ヤマグチトオルの映画漂流記

ヤマグチトオルの映画漂流記

とりあえず観た映画の感想(一応頑張って評論にしようとはしています)を書いてます。目標1週間に1本で。基本新作のみで頑張ってみようかと。


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2018年9月観賞映画ひとことレビュー

 

9月の総鑑賞本数は27本。先月の反動もあって結構観ました。

 

「暗戦 デッドエンド」

ジョニー・トー監督、アンディ・ラウ主演のアクション・サスペンス…って映画情報サイトで紹介されてるけれど、いやあこれぞザ・エンタメ!て感じの超王道娯楽映画。余命幾許も無い盗賊とそれを追うはみ出し刑事の友情にも似た奇妙な関係を軸に、派手なアクションや彼らを取り巻く個性的なキャラたちとの絡みを混ぜながら、適度なユーモアと暖かな人情も含めた手堅くもスタイリッシュな娯楽作にまとめ上げた監督の力量が光る本当に安心して楽しめる映画です。アンディ・ラウの色気とラウ・チンワンの無骨さと相反する二人が徐々にわかり合っていくそのストーリーの流れもごく自然かつ王道で、やっぱり映画は楽しめてナンボっていう初心を思い出させてくれるシンプルかつものすごく上手なまさに娯楽映画の見本のような傑作です。

【90】

 

「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」

1980年のウィンブルドン決勝を映画化したスウェーデン映画。なのでメインはボルグ。やっぱりボルグの印象は冷静沈着な精密機械だったので、この映画で語られるボルグのストーリーは結構衝撃でした。まあ試合の結果は誰もが知っているので今更そこでのスリルはないのですが、だからこそその裏側の描き方が問題なわけで、二人を描く散漫さの危機を廃しボルグに焦点を絞ったのそういう意味ではまあ理解できるところ。元々気性の荒い暴れん坊が精密機械へと変化していく過程はなかなか興味深く、スカルスガルドの説得力も相待って納得。その辺りがきちんとしてるからトップになってからのボルグの苦悩や葛藤がリアルに思えるという意味でもこの映画はいい映画なのだと思います。まあ個人的にはもっと長くなってもいいからマッケンローをもっときっちり描いて、天才同士のみが理解できる”高次元の世界”をもっと見せて欲しかったところもありますが(何気にマッケンローの扱いが小さすぎてそこまでのレベルに達していないのが残念。松本大洋の「ゼロ」や「ピンポン(映画版はクソ)」のようなドラマを期待していた分だけ)、これはもうボルグと言おう孤高の天才の物語として割り切って見るのが正解なのでしょう。なので題名は「ボルグ 氷の男の真実」とかの方がしっくりきます笑

【75】

 

「インシテミル 7日間のデスゲーム」

いやーここまでひどい映画久しぶりっていうくらい全てにおいてひどすぎるクソ映画。というかそもそもあの原作を映画化しようと思った時にこうしようと思うのかか本当にわからない。脚本・演出・演技・カメラ・センス全てにおいて何もかもが間違っているというかやっつけ感が出まくりの、観客をバカにしているとしか思いようのない本当にダメな映画。あと、個人的に藤原竜也と香川照之は大根だと思うのですがなぜにこんなに評価されるのか本当に謎。

【30】

 

「アントマン&ワスプ」

超大作にして超問題作の「インフィニティー・ウォー」の後にこれを持ってくるマーベルの戦略のうまさに舌を巻く(というか一体どうするのと思ってたらラストで謎が解けるのもまたマーベルっぽい戦略のうまさ)、明るく楽しい陽気なマーベルヒーローもの。前作は何気にSF要素が高くってそこに興奮したりもしたんですが、今回はバディもの。いやー今回もうまいです。陽気で明るく頼り無さげれどいざとなったら頼りになるアントマンと、強くて真面目でしっかり者でしかも美人というワスプのコンビってバディものの定番キャラ設定。初代アントマン&ワスプの悲しき家族の物語を軸に、新たな敵(ちょっと今回ここが弱めかな)との戦いをユーモアたっぷりで描いています。今回もそのユーモアがまた最高で、そこここにいろんなネタを仕込んでクスリな笑いを取りに来てます。ストーリー的にもなかなかSFで、宇宙から素粒子までいやほんとマーベルの壮大すぎる世界観が堪能出来ます。とにかく全てにおいてソツがなく上手いので観ている間はスーッと楽しめてしまうのですがよくよく考えると色々ツッコミどころは満載。でもまあそこはもう気にしたら負けなんで素直な心で何にも考えず楽しむのがアントマンの正しい鑑賞方法でしょう。前作ほどのインパクトはないけれど手堅くまとめ上げたさすがマーベルというエンタテイメントの佳作です。

