グランプリシリーズ・カナダ大会の男子を制したのは、今年もパトリックだった。
全く、あいつときたら・・・
ソチ五輪で打ちのめされて、もう立ち上がれないかと思ったら、
プレ五輪の今シーズン、またまた復活してきやがった。
相変わらず地味ないで立ちである。
毎年同じ衣装を使い回ししているのでは?という錯覚さえ覚えるほどだ。
いや、衣装というにはあまりにも飾り気がない。
普段着でそのままやって来て、しれ―っと滑って、
じゃあまた明日も来るよ・・・なんて感じなのだ。
何か大きなテーマやストーリーに沿って、それを演じて見せるというよりも、
いつも「俺のこの滑りこそが主役だろ?」的な自己陶酔感が溢れている。
「みんなは、俺とユヅルの闘いを見たいんじゃないかな」
・・・まあ、そうとも限らないのだけどね。
しかし、いろんなスケーティングのタイプがあって、
それぞれ持ち味、得意技がちがう者同士が集まって順位を競う。
これはある種、異種格闘技戦のイメージに近いのではないか。
パトリック VS 羽生結弦・・・
パトリック VS 宇野昌磨・・・
パトリック VS 金博洋・・・
パトリック VS ハビエル・・・
アントニオ猪木 VS モハメドアリ・・・
アントニオ猪木 VS ウイリーウイリアムス・・・
アントニオ猪木 VS パトリック・・・ん?
いや、同じフィギュアスケートの中でのスタイルの違いだから、
むしろ、アントニオ猪木 VS ジャイアント馬場の対比に近いだろうか・・・?
純粋なフィギュアファンの方々には何を言ってるのか訳が分からないかも知れない。
しかし、少年時代はプロ野球、その後プロレスにのめりこみ、
そしていつからかフィギュアとジャンプの事しか頭にない僕にしてみれば、
こういう比較論もごくごく自然なのである。
そんなあいつだって、奴なりの危機感を抱いているのかも知れない。
不覚にも金メダルを逃したソチ五輪から3年。
プレ五輪シーズンの今季、奴は新しいジャンプの習得に取り組み始めた。
昨年まではとても飛べそうになかった4回転サルコウにチャレンジしている。
奴はまた、オリンピックでの雪辱に向けて、
奴なりの新たな武器を必死で手に入れようとしているのだ。
そして奴の今シーズン、プログラムの選曲がまた渋い。
ショートは、ビートルズの「Dear Pludience」と「Blackbird」。
「Blackbird」はビートルズの曲の中でもアコースティックでナチュラルな曲。
奴はこの曲に乗って、まるで野に遊ぶ鳥のごとく、
本当に楽しそうに自在に舞うのである。

フリーが「A Journey」。
これまたいい曲だと思っていたら、何と同じカナダのペアのチャンピオン、
デュハメル&ラドフォードのエリック・ラドフォードが作った曲だとか。
メーガンとのペアも素敵だけど、作曲も出来るとは・・・。
全くその幅広い才能には恐れいる。
パトリックのさりげないスケーティングが一段と冴え渡るような曲ではないか。
かくして今シーズンも、奴は日本勢の前に立ちはだかる。
どうだ、俺を超える事なんてできやしないさ、とでも言わんかのごとく。
そんなパトリックの存在が、クワド星人とはまた違った次元で、
男子フィギュアを一段と進化させてくれるのだ。
ようつべカスタマイザ