(1/3)に引き続き、「日本時事評論」天録時評 からの引用です。
合わせてお読みください。
現実を直視せよ
ウクライナは、クリミアをロシアに奪われ、停戦にこぎつけた東部の領土も遠くない将来に、
実質的に奪われるのが避けられない情勢だ。
ウクライナがロシアの武力によって領土を簒奪される事態を、わが国は対岸視すべきではない。
実質的に奪われるのが避けられない情勢だ。
ウクライナがロシアの武力によって領土を簒奪される事態を、わが国は対岸視すべきではない。
南シナ海で中国は他国が領有していた島を次々と奪い、基地を建設している現状や今回のウクライナ問題が示しているのは、第二次世界大戦の戦勝国による、国連を中心とし構成されていた国際秩序の崩壊だ。
ウクライナの安全や領土は、ロシアのみならず米、英などの核保有国が調印したブダペスト覚書によって、守られるはずであった。
ブダペスト覚書は、ソビエト連邦の崩壊により、ウクライナに存在した大量の核兵器の取り扱いを巡ってロシアとの対立が高まった際に、
核兵器をロシアに返還する代償として、米英露などがウクライナの安全保障を確約したものだ。
今回の事態は、ロシアが条約にも等しいこの覚書を踏みにじったことは明らかである。
さらには米英も、結果として、ロシアの武力を背景とするクリミアの簒奪、あるいはロシア兵のウクライナ東部への参戦を黙認したことになる。
さらには米英も、結果として、ロシアの武力を背景とするクリミアの簒奪、あるいはロシア兵のウクライナ東部への参戦を黙認したことになる。
ロシアの行為も許せないが、ブダペスト条約を履行しなかった米英にも責任がある。
そかも今回の覚書の不履行は国連の設立趣旨すらも踏みにじっている。
国連憲章の前文には、「善良な隣人として互いに平和に生活し、国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し」と明記している。
さらには「すべての加盟国は、その国際関係において、力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、
また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない」と武力による国境の変更などを禁止している。
要するに、国連加盟国は武力の行使はもちろん、武力による威嚇などで、国境の変更を行うことや、他国の主権を侵害する行為が禁止されているのである。
今回のウクライナ問題は、国連の安全保障理事会の常任理事国であるロシアが、自らが国連憲章に違反する行為を行い、その行為を、米英の常任理事国が黙認したことになる。
これでは軍事小国は、国連を信頼することはできない。
その現実をあからさまに示したのが、中国共産党の機関紙人民日報の国際版「環球時報」の3月20日の社説だ。
「西側諸国はウクライナの側に立って、国際条約だの国際法だのを語るが、そうした『美しい言葉』には意味がない。
なぜならどの国も、世界第二の核保有国であるロシアと戦うリスクを冒す気はないからだ」
として、
「クリミアの運命を決めたのはロシアの戦艦・戦闘機・ミサイルである」「それが国際政治の現実だ」
「クリミアの運命を決めたのはロシアの戦艦・戦闘機・ミサイルである」「それが国際政治の現実だ」
と表明している。
しかも、ロシアとウクライナ間の圧倒的な軍事力の差に着目し、一国が他国を軍事的に圧倒する場合、他国は強国の意図に逆らうことはできないとも指摘している。
要するに軍事大国は、軍事小国にどんな要求でも飲ませられるのが、国際社会の現実だと中国共産党政府は考えているということだ。
「中国はグローバルな舞台に立つ大国だ」
とした上で、
「小国が勝手に中国の権利を侵害するならこの場に立ち続けることができない」
「小国が勝手に中国の権利を侵害するならこの場に立ち続けることができない」
と、力の弱い国は力の強い国に従えと主張している。
恐るべきは、この中国が安全保障理事会の常任理事国であるということだ。
拒否権を持つ中国の武力による威嚇や武力行使を制することは、現状の国連では不可能なことを示している。
もはやわが国は安全保障を国連に委ねることはできない。
(3/3)に続く
