ドラフト・デイ
折しも今日はスーパーボール。
個人的にNFLは結構好きで、スカパーで暇さえあれば楽しんでいる口。まあルールがわかる程度でそれほど詳しいわけでもないんですが。
NFLを観てて感じるのはこのプロスポーツが本当に観客が楽しむことに特化したスポーツだということ。もちろん知力と体力、精神力の極限までのせめぎ合いが一番の魅力なのはもちろんなのだけれど、すごいのはそのサービス精神。その場のに来ている観客はもちろんのこと、テレビで放送する際のCMの入り方まで計算されたハーフタイムやゲームタイム、個々のプレイをさらにスリリングにするためにルールをどんどん変更していくその柔軟さ、さらにすごい数のカメラやネットを駆使してとことんまで公平さを期するジャッジまで、とことんショーとして、エンタテインメントとしての進化を突き詰めるその姿勢はいかにもザ・アメリカ。まさに”アメリカン”フットボールなのだ(のわりにNFLを題材にした映画が少ないのはNFLがショーとしてあまりに完成されてるからかも)。そんなNFLだからドラフイトまでショー化するのはまあ当然。しかし、選手の人生を決める大切な瞬間を完全にショー化してしまうアメリカ人のモラルって…っていう気もしないでもないですが、大体指名時間10分で、その間に指名権の移動や指名変更もありとかって、いかにもドラマ作ってくださいって設定。ここまで行くとやりすぎな感もしないではないですが、そんなドラマティックなイベントだから、映画化するのもさもありなん。
ケビン・コスナーのスポーツ映画にハズレなしっていうのが持論(ただしティン・カップは除く)だし、ゆるいけどそこそこ信頼できるアイヴァン・ライトマンが監督ってこともあてそこそこ観れるだろうとは思ってたのですが、これ結構な掘り出しモンでした。
何よりもシナリオが素晴らしい。題名通り弱小チームのGMのNFLドラフトの1日を追った映画なんだけど、このGM、まさに中間管理職、聞き分けのない上司(オーナー)からは無理難題を突きつけられ、部下(監督)からは反逆のボヤ騒ぎ。さらに使えない若手の部下はバカばかり。指名を迷っていた選手から催促&売り込みの電話が鳴りっぱなし。さらにさらに関係を隠している部下で恋人の妊娠が発覚し、それに加えて名コーチだった父との確執を母親&元嫁(まさかのロザンナ・アークエット‼︎)…ここまで最悪の状態でしかも今日は1年で一番大事な日…いやもうここまでプレッシャー&ストレスがかかることはないだろうっていうほどの逆境かけまくり。それをまた結構徹底して描き、それをケビン・コスナーが上手に年齢を重ねた渋いんだけどちょっと神経質な感じでうまく演じるものだから観ているこっちももうストレスかかりっぱなし。もうそれだけでこの映画の成功は決まったようなものなんだけど、だからこその最後の大逆転の爽快な事‼︎久しぶりに砂王な感情移入&どんでん返しとスポーツマンシップの爽快感を味わうことが出来ました。まあ「マネーボール」に比べれば映画としての品格は落ちるし(だからこそいいのだけれど)、わけのわからない分割スクリーンのCG処理は?なんだけど、それを差し引いてもテンポといい、物語の意外性&各エピソードの的確な処理といい、エンタテインメントとして十分に楽しめる佳作でした。特にドラフトの目玉の指名をコスナーが回避する理由が最高で、これだけでこの映画のアメフトへの畏敬の念が見える名シーン。なんというか、こういうシーンがあるだけで安心してしまいます。
もちろんアメフトを知っていればより楽しめるのだけど、知らなくても十分に興奮&感動できる、昨今稀に見るストレートな感動スポーツ映画です。
★★★★
しかしこういう良作が東京で3館のみって…多分25年前なら同時上映のおまけで、しかも本命より興奮したっていう最高の立ち位置を持てた映画だったんだろうなあって思います。切ない…
