蔵馬「貴方の美しさを根本的に自覚するとしたら、
君はどうする…?」
飛影「お前はお前らしくあっても、お前らしくあってはいけない、そういうことだ」
2.赤い沈黙
今、目の前で起きたことを受け入れられなかった。
何故、何故、何故…
何度でも何度でも繰り返し訪れる疑問。
理解したいが、理解をすれば何もかもが壊れてしまいそうで。
幽助は頭を抱えていた。
何もかもかなぐり捨てて叫び出したい。
今も張り裂けそうな想いが全身を震わせている。
何故、ばーさんは死ななければならなかったのか…。
いや、死んでなんかいねー。
あのばーさんが簡単に殺されたりなんかしねー…。
『お前は…間違えるな……、幽…助…。お前は…一人じゃない…。忘れるな…。誰のために… 強く…』
分かっている…。
これは、信念の戦いだ。
ばーさんはオレに闘いの中にある根本的な意味を命がけで教えてくれたんだ…。
ヤツを…、絶対に許さねー。
ばーさんに代えて、オレが叩きのめしてやる…!!!
噎せ返るような熱い想いに、冷め切った絶望が高波のように何度も押し寄せては砕け、その熱を奪い去ろうとする。
幽助は地面にこれ以上にない固く握り締めた拳を力の限りに叩きつけた。
手の表面が、どんなに血に染まろうと、それ以上に溢れ出す想いが全てを支配している。
ふと伝った頬に熱い一筋の水滴が、大地にぶつけていた想いの手の甲にそっと落ちた。
深く、行き場のない闇が訪れる。
己 ノ 無 力 サ ヲ 、 呪 ウ … 。
