現実と趣味の狭間 ・・・・・ PMC、武器用アクセサリー | タクティカル コム

現実と趣味の狭間 ・・・・・ PMC、武器用アクセサリー

こちら、ちょっと古いですが、産経新聞記事タイトルURLです。

シリア拘束の日本人男性が名乗った民間軍事会社CEO…元ミリタリー店経営“アマ軍人”が目指した戦争のアウトソーシング、国際法上グレーゾーンの過酷な「現実」

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140908/waf14090807000001-n2.htm


シリアで拘束された日本人に関する過去記事です。
http://ameblo.jp/wintac/entry-11913976882.html


また、PMCについては、過去に相当数の記事をアップしてますので、『PMC』で検索頂ければ、大量に出てきます。
こちら、その一例です。
http://ameblo.jp/wintac/entry-11818333186.html


シリアで拘束された方がどうなったかは、判りませんが、、、、、
今の日本では、海外の情報がネットで入手でき、海外旅行も手軽に行けます。
しかし、事、戦争と軍について言えば、手軽でもなんでもないのですが、日本では、あまりに個人が守られ過ぎていて、現実と趣味の世界が曖昧になってる人たちも多いようです。

その曖昧さ、とは、たった1つ、、、、法律です。
趣味の延長だからといって、法律が関係ない、、、わけではありません。

自分も何人かの人に『PMCのような警備会社』を設立したいのですが、、、、と聞かれることがあります。

もし、アメリカのPMCの中で武装警備ができる会社を作ろうと思ったら、日本ではまず無理です。
また、日本人がそうした会社に就職するのも、ものすごく限定されてきます。
ここら辺は、WikiのPMCにも書いてあることです。

日本の場合、銃器を所有、使用する場合は、銃刀法等で、警備会社については、警備業法等で、厳しく制限されています。
隅から隅までこれらの法律を読んで頂ければ、武器を携行しながら警備を行うことが100%不可能であることが分かります。
民間人が警備のために武器を所持携行することはできません。
武器を携行した警備も認められていません。

日本人が武器を携行して海外で警備を行う場合ですが、例えばイラクで亡くなられた元フランス外人部隊の斎藤氏のような例があります。
斎藤氏は、しっかりしたフランス外人部隊での勤務実績があり、フランス国籍があり、ということですから、何の問題もないと思います。

実際アメリカのPMCの場合も、武器携行した警備業務に就いている方々は、皆軍に所属し実績を有した方々です。

こちら、武装警備や戦術訓練を行うことで有名なアカデミー(旧ブラック ウォーター)と、トリプルキャノピー

  

  

トリプルキャノピーは、オバマ政権で、ブラックウォーターの替りに現地の武装警備を請負う会社になったと言われていますが、、、
元々、ブラックウォーター以上の仕事を請け負っていた会社です。
日本では知られてませんが。。。。

武装警備を含めて武器の取り扱いなどは、全て技術です。
身に付けるには、時間と金と手間暇がかかります。
ですから、例え軍歴があったとしても、武装警備に適した軍歴でなければ仕事は不可能です。

また、直接の武装警備でなければ、英語が堪能であれば、PMCに入社するのは可能でしょう。
言ってしまえば、外資の警備会社に就職するわけですから。

日本の場合、仕事に就くのは、資格があればOKと考えている人も多いのも、PMCの仕事が理解されない部分かもしれません。
PMCの資格も、戦術アドバイザーの資格も、ありませんからねえ。
例えば、自分の履歴書に、どの武器を、何年間、どのように扱って、どのように戦ってきたか、が基準になるわけです。
それで、仕事が来る場合も、来ない場合もあるでしょう。
要は、需要と供給の問題なわけですから。
誰でも良いから、という仕事がないわけではないです。
怪しい仕事は山ほどあり、無論、使い捨てとなる確率はグンと上がります。

PMCというより、武装警備会社は、日本では法的に設立運営は無理です。

そう、、、シリアで行方不明になられた方の関係者が言っておられましたが、「日本の民間船舶に武装警備員を載せられる法律が審議されていて、これが通れば仕事ができる、、、、」というようなコメントがありました。
これも、大きな間違いで、日本の警備会社が武装警備はできませんので、結局、海外の警備会社に依頼するしかない、というのは、関係者の間では既に周知の事実です。
知らなかったんでしょうね、、、現実を。。。。

