こんにちは。
今日は、奈良公園界隈のお寺からの話題です。
このあたりは、8時を過ぎたあたりから人出が多くなり始め、
9時ごろにはもう、外国人団体客や修学旅行生でごった返す状態になるので、
おすすめはそれ以前の時間帯ですが、今日僕は、何と6時台からここに来ています。
お堂の拝観は、早いところでも7時30分からですが、境内には自由に出入りができます。
このあたりは、京都の寺院とは違って、奈良のお寺ののんびりしたところです。
今日はまず、東大寺のメインコースを人気の少ないうちに散策の後、
春日大社を横目に、「十二神将像」を見るために新薬師寺へと向かい、
そのあと奈良公園を横切って「八部衆・阿修羅像」のある興福寺へと帰ってきます。
そして、最後は、少し近鉄電車に乗って、鑑真和上で知られた唐招提寺へと向かいます。
先日、東大寺戒壇堂の「四天王像」を見て、すっかり仏像の魅力にはまってしまい、
とりあえず奈良時代の仏像の有名どころを押さえておこうという欲張りな一日です。
まずは東大寺のメイン玄関ともいえる南大門の両袖に立つ「金剛力士立像」。
これは、後の鎌倉時代、運慶・快慶という有名な仏師による巨大な木像です。
保全のため、ネットが張られており、その迫力が多少損なわれている気はしますが、
日本人なら恐らく歴史教科書などで一度は目にしているはずの、立派な国宝。

東大寺南大門


金剛力士立像(仁王像)
そして、これは今日来てみるまで知らなかったのですが、
大仏殿の本来の入り口であるはずの「中門」の両袖に思いがけず
江戸時代作の「兜跋毘沙門天」(多聞天の別名)「持国天」の2体を発見。
現在、中門は閉ざされ、膨大な数の参拝客の動線を良くするためか、
大仏殿の入り口は、中門から両側に伸びる塀の左の端、出口が右の端となっており、
以前に来た時もこの仏像には気が付きませんでした。
そうなると、この四天王の残り二体はどこにあるのでしょうか。

大仏殿中門

持国天

兜跋毘沙門天
今日は大仏殿には入りませんが、
その中にも江戸時代作の「広目天」「多聞天」の2体があります。
そして残る「増長天」「持国天」は、未完成のまま、首から上だけが安置されています。
東大寺の中だけでも、かなりの四天王像を発見することができます。
あちこちで見かける四天王像の比較も今日の大きなテーマ、目的のひとつです。
静かな参道を先を急ぎます。
鐘楼、堂といった建築群を抜け、開門直後を狙って法華堂へ。



鐘楼

念佛堂

法華堂
東大寺の法華堂(三月堂)は、国宝認定された仏像が、何と10体も安置されています。
ご本尊は「不空羂索観音像」。脱活乾漆造という手法で作られた仏像。
そのご本尊の脇侍を務める「梵天・帝釈天像」。
それをお守りするかの様に立つのが「金剛力士仁王像」
金剛力士像については、先程の南大門の両袖に立つものが有名ですが、
こちらのお堂にあるのは、奈良時代作のもので、こちらも国宝。
さらにその外側、須弥壇の四方を固めるのが「四天王像」。
こちらは先日お伝えした戒壇堂の「塑造」の四天王とは異なり、
「脱活乾漆造」で作られています。
そして、通常拝観はできませんが、この須弥壇の裏側には、
秘仏「執金剛神像」(塑造)が安置されており、年に一度だけ公開されます。
保存状態が良いため、造像当時のきらびやかな彩色がかなり残っています。

執金剛神像
さらに少し前まではこの法華堂には「日光・月光菩薩像」という、
切手の図柄にもなったことのある穏やかな表情の塑像の仏像もありました。
(この二体は、現在は同じ境内の中にある「東大寺ミュージアム」で見ることが出来ます。)

不空羂索観音像と日光・月光菩薩像(現在の配置とは異なります)
さらには近年の研究によれば、ここの八角須弥壇の上には、「不空羂索観音像」を囲むように、
「執金剛神像」「日光・月光菩薩像」、そして先日紹介の戒壇院の「四天王像」の計7体が
安置されていた形跡が発見されたとか。
そうなると、当時の法華堂、どれほど贅沢な空間だったことでしょう。
歴史の研究は、何とも想像力を掻き立てられるものがあります。
この東大寺には、さらに、四月堂、不動堂といったお堂があり、
それぞれ内部の拝観ができますが、
拝観料を納めるのは、大仏殿(+東大寺ミュージアム)、戒壇堂、法華堂の3か所で、
あとは無料で拝観する事ができます。

四月堂

不動堂
これでもかと数え上げればきりがないくらいの国宝、重要文化財が安置されている大寺院です。
奈良と京都のお寺との大きな違いは、時代背景ももちろんですが、
この雄大さ・おおらかさは京都にはなかなか見られない奈良のお寺の良いところです。
そして、僕が京都のお寺を訪ねる時は、
襖絵・障壁画・仏画といった「絵画」目的の事が多いのですが
奈良の場合は、何と言っても、「仏像の魅力」という事になります。
お水取りで有名な二月堂へも上りました。ここも無料。
小高い丘の上にあり、京都の清水寺と少し趣、ロケーションが似ています。
ここからは、奈良市内が一望できます。
あと1時間もすれば、この場所にも、とんでもない人混みが押し寄せてきます。

二月堂


さてさてこの後、東大寺の中にある神社「手向山神社」を抜け、
さらには若草山、春日大社を横目に、一路「新薬師寺」へと向かうのですが、
長くなってきますので、それについてはまた次回とさせていただきます。
世界一の観光都市となった京都とともに、日本の誇る歴史都市「奈良」。
しばしその魅力の一端をお伝えしたいと思います。


若草山に遊ぶ鹿