向け意欲的な方々の輪が広がっているところですので、今後の本格的な活動が楽しみでもあります。
父が住むところは、豊実駅の目の前。立地としては最高です。ところが、長年空き家になっていたところですので、家の中はだいぶ傷んでいるところが多くあるそうです。まずは、家の清掃と整備から始めているようです。家は広く、風呂場やトイレも複数個所あり、厨房は業務用で、宿泊客を泊めることができるような家です。整備が終わった後は、コスモ夢舞台の活動で宿泊施設として利用するとのこと。私たちも以前自然塾を開催しましたが、今度は、父の家を利用して自然塾を再び開催することができるかもしれません。
田舎での暮らしはすべて自分自身でやらないといけません。自分たちが生活する環境を整え、自分たちが生きるために食べる野菜や米を育て、生かしていただく自然を守っていかなくてはいけません。私も含め現代の都会人は、お金を出せば与えてもらえる、恵まれすぎている環境にいます。そういった意味では、豊実のような集落での生活体験は、子どもたちだけではなく我々大人にとっても、教育的な意義があります。今後も父が関わっていくコスモ夢舞台の活動に注目し、私自身もできるところから関わっていきたいと思っています。
<今月の凡事徹底>
先月から新たに始めた、「今月の凡事徹底」の塾をあげての取り組みを今月も続けています。今月の目標は、「入室時にははきものをきちんとそろえよう」です。今月の月初めの塾長ビデオレターでは、曹洞宗円福寺住職であった、藤本幸邦(ふじもとこうほう)老師の言葉を紹介しました。ここで、皆様にもご紹介したいと思います。
「はきものをそろえると、心もそろう。心がそろうと、はきものもそろう。脱ぐときにそろえておくと、はくときに心が乱れない。誰かが乱しておいたら、だまってそろえておいてあげよう。そうすればきっと、世界中の人の心もそろうでしょう」
これは、永平寺の開祖である道元禅師の「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」という教えを,分かりやすい詩として表現したものだそうです。
「脚下照顧」と難しい四字熟語で、私も初めて出会った言葉ですので、辞書で意味を調べてみました。
「自分の足元をよくよく見よという意。もともと禅家の語で、他に向かって悟りを追求せず、まず自分の本性をよく見つめよという戒めの語。転じて、他に向かって理屈を言う前に、まず自分の足元を見て自分のことをよく反省すべきこと。また、足元に気をつけよの意で、身近なことに気をつけるべきことをいう。▽「脚下」は足元の意。転じて、本来の自分、自分自身。「照顧」は反省し、よく考える、また、よくよく見る意。「照顧脚下しょうこきゃっか」ともいう。」
はきものをそろえることは、当たり前のことかもしれません。しかし、その当たり前を落とし込んで考えられたことだと思うと、私の心にすっと入れることができました。成功している経営者の本を最近は読むようになりましたが、どの経営者にも言えることは、「謙虚である」だと思います。特別なことを考えることも時には必要かもしれません。しかし、まずは自分自身の足元をしっかりと見つめることにより、小さな気付きを得ることができ、その小さな気付きの積み重ねが、やがて大きな偉業になるのではと思います。そう考えることは簡単なのですが、何よりも大切なのは「実践」です。生徒の皆さんに私が偉そうに言える立場ではないので、まずは自分自身からしっかりと実践できるように心がけ、生徒の皆さんと共に成長していきたいと考えています。
<「凡事徹底」からの小さな変化>
「凡事徹底」を塾としての取り組みにしてから変化が見られるようになりました。小さな変化ですが、私はうれしく思っています。
まずは、私の毎月のビデオレターを生徒たちは真剣に聞いてくれていることです。生徒全員に聞いてもらいたい話ですので、週複数回来ている生徒は同じものを何度か聞くことになるのですが、それでもおしゃべりをすることなく聞いてくれています。
私が教室内にいるときにも、私が話をするのではなく、ビデオを流すようにしています。それは、伝えたいことをもれなく伝えたいからです。それだけに今後もWIN&WINセミナーに関わるすべての人にとって少しでも成長ができる内容を考えていきます。