【85】

 

「ブラッド・インフェルノ」

もうね、こういう「悪魔のいけにえ」の劣化版は飽きました。とりあえずグロくしときゃいいんでしょ的な中二感は卒業しましょ。

【50】

 

「検察側の罪人」

個人的にはキムタクは過小評価、ニノは過大評価と思ってます。ただ今回のこの映画に関しては正直二人とも力不足な印象でした。ストーリー云々に関しては正直映画にするような内容とは思えませんでした。というか色々詰め込みすぎかなと。それならそれでもっと時間をとってきっちりやるべき。どうしても全体に中途半端感が否めないかなと。なので全体にちょっと軽めな印象を受けてしまい、それがどうにも勿体無いかなと。原田監督らしく細かなキャラ設定のディティールとかリアル感はさすがなのだけれど、だからこそ主役3人(吉高由里子も含めて)の力不足が顕著になってしまった感も。ニノはなんか尋問シーンの評価がやたら高いですが(このシーンに関しては素晴らしかったです)、それ以外では姿形からもう説得力がない。どう見ても大学生にしか見えないのは役者としての力不足でしょう。キムタクも昨今イメージ脱却に躍起になってる感が出まくりで今回も熱演ですが、どうにも若すぎ。これ二人に言えるんですが、例えばキムタクの髪の毛に白髪を入れるとかニノにブカブカのスーツを着させるとかそういうわざとらしい姑息な手段を使うくらい(使わせるくらい)のベタな演出をしても良かったんじゃあないかと思います。まあ観客はかっこいいキムタク、ニノを求めて来ているだろうからそういう事は出来ないかもしれないけれど、原田眞人くらいのキャリアがあればそういうことが出来たしするべきだったんじゃないかと思います。とはいえ流石の演出力なのでそれ相応に見応えある映画なので二人のアイドルを意識しない鑑賞をオススメします。

【75】

 

「MEG ザ・モンスター」

巨大すぎるサメが大暴れっていう中学生趣味全開のバカ映画…になり損ねた何気に真面目な中途半端映画。というかどちらかというとステイサムを堪能するアイドル映画っていう方が正解かも笑。ストーリー的には決して悪くなくって、ごく真っ当にサクサク展開するのでストレスフリー。何にも考えずサメ大暴れは楽します。だけどちょっとマジメに人間ドラマやら恋愛やら入れ込んだせいで、時たま停滞というか退屈するところが出てくるのがちょっと勿体無いかなと。正直ステイサムVSMEGの異種族バトルだけで良かったのになあと感じました。そんなところで振り切れないのはどうにも中国の見栄なような気もします。まあ昨今のハリウッドの中国爆上げは資本主義の理なので文句はないけれど、ここまで作品に口出すのはどうにもみっともないかなあとは思います。てなわけで”ハリウッド製中国礼賛モンスター映画の中で一人頑張るイギリス人ステイサム”というある意味現代社会を反映している複雑な気持ちになる映画でした。

【60】

 

「ホーンテッド・サイト」

まあよくここまでいろんなネタを引っ張り出せるなあと感心してしまう、というかそれしか感想がないほんと観る所のないどうでもいいホラー映画。この濫作体制はブーム崩壊の前兆なので、いい加減セーブしないと一時期の西部劇の二の舞になりますね。

【40】

 

「ザ・プレデター」

孤高の80年代の残党にしてクリスマス野郎シェーン・ブラックとB級映画界の伝説フレッド・デッカーというその筋にはたまらないコンビによるプレデター敗者復活戦。いやーこれぞB級!っていう素晴らしい映画でした。1作目への原点回帰が基本路線なのだけれど、あえて彼らと戦うはぐれ者たちをメインテーマにすえるその軌道修正がまさに80年代。彼ら変人のやりとりがたまらなく楽しい。キャラ立ちはもちろんだけれど、結構グロくやりすぎ感がするところもまたB級。もっとマジメに悲壮感をだせばもっと泣ける大衆受けにも出来たんだろうけれど、それをしないでB級に徹するいさぎよさ。B級映画全盛期の生き残りの矜持をまざまざと見せ付けてくれます。まあ言ってしまえばプレデターである必要性は全くないお話なので、プレデターの新作としてみれば??なんだけれど、裏を返せばそれだけ志が高いとも言えます。確実に観るものを選ぶ映画だけれど、”B級映画”を愛する人間にとってはこれ以上ない傑作です。

