母の嘘
昔の写真をもう少し、めくり続ける。
小学校の入学式の写真だ。
母と私が映っているのだが、これはりんご男が撮影したものだと推測される。
驚くほどに私の表情が激変しているのが、手に取るように現れている。
この頃から、何か暗い表情や雰囲気が、私に張り付くようになっていく。
母の言う「海外帰りの父親」は、やはり「りんご男」だった。
この頃が全盛期の私からすれば、この嘘はすぐにわかった。
本当の父親でもないし、海外帰りでもない。
それどころか、母がなぜこんなすぐにバレる嘘をついたのか、それが不思議でならなかった。
ここからは辛い記憶ばかりとなる。
「家族であって、一人だけ家族じゃない」家庭環境の始まりだ。