もう一つの変化。それは本当に小さなことですが、下駄箱のはきものが、今まで以上に「美しく」なったことです。今月のビデオレターを流してから、変化しました。これまでもはきものはしっかりとそろえていたのですが、気持ちが入っています。「美しく」見えるのです。そんな姿を見ると私の掃除も力が入ります。はきものがそろうと、心も落ち着くように感じます。きっと塾の「風」も爽やかな風になると確信しています。最近は、自宅でもはきものをそろえる実践をしています。自宅の玄関も、はきものをそろえると気持ちがよくなります。私の子どもはまだ5歳、2歳と小さく靴も小さいのですが、そんな小さくかわいらしい靴がちょこんと並べられているとなんだか幸せな気持ちになります。つらいことがあったときにも、救われるような気持ちになります。
「凡事徹底」を意識するようになってから、「塾風」がかわると、きっと心も成長し、成績も上がり、人間的な成長ができる塾になると思えるようになりました。しかし、まだ始めたばかりの取り組みです。WIN&WINセミナーが、本当に人間的な成長ができる塾になるように、まずは塾長の私から真剣に取り組まなくてはいけないと、この手紙を書きながら思っています。
これからも毎月生徒の皆さんと「凡事徹底」を実践していきたいのですが、一つ皆さんにお願いしたいことがあります。それは、1ヶ月ごとに目標は更新しますが、前月まで取り組んでいた目標を、その月だけで終わりにしてほしくないのです。教室内の掲示物もあえて前月のものを残してあります。小さなことの積み重ねが何よりも大切だと思っています。1年間で12の習慣が身につきます。3年間在籍すると36の習慣が身につきます。WIN&WINセミナーに関わっているみなさんが、より多くの良き習慣を身に付けてほしいと、塾長として強く願っています。
<意欲的な生徒たち~そんな生徒を増やしたい~>
3月から4月にかけて、多くの新しい生徒さんを紹介していただきました。2月に多くの卒業生を送り出し、人数的にも少なくなったのですが、最近の授業は徐々に活気にあふれるようになってきています。
先日終わった春期講習でもうれしいことがありました。今回の春期講習は、中学3年生の生徒の皆さんに多く通っていただきましたが、私の担当する英語の授業では一つの目標を設定しました。それは、「不規則動詞を制覇しよう」です。中学3年生の1学期の英語の授業は、この不規則動詞に支配されているといっても過言ではありません。中学2年生の復習項目としての「受動態」から始まり、「現在完了」まですべてにおいて動詞の過去分詞を使います。不規則動詞を知っておかないと、文法的な理屈を知っていたとしても、文を作ることができません。
そこで毎回授業の冒頭に不規則動詞の確認テストを行いました。そのテストの結果をみると、どの生徒にも前回の反省を生かした跡を見ることができたのです。満点を取る生徒も多くいました。満点に追いつかずとも、満点に近い状態まで、どの生徒もたどり着くことができました。確かに点数的にもよかったのですが、何よりその点数にたどり着くまでの努力が見られたことがうれしかったのです。「やるべきことをしっかりやりきる」このことも凡事の一つなのかもしれません。一つ学年があがって、気持ちも前向きになっています。特に中学3年生は受験生としての心構えができつつあると、この春期講習を通して感じることができました。
新年度がスタートしてから、塾全体の「風」がよくなっています。意欲的になっています。そんな様子をみて、もっと多くの生徒たちとこの良き「風」を作っていきたいと感じています。そこで、友だちの紹介キャンペーンを、1ヶ月延長し、4月終わりまでにしました。周りに塾をお探しの方がいらっしゃいましたらご紹介ください。私自身もこの塾をもっとよきものにするために、まずは自分自身の人格をさらに磨けるよう努めていきます。どの生徒にとっても通ってよかったと思ってもらえるように。
~最後までお読みいただき、ありがとうございました~
【参考文献】
ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる―心を洗い、心を磨く生き方/PHP研究所

¥1,080
Amazon.co.jp