とはいえ、PMCの業態は、武装警備ばかりではなく、物資輸送、基地業務代行、コンピューターサービス、戦術、戦技にとどまらず全ての分野に関する教育訓練などがあります。
実際、日本の商社さんは、日本の会社が合法的にできる分野に参入している例もあります。
こうした商社さんは、ちゃんと現実を知ってるわけです。

逆に言えば、インターネット上でPMCとPRしてしまった場合、冗談では済まない可能性の方が高いです。
まして、対テロだとか、PMCだとか、戦術訓練だとかを書いてしまうと、日本から出たら、冗談ではすみませんから。
テロ組織から狙われることも、アメリカに入国したら別室に連れていかれることも、あるかもしれません。

日本では、実際に戦闘に接する機会がないですから、対テロと言っても、単に映画の世界やエアガンの訓練と同じようなものだと思っている人がいるかもしれません。
が、、、この国を一歩出たら、『趣味ですから』というのは通じない可能性の方が高いです。

まあ、あくまで外国から輸出して輸入する場合の事のお話です。
これが、国内で玩具用の製品を作るのは、話が別です。
が、、そこには、武器等製造法などが関係してきます。

何にしても、武器関係、軍事関係の物品販売に関しては、非常に危ない会社も数多くあるようです。

特に、レーザー、銃の部品、銃のアクセサリーでは、相当いい加減な会社が数多くあるそうです。
通商産業省の銃器部品に関する輸入許可は、『銃にしか使えない部品か、汎用品か』で分かれます。
銃にしか使えない部品は、全て通商産業省の輸入許可を取らなくてはなりません。
銃の部品は、銃砲店等でも輸入していますので、輸入できないわけではありません。
しかし、民間人が所持できる銃器用なのか、それとも軍用なのかで、また規制が違ってきます。
通商産業省が軍用である、と判断している製品は、全て民間用としては、輸入できません。
たとえば、M4用のレールシステム。

  

これは、M4にしか使用できずM4が軍用銃であることから、民間用として輸入することができません。

同様に、銃剣もその一例でしょう。

  

刃渡りを日本の方に合わせても、銃に取り付ける部分がある以上、軍用ライフル専用になってしまいますので、これも違法になります。

軍用ライフルにしか使用できない銃の部品は、全て銃刀法違反になるということです。

オモチャの世界では、ホンモノ!!と書かれた軍用銃用部品、アクセサリーが販売されているようですが、、、非常に問題でしょうね。

また、米国の場合、日本では輸入許可が必要ない製品でも、米国の輸出許可が必要な製品があります。
レベルⅣの防弾ハードプレートの一部や、第Ⅲ世代暗視装置、軍用ドットサイトなども全て所謂、ITAR(International Traffic in Arms Regulations/武器国際取引に関する規則)に関わる製品は、全て米国の輸出規制対象になります。
過去に何度か情報をアップしてますが、一例です。
http://ameblo.jp/wintac/entry-11711403510.html

米国の輸出手続きには、エンドユーザーを証明する書類へのサインアップが必要になります。
そこが、お役所でないと、輸出許可が下りないわけです。
ということは、、、、ITARで規制された製品は、、、、日本での在庫が持てない、という事になります。
という事で、例えば、お店で展示されてて「これはねえ、民間には売れないホンモノなんだよ~」なんてことを、店長さんが説明していたら、、、、それは、武器国際取引に関する規則違反の製品ということになります。

ビックリするのは、官公庁に製品を供給する会社も、法律を無視して販売している会社もあるようです。
例えば、軍用銃の専用アクセサリーを在庫しているとか、、、いらっしゃるみたいですよ。

さらには、別の部分では、衛生用品。
これも、傷口に直接触れる製品は、全て厚生労働省の認可が必要になるそうです。
以前もアップしましが、そこのOBを雇って許認可をおろしてもらうのに、頑張っちゃってる、という以外は、ほぼ輸入するのが不可能でしょう。
しかし、メディカルキットを販売している会社は結構あるようです。
キットに、直接傷口に触れたり、注射器が入っていたりしていて、許認可受けていなかったら全て違法になります。

多くの会社は、知らないのに「大丈夫だ!!」と言いきってるところも多いようで、、、、
現在、経済産業省さんが、摘発に力を入れ始めているようです。
いや~、怖いですねえ。。。。

何にしても、何かをやろうと思ったら、まず法律調べることだと思います。

いずれにしても、行方不明になられた方のご無事をお祈り申し上げます。