折しも今日はスーパーボール。
個人的にNFLは結構好きで、スカパーで暇さえあれば楽しんでいる口。まあルールがわかる程度でそれほど詳しいわけでもないんですが。
NFLを観てて感じるのはこのプロスポーツが本当に観客が楽しむことに特化したスポーツだということ。もちろん知力と体力、精神力の極限までのせめぎ合いが一番の魅力なのはもちろんなのだけれど、すごいのはそのサービス精神。その場のに来ている観客はもちろんのこと、テレビで放送する際のCMの入り方まで計算されたハーフタイムやゲームタイム、個々のプレイをさらにスリリングにするためにルールをどんどん変更していくその柔軟さ、さらにすごい数のカメラやネットを駆使してとことんまで公平さを期するジャッジまで、とことんショーとして、エンタテインメントとしての進化を突き詰めるその姿勢はいかにもザ・アメリカ。まさに”アメリカン”フットボールなのだ(のわりにNFLを題材にした映画が少ないのはNFLがショーとしてあまりに完成されてるからかも)。そんなNFLだからドラフイトまでショー化するのはまあ当然。しかし、選手の人生を決める大切な瞬間を完全にショー化してしまうアメリカ人のモラルって…っていう気もしないでもないですが、大体指名時間10分で、その間に指名権の移動や指名変更もありとかって、いかにもドラマ作ってくださいって設定。ここまで行くとやりすぎな感もしないではないですが、そんなドラマティックなイベントだから、映画化するのもさもありなん。
ケビン・コスナーのスポーツ映画にハズレなしっていうのが持論(ただしティン・カップは除く)だし、ゆるいけどそこそこ信頼できるアイヴァン・ライトマンが監督ってこともあてそこそこ観れるだろうとは思ってたのですが、これ結構な掘り出しモンでした。
何よりもシナリオが素晴らしい。題名通り弱小チームのGMのNFLドラフトの1日を追った映画なんだけど、このGM、まさに中間管理職、聞き分けのない上司(オーナー)からは無理難題を突きつけられ、部下(監督)からは反逆のボヤ騒ぎ。さらに使えない若手の部下はバカばかり。指名を迷っていた選手から催促&売り込みの電話が鳴りっぱなし。さらにさらに関係を隠している部下で恋人の妊娠が発覚し、それに加えて名コーチだった父との確執を母親&元嫁(まさかのロザンナ・アークエット‼︎)…ここまで最悪の状態でしかも今日は1年で一番大事な日…いやもうここまでプレッシャー&ストレスがかかることはないだろうっていうほどの逆境かけまくり。それをまた結構徹底して描き、それをケビン・コスナーが上手に年齢を重ねた渋いんだけどちょっと神経質な感じでうまく演じるものだから観ているこっちももうストレスかかりっぱなし。もうそれだけでこの映画の成功は決まったようなものなんだけど、だからこその最後の大逆転の爽快な事‼︎久しぶりに砂王な感情移入&どんでん返しとスポーツマンシップの爽快感を味わうことが出来ました。まあ「マネーボール」に比べれば映画としての品格は落ちるし(だからこそいいのだけれど)、わけのわからない分割スクリーンのCG処理は?なんだけど、それを差し引いてもテンポといい、物語の意外性&各エピソードの的確な処理といい、エンタテインメントとして十分に楽しめる佳作でした。特にドラフトの目玉の指名をコスナーが回避する理由が最高で、これだけでこの映画のアメフトへの畏敬の念が見える名シーン。なんというか、こういうシーンがあるだけで安心してしまいます。
もちろんアメフトを知っていればより楽しめるのだけど、知らなくても十分に興奮&感動できる、昨今稀に見るストレートな感動スポーツ映画です。
★★★★
しかしこういう良作が東京で3館のみって…多分25年前なら同時上映のおまけで、しかも本命より興奮したっていう最高の立ち位置を持てた映画だったんだろうなあって思います。切ない…