【80】

 

「THE PROMISE /君への誓い」

20世紀初頭におきたオスマン帝国のアルメニア人虐殺事件を映画化した社会派サスペンス。「ホテル・ルワンダ」のテリー・ジョージ監督なのでとにかくシリアス。あまり知られていない(というか私は知りませんでした)暗黒の歴史を遠慮なくストレートに描いています。なのでかなり重くダークで救いのない物語になっているので、鑑賞には結構な覚悟が必要です。とはいえ決して退屈な映画なわけでは無く、主役3人のラブロマンスを絡める柔らかさも持っているのがこの監督の上手い所。「ホテル・ルワンダ」と言い、史実と人間ドラマの絡み具合が絶妙なのがこの監督の手腕の高さなんでしょう。残酷すぎる現実世界と3人の美男美女による恋の駆け引き(という程明るいわけでは全くありませんが笑)の対比から改めて人間の善悪の彼岸が浮き上がる、地味だけどズシリと重い重厚な映画です。

【80】

 

「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」

豪華絢爛なCG絵巻。まあそれだけ。あまりに浅すぎるサスペンスと、妙にしつこいメロドラマと、ザ・CGという浅すぎる映像美が妙に安っぽいスッカラカンなダメ映画。スッカラッカンすぎて内容をほとんど覚えていないというある意味時間つぶしには最適な映画です。

【60】

 

「スカイスクレイパー」

「タワーリング・インフェルノ」+「ダイハード」というふれ込みのパニックアクション大作風のスチャラカバカ映画。最近ちょっと食傷気味だけど、安心安定のロック様主演作なのでそういう意味でこれも及第点。それなりに楽しめます(ほめ言葉)。まあアクションとビル崩壊のスペクタクルがメイン(というかそれだけ)な映画なので細かいことはどうでもいいのだけれど、それにしてもあまりに大雑把かついい加減なのはどうかなあと。この映画に関してはそういう点があまりに多すぎて(言い出したらきりがないのでここでは書きませんが)頭に??が浮かびまくりでありました。まあ全体に抑揚がないのでどれだけ派手でも飽きてくるのも事実。正直ヘリが墜落・大爆発しているのに退屈するという、あり得ない事態になったりもしました。そういう意味で改めて演出の大事さを感じた映画です。あと何故に香港…いやまあ香港映画ファンとしてはそれはそれでいいのですが笑

【60】

 

「リグレッション」

マイベストリストに入っている映画を作った監督の映画は無条件に観てしまうもので、この映画もそんな映画の一つ。「オープン・ユア・アイズ」(世間的には「アザース」かな)の監督アメナーハル久々の新作。しかも今回は悪魔崇拝というか精神医学をテーマにしたサスペンスという事で結構期待してました。しかも主役が「この人主役のB級映画にハズレなし」なイーサン・ホーク。期待するしかないこの布陣だったのですが…どうにもオーソドックスすぎるイヤミスな小品でした。悪魔を崇拝する父親から虐待され、保護された少女の真相を究明していくうちに、町に隠された秘密が徐々に明かされる…っていうストーリーなのだけれど、そこにリグレッションという精神医学療法が絡んでくるのがミソ。”記憶は改竄される”というのがこの映画のキーで、それを上手に物語に絡めているのだけれど、正直ネタはすぐにバレる程度のものでした。というかどちらかといえばそれが主眼では無く、集団ヒステリーと思い込みでどうにもならないところまで追い込まれてしまう人間の心の弱さや闇が主題なので、ミステリーやサスペンスとしてはかなり弱い印象。演出もちょっとオーソドックス過ぎて有り体に言えば地味。まあそれがこのストーリーにあっているのは確かだし、イーサン・ホークをはじめとする役者陣も抑えた良い演技をしているので決して悪い映画ではないけれどそれ以上でもそれ以下でもないフツーの映画でした。しかしこの映画も製作がワインスタインカンパニー。製作から結構年代が立ってからのひっそりとした公開。作品の出来とは関係のないところでこういう風になるのがどうにも納得出来ないなあ…

