本日発売の本「コスパで考える 学歴攻略法」が昨日書店に並んでいたので一気に読んでみました。


 

 

受験のことに興味がある方であれば、興味深く読めるのではないかなと思います。(若干イメージしていたことと違いましたが。。。)

 

 

数学と英語について今後を考える上でのヒントを貰った気がします。

 
以下、目次と、今週の週刊新潮で、この著者と成田祐輔さんが対談していたので、この本に記載されていない成田さんのコメントを記載します。
 
 
【目次】(上記サイトからのコピーしたものです。)
 

まえがき

 

第1章 たかが学歴 されど学歴

 

 今どきいい大学を出てもダメだと言うけれど

 学歴に対する健全で生産的な考え方

 大学の序列と学歴フィルタ

 卒業生の平均年収は偏差値が高いほど高い

 メディアのバイアス

 学歴に複雑な感情を抱く日本人

 科挙と学歴による身分制度

 

 

第2章 日本の高校までの教育レベルは高い

 

 高校間進学実績競争が日本教育の要

 大半の家庭の教育方針は子供をいい大学に入れること

 東大に何人合格させるかを競う大学受験甲子園

 塾や進学校間の健全な競争

 東大・京大・国公立医学部合格者数ランキング

 大きな影響力がある東大入試問題

 東大入試の難しさは科目の多さ

 序列が固まり大学間競争がない

 日本の大学のコストパフォーマンスはとても良い

 

 

第3章 学校のカリキュラムは何を目的に作られているのか

 

 カリキュラムは何のためにあるのか

 高校までに学ぶことと大学から学ぶこと

 大学院レベルの標準的教科書マスターがカリキュラムのゴール

 修士までの学位とはまったく違う博士号

 学術研究と受験勉強では必要なマインドが真逆

 

 

第4章 中学受験はダービースタリオンだ

 

 ダビスタそっくりな中学受験

 大手塾の役割は大きい

 中学受験の塾の費用

 大手塾の仕組み

 スパイラル方式のカリキュラム

 週テストと毎月の全国模試

 どの塾に入れるべきか

 中学受験の国語

 中学受験の社会

 中学受験の理科

 中学受験の算数

 まずは親が逆算のやり方を学ぶ

 鶴亀算を面積図で解いてみよう

 線分図で数量関係を比較する

 子供に方程式を教えるべきか

 中学受験か高校受験か

 

 

第5章 格安の公立中学からの高校受験ルートで学歴獲得競争に勝つ

 

 圧倒的に安い公立中学コース

 私立中高一貫校は公立と比べて偏差値を3上げられるかもしれない

 高校入試の数学は大学受験経験者にはとても簡単

 東京は優秀層が中学受験で抜けるので高校受験の方が楽

 大学受験では私立中高一貫校の生徒たちと戦うことになる

 高校受験組の弱点は数学の遅れ/内申点対策

 

 

第6章 日本の教育に足りないものを家庭で補う

 

 英語ができない日本人

 筆者の英語勉強法

 受験英語最高峰でもレストランで注文できず

 子供の英語の正しい勉強法

 まずは英単語1000個を正しい発音で

 外国人に英会話を習う

 正しい受験英語の猛勉強

 一番いいのは英語圏の現地校への留学

 正規留学の費用は高いのか

 英語の学習も本人のやる気次第

 プログラミング教育は焦る必要なし

 理系は医学部に行くべきか

 海外大学への進学について

 日本の教育はまったく悪くない

 

あとがき

 
 
【週刊新潮】
・(成田)日本の受験はペーパーテスト一発主義でそれに通ればなんでも良い。それなのにそこに至る贅沢な時間の余白を行き過ぎた準備で埋めてしまってもったいない。
 
・(成田)東大の入試問題はある種のセンスがあれば全力で取り組めば半年でなんとかなるものではないでしょうか。東大に入っている1/4の人はそうだと思う。高1で受けても受かる人はたくさんいるのではないでしょうか。
 
・(成田)受験エリート系の人たちはものすごい過剰な投資をしているのではないかという印象がある。東大合格の最適化戦略によって手に入れるのはだいたい損なキャリア。文系なら少し前は官僚、ここ10年だとコンサルとか投資銀行。競争ばかり激しい高学歴コモディティ人材の墓場に突っ込んでいくのが典型的な東大生という残念な印象がある。日本ではMITの博士号よりも東大卒業のほうが断然評価されますが、Ph.Dに興味を持っている人は人口の1%もいればいいほうで、高学歴が偏差値の高い大学の学部を出たという意味にすごく限定されている。
 
・(成田)日本ではGDPに対する教育投資の水準では、OECD平均を下回るぐらいの控えめな投資。それにもかかわらず、達成度評価を見るとそこそこ頑張っている
つまりかなりコスパのいい形で教育がなされているといえる。受験もペーパーテストという透明かつ客観的な基準で決めるから、どんな生まれの人でも基本的にOK。価値観の自由度を許した、ある種の能力主義・実力主義の完成された形。
 
・(成田)アメリカでは母国語であるはずの英語もうまく話せなくて、四則演算も怪しい人が人口の数十%みたいなレベルで存在している国。ミニマムでベーシックな教育を国民全体に提供するという、基本的な公立教育機能を果たせていない。
 
・(成田)アメリカの有名大学を中心とするエリート教育はすごくわかりやすい格差の温床とも見ることができる。どういう家に生まれてどれくらいお金があってどれぐらいボランティアや社会活動などわかりやあすい経験値を貯められるかがすごく重要
それらの総合的なポートフォリオによって学部の合格不合格が決まる。たまたま資産のある名家に生まれた人がすごく有利になる仕組みが堂々と機能している。
私がいるイェール大学だと学費が1年で900万円。さらに寮に入り、学費+家賃+食費だけで1年間に1100万円はかかる。4年間通わせて額面通り払うと5000万円ぐらいかかるっていうのがアメリカの私立大学の現状。
 
・(成田)大学入試がない結果、アメリカでは裕福な家庭の高校生が100万円以上かかる2週間で多様な体験を買うためのパッケージツアーに参加しまくっている。そこでNPOの活動や起業を体験して大学受験の際にそれをプレゼンすることで合格を勝ち取る。高校のGPA(成績証明書)も重要で、部活やボランティア活動といった課外活動を短い文章やプレゼンにまとめる能力も大事。そのような準備にかかるコストを総合的に考えるとハーバードなどに通っている学生の家庭の平均年収が15万ドルを超えているのもわかる気がする。2000万円オーバーの収入がある家庭がアメリカの名門大学に通う学生の実家の典型になっているのは問題。
 
・(成田)アメリカの有名大学の学部でお金がかかるというのは、いい側面もあって、そうやって資産のある家から金を搾れるだけ搾って、それを元手に才能はたまたまあるけど生まれには恵まれなかった人への奨学金や研究資金にガンガンお金を流す仕組みになっている。そういう点ではアメリカの教育システムの生態系はうまくいっているようにみえる。
 
・(成田)日本国籍でアメリカの大学を卒業しても、その後、就労ビザとかを取るのは大変で、バラ色のキャリアが手に入るわけでもなく、大半は日本に戻ってくる。そうなるとアメリカの有名大学の学歴は、東大早慶のコミュニティでは尊敬されるかもしれないが平均的な日本人からみれば単なる部外者になってしまうという難しさもあるなと思う。