実家での父と二人の時間ももう今日だけ。
これほど父と二人と言うのもこれ迄無かった事だ。
母に頼りっぱなしだった父は、自分で食事を作れない。
年末家に帰ってからずっと僕がそれを担当している。
料理が得意な訳ではないが、高校卒業以来、親元を離れての下宿生活をさせてもらったおかげで、
やろうと思えば何とかなる。
せっかくのお正月だし、病院の味気ない食事にもうんざりしていた様なので、
ご馳走とはいかないまでも、何とかそれらしい食事をさせたかったので、頑張ってみた。
年越し蕎麦、お雑煮、それなりの鍋料理・・・。
自分で作るのは初めてのものもあるが、結構、やれば出来るものだ。
親孝行とまではとても言える様な事ではないが、父も喜んでくれた。
でも、明日にはまた一人にさせてしまう。
恐らく、残された時間もそれほどある訳ではない。
自分に子供が出来た時、やっと実感として分かった、親が子を思う気持ちの大きさ。
自分が子供に抱く愛おしい気持ち、それと同じ気持ちで自分を育ててくれたのかと思うと、
もう親に対しては、感謝してもしきれない。
その思いを手紙にして渡した事もあったが、現実は・・・
何とか、幸福、とまでは無理だとしても、せめて心穏やかに、安心して日々を送らせてやりたいと思う。
いつまでも思うだけでは仕方が無い。
今年はそれを実行出来る様、しっかり考えなければいけない。
案山子 / さだまさし
元気でいるか 街には慣れたか
友達出来たか
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る
城跡から見下ろせば蒼く細い川
橋の袂に造り酒屋の煉瓦煙突
この街を綿菓子に染め抜いた雪が
消えればお前がここを出てから初めての春
手紙が無理なら電話でもいい
「金頼む」の一言でもいい
お前の笑顔を待ちわびる
お袋に聴かせてやってくれ
元気でいるか 街には慣れたか
友達出来たか
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る
山の麓煙吐いて列車が走る
凩が雑木林を転げ落ちて来る
銀色の毛布付けた田圃にぽつり
置き去られて雪を被った案山子がひとり
お前も都会の雪景色の中で
丁度あの案山子の様に
寂しい思いしてはいないか
身体を壊してはいないか
手紙が無理なら電話でもいい
「金頼む」の一言でもいい
お前の笑顔を待ちわびる
お袋に聴かせてやってくれ
元気でいるか 街には慣れたか
友達出来たか
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る
寂しかないか お金はあるか
今度いつ帰る