【75】

 

「触手」

ヴェネチア国際映画祭で話題になったと聞き鑑賞して観ましたが…インモラルや要素をただ並べてSNSで話題になろう的な計算高さが妙に引っかかったエロエロホラーでした。これもうちょっと深く掘り下げたらかなり面白くなる題材なんだけれど、そこまで考える能力というか労力をこの映画の作り手たちは掛けたくなかったんだろうなあというのが正直な感想。まあ端的にいえば話題作りを一番に考えた志が卑しい映画です。

【65】

 

「クワイエット・プレイス」

公開前からその手の好き者の中で話題沸騰だったホラー。その手の好き者の一人としては期待せずにはいられなかったのですが…いや決してつまらないわけじゃあないんです。音を立てたら即死なんていう設定自体がまず素晴らしいし、その怪物に支配された終末世界で生きる家族の物語に焦点を絞ったそのコンセプトも正解。そんな残酷な世界の中で細々とだけど強く生きる家族の描写に関しては素晴らしく、悲劇を乗り越えようともがく者、外の世界を見たいと願う者、家族の愛を信じられず苦しむ者など、それぞれのキャラクターもしっかりとしていて、人間ドラマとして良質な出来。なので全体のストーリー展開も納得できるものではあるのですが…SFホラーとして見るといかんせん雑。とにかく音を立てたら即死っていう設定なのにこの家族、音立てまくり。怪物が来る来ないの基準が曖昧でちょっとな音で怪物襲来と思えば結構な音でも来ないなんていうはちゃめちゃぶりがどうにも目について仕方ありませんでした。あと、ラストの展開。ネタバレなので伏せるけれど、これくらいの事世界が滅亡する前に誰か気づくんじゃないでしょうか。ぶっちゃけそれくらい簡単すぎる弱点からのラストはとってつけたような強引さがあまりに目立って結構興ざめでした。まあそれが主眼ではないので作り手側はそれほど考えてはいないのかもしれないけれど、それにしてもこのラストの展開は如何なものかと。いっその事このまま絶望的な状況で生きていくっていうラストの方が納得出来たような気もします。とはいえ前記したように人間ドラマとしては良質な映画なので観て損はないです。モンスターの造形もかっこよかったし。好き者としてはそれだけで結構満足してしまったりもしますが笑

【65】

 

「レッド・スカイ」

「黒豹のバラード」(傑作‼︎)のマリオ・ヴァン・ピープルズ(久々に名前を聞いた)監督のスカイアクション。というかあの人は今状態だった監督がこんな映画を撮っていたのねっていう興味だけで観てしまったので、正直内容とかはどうでもいいんですが、それなりに観れる映画になっているのが流石。まあB級低予算なので色々編集でごまかしたり、役者のレベルが低かったりで苦笑するところもあるけれど、それでも観ている間は結構楽しめたりします。ストーリーもザ・B級なので展開も読めるし、驚きもないけれど、それでもその予定調和感が心地よい、カウチポテトには最高な役割を心得ている謙虚な映画です。マリオ・ヴァン・ピープルズ、流石の腕なのでもう一花咲かせて欲しいものです。

【60】

 

他の鑑賞映画

「黒猫・白猫」【70】

「ファイヤー・ストーム」【70】

「インファナル・アフェアⅢ 終極無限」【80】

「名探偵ゴッド・アイ」【65】

「エグザイル/絆」【85】

「トーナメント(2017)」【50】

「魔術師(1958)」【75】

「10億ドルの頭脳」【75】

「アンロック/陰謀のコード」【75】

「修道士は沈黙する」【70】

「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ」【50】

 

ここでお得な映画番組情報‼︎台東区の銭湯「有馬湯」をキーステーションにお送りする毎回1本の映画について僕の友人である40代男達が語るポッドキャスト「セントウタイセイ.com」。かなりマニアックなものから有名どこの邦画を独特すぎる視点で時に厳しく時に毒々しくだけど基本は面白おかしく語っておりますので、是非聞いてやってくださいませ。

よろしくお願いします‼︎

 

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