京都特捜隊。

今年初めの、雪に関する怪事件を見事に解決した、優秀なチームである。


 → 「消えた雪の謎」


私はその隊長であり、唯一の隊員でもあるwintergamesである。

今年も早や師走を迎え、本格的な冬ももうそこまで来ている。

この冬、いつまたあのような恐るべき事件が発生しないとも限らない。

いや、雪がダメとなれば、晩秋の京都に攻撃を仕掛けてくる可能性だって考えられる。

そう、警戒は早い段階から怠らない事が大切だ。



折しも世界中を転戦して開催されたグランプリシリーズにおいて、

悪者たちによる、京都出身の箱入り娘・宮原知子への採点疑惑も浮上した。

となれば、知子の故郷である国際都市・京都にも、

何らかの攻撃が加えられても不思議ではない・・・。




*田村岳斗コーチのブログよりお借りしました



私は、京都特捜隊の隊長であると同時に、さっとん調査団の団長でもある。

という事で、再びわが特捜隊に重要な役目が巡って来た。

今回の我々の任務は「京都の紅葉を死守せよ!」である。



しかし・・・紅葉の名所は、京都には数限りなくある。

一体、どこが狙われるのか、皆目見当がつかない。

いや、どこかに重要なヒントが隠されているはずだ。

問題の発端となったグランプリシリーズ・・・。

はっ!中国・・・? 第五戦・・・?

第五戦・・・第五回・・・醍醐かい?

第五戦・・・第五次・・・醍醐寺・・・

醍醐寺!!



世界遺産でもある醍醐寺は、その広大な敷地・伽藍の割には、静かな寺院である。

同じ紅葉の名所でも、昨年の同時期に訪ねた南禅寺とは大違いである。

それもそのはず、この醍醐の地は、京都の中心部からはかなり離れており、

大型バスでの大挙襲来攻撃によって京都の主要エリアを占拠するという、

侵略者の魔の手もまだここまでは及ばないのだ。

しかしそれは、紅葉の最盛期を少しだけ過ぎてしまったせいなのかも知れない・・・。



そして、この醍醐の地は、知る人ぞ知る京都におけるスケートの聖地でもある。

かつて「醍醐スケート」なるリンクが存在し、

あの伝説のスケーター・太田由希奈が濱田美栄先生と共にその美しきスケートを育んだ、

言わば、「濱田組発祥の地」でもあるのだ。






太田由希奈・・・。

彼女は天使、というよりも、まさしく日本の美を体現する「天女」そのものであった。

そして今でもその「天女伝説」は、濱田組を通じて脈々と受け継がれ、

宮原知子、本田真凜、白岩優奈らのスケートに息づいている。

さらには、醍醐FSCというクラブ名にその名残を残し、その輝く歴史を今に伝えている。



「間違いない!狙われているのは、醍醐寺だっ!!」



卓越した洞察力と推理により、謀略の暗号は読み解かれた。

あとは、この醍醐寺に出向き、より詳しく事件の捜査を遂行するだけである。



醍醐寺の最寄り駅、市営地下鉄「醍醐」駅は、あまりに素っ気ない駅である。

この世界遺産の寺を訪れる観光客を迎える雰囲気は、微塵も感じられない。

本当にここは、最寄りの駅なのか・・・?

冷静沈着なwintergamesの脳裏を、かすかな不安がよぎる。

その時だった!その輝くポスターを見つけたのは。

おお、可愛い・・・(///∇//)




一筋の光明を見出した気分であった。

まるで、「wintergamesさん、頑張ってね」と言ってくれているようではないか・・。

これで私の闘争心は再び奮い立ったのである。



駅を地上に上がると、どこの駅にもありそうな大型ショッピングセンターに出る。

そして、そこから醍醐寺に向かう道筋は、

とても世界遺産へ続くとは思えない、小ざっぱりした住宅街を抜ける遊歩道である。

まるで風情は感じられない。

しかし、それこそがこの地を守るためのカモフラージュ、京都人の知恵なのかも知れない。

そして、そのルートの先に、確かに醍醐寺は存在していた。



門前


仁王門


三宝院庭園


金堂


五重塔


祖師堂


不動堂



やはり時期としては遅すぎたようだった・・・。

そこかしこにまだ色づいた木々も残ってはいるものの、

昨日の雨によって、かなりの葉が散ってしまったのだろう。

あと一週間、早く来る事ができていれば・・・。
























それでも、そのゆったりとした広大な境内は、晩秋の風情を味わうには十分であった。

しかし、捜査は今日で終わりではない。

いつまたこの聖地に、侵略者の魔の手が伸びないとも限らない。

それに、今日はまだ、「下醍醐」と呼ばれる、南半分を回ったに過ぎない。

さらに歩を進め、「上醍醐」一帯の散策・・・いや、捜索はまだ手付かずのまま残された。

それに、今回の鑑賞・・・いや、鑑識でもうひとつ不覚であったのは、

その霊宝館に展示されているはずの、俵屋宗達の屏風絵を確認することが出来なかった事。










聞くと、次の展示物の入れ替えは、恐らく来春との事。

その作品の無事を見届けるまでは、この寺の捜索は完了したとは言えない。

来春と言えば、桜の季節・・・。

この寺は、豊臣秀吉の「醍醐の花見」で知られる桜の名所でもある。

やむを負えない・・・。

われら京都特捜隊の任務は、これからも果てしなく続く・・・( ̄ヘ ̄)





Abide the Winter / Will Ackerman

ようつべカスタマイザ