少年ジャンプなどの漫画が好きで全くのド素人から同人誌を作ることに成功し多くのファンに読んでもらえる方法 -6ページ目

少年ジャンプなどの漫画が好きで全くのド素人から同人誌を作ることに成功し多くのファンに読んでもらえる方法

二次創作した作品や作り方、作品研究についてを
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蔵馬「貴方の美しさを根本的に自覚するとしたら、 君はどうする…?」
飛影「お前はお前らしくあっても、お前らしくあってはいけない、そういうことだ」




「…新居ですか? 雪菜さん!!」

雪菜は穏やかに微笑みながら、桑原と向かい合っている。

「ええ。…私も、今では立派に働いているんですよ」

先に和真さんに案内しようと思って。

白い清楚なワンピースが一瞬にして強く吹き付けた風に翻る。
魔界からの編入ということで特例になり、高校までの教育が免除扱いになるため(勿論、希望者は義務教育から受講しても良いが、まだ人間とは一緒に受講できないことになっている)美術関係の専門学校を出、今彼女は人間界で立派な社会人の一員となっている。

喜々とした桑原が、ひらりと可憐に舞う白いワンピースの後ろ姿を追う。

聞けば駅から徒歩15分ほどのところで、一人暮らしをしているという。
彼女の新生活の部屋に案内してもらえるなんて、今まで訪れてきた幸運の中でも最上級に近づいているに違いないと、桑原は改めてジーンと訪れた感動を噛み締めていた。

時刻はまだ夕方に差し掛かった辺りだ。

お互い一日オフの日だった。
午後から待ち合わせし、レストランや喫茶店などで共に同じ時間を過ごした。

ただ彼女が桑原家を後にし、自立したとき、桑原は痛烈に苦しみ、悲痛過ぎて食事もまともに喉を通らないという状態が二週間ほど続いたらしい。

それは言うまでもなく雪菜には伝わっていた。

自分の不在で傷つけている。

無理に気にしてない素振りも見せるのだが、それは彼が実家に帰ればずっと側にいた感覚から距離を置かれたという現実を見つめさせられることと裏腹の表現に違いなかった。

だが、雪菜は現在に至るまで連絡を絶やすことはなかった。

陽が傾き、木立の影が少しずつ長く伸び始める。

「和真さん、ここです」

白いペンキ塗りだが、古い木造の二階建ての物件だ。
その塗装にも細かい亀裂が入り、ところどころでささくれ立ち、割れてしまっている。

それは午後でも陽の当たりの条件が悪く、影になっているようだ。

「え…、この一戸建て…、全部っすか?」

呆然と口をだらしなく全開にした桑原は、その木造建築の古さというよりは面積の広さに驚いているらしい。

しかも駅からそう離れてもいないので、不便ではない。

「ええ」

雪菜は頷いた。

「これは、人間界で暮らしている、私と同じ理由の方から譲り受けたんですよ」

「え…、随分と金持ちな知り合いの方がいるんですね…」

「そうでしょうか? まぁ、上がって下さい」

雪菜には経済観念があまりないせいなのか、それ自体が普通ならばあり得ないということにさえ気付いていないような感覚で受け流した。

白い玄関の戸に鍵を差し込むが、その鍵穴は一昔前のデザインで、今ではほとんど見ることも少なくなってきているが蝶番が少し洒落た造りのものだ。

カチャン、と軽い感じのする施錠が開く。

お邪魔します、という声が途中まで出掛けて引っ込んだ。

中はより一層暗く、黒いフィルムでも貼られているのであろうか。外からの光の一切が遮断され、それは思わぬことろで引き千切られてもいた。
真っ赤なペンキが塗りたくられている壁面もある。

この滅茶苦茶な状態に、桑原は目を見開いた。

それに、この床に点々と汚れているのは、血液ではないのか。

いつの間にヒールを脱いで中に入り込んでいた雪菜が、玄関に移ると、より中の方まで案内しようというのか、手招きをして微笑んでいる。

床下が腐っているのか、雪菜ほどの小柄な体でもその重さでギシギシと軋んでいるのが分かる。

桑原は、唾を飲んだ。

部屋の奥から異臭がする。

おそるおそる邪魔すると、その異臭の正体は明らかとなった。

「私、ここでもペットを飼ってるんです」

死骸のように傷んだ体で、小動物がゲージの中で滑車を転がしている。

脇腹の骨が完全に露出しているにも関わらず、この小動物は不気味に生き続ける。

また向かいの籠にも何かいる。
オウムのような、手に乗りそうな鳥が先ほどからこちらを凝視している。

目は不気味に光り、こちらも異臭を放っているようだ。

よく見ると、部屋中が色々なもので散乱し、床には太い蛇が這いずり回っており、天井には見たこともない、大きくも不気味な虫がとまっている。

「…雪菜さん、これは…?」

桑原はそう訊くのがやっとだった。

「私、…今まで可愛がってきた動物たちに、死なれるのがどうしてもイヤだったんです」

雪菜はいつもと変わらない穏やかな笑顔を向けて、桑原の方を見た。

「最初、治せていたんです…。病気になっても、怪我をしても、治せて…ここにいてくれたんです。でも…」

だんだん、いくら治してもすぐに弱っていってしまったんです。
あの子は…、そういう状態になってから三日は持ちました。この子は五日持ちました。でも、使い続けた充電地が早く切れるように、皆だんだん生きてる時間が短くなってきたんです。

だから、今はこの子たちの側に私がもっと長くいてあげなきゃいけないんです。

私が見張っていないと、この子たちはすぐに体を手放そうとしてしまうんですよ。

…私の気持ちも考えずに。





和真さん。






「それでも……、私のこと好きですか?」