貸切バス新制度でお上にもの申す!  | 嵐山と桂離宮の間くらいにある旅行会社のブログ

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6月25日発行のトラベルニュース。

また興味深い記事が出ている。

「貸切バス新制度で お上にもの申す」

近畿2府4県の旅行業協会会長が連名で全国旅行業協会の二階会長(自民党 衆議院議員)へバス代の値上がりする新制度を国民に周知徹底する事や、新制度運用開始までの通過措置期間の延長などを求めたらしい。



今回発行のトラベルニュースは貸切バスの新制度について書かれている記事が目立つ。

各バス会社、6月末日が近づき何時から新料金導入かほぼ決まってきた。

そんな中、心に残った記事をご紹介。

匿名希望の投稿なので、投稿者は伏せるが本当に説得力がある。

私も大変お世話になっている方の投稿記事。




旅行者の安全・安心の確保のために、国が施策を定めるのは当然の事と理解している。

しかしツアーバスの事故があったとはいえ、再発を防止するための今回の措置は
短絡的で机上論である。

安全管理を確保するために必要な収入は、貸切バスの適切な需給関係から生まれるべきで、
その根源を放置して運賃料金で対処するのは大きな問題だ。

自由主義経済での価格は売り手と買い手の需給関係で決まるのに、
規制緩和の下に安全設備・要員確保も十分でない会社の設立を認め、需要を上回る増車を行ってきたことに間違いがある。

需給関係が適切であれば運賃料金は適切に保たれ、当局が値段表を決める様な事態は
起きなかったと思われる。

しかし現実論として減車などで需給関係が変えられないのであれば、
今回の措置について要望すべき点を列挙したい。

観光バスは、渋滞や交通事故の発生などで運行経路が変わり、時間も変わる。

硬直した運賃料金を決めるのは現実的ではない。

タクシーのように弾力的な運行こそが、旅行者にとって観光バスの魅力である。

バス事故の多くは低賃金、長時間労働などに起因する居眠り運転が大きな要因でる。

今回は「適切な雇用」と書いてあるが、労務管理の部分が気薄である。

長時間労働、低賃金は厚生労働省が担当ではないのか。

労働基準法遵守や労働条件改善を運賃改定に織り込まないなら根本的な解決にはならない。

始業点検や終業点検をその都度、利用者に負担させる制度になっているが、
安全管理のためのコストはバス会社の義務であり、基本的な運賃料金に織り込まれるべき。

時間の長短に関係なく同じ基準は納得できない。

学校団体や身体障害者団体など割引制度があると書いてあるが、

下限を下回ってはならないのなら割引ではない。

今回の改定で、旅行者が敬遠してしまい他の交通機関を利用することが予想される。

間違いなくバス会社の収入減をもたらす。

競争力の無いバス会社は倒産に追い込まれ、これにより自然に需給関係を適切な状態に
戻すのが本当の狙いではないのかと邪推してしまう。

本気で推進するのであれば、取引を完全に監視するために大量の職員を投入して
もらわなければならない。

広告料や協定料などの名目でお金が戻されないように、表も裏もクリーンな状態で
取引されているか徹底的に調べる必要がある。

それが出来ないのであれば白紙に戻し、現場の意見を取り入れた体系に変更すべきである。


                  (投稿 匿名希望)

2014年6月25日発行 トラベルニュースより引用