一円たりとも払われなかった養育費
まぁ、大方の予想通り、ギャンブル依存症の父が何の情もわかない我が子に、養育費を払うわけはなかった。
一度だけ父親から電話があったという。
「一度でいいから子供に会わせてくれ」
母はもちろん断り、ガチャ切りした。
母はわたしにこう続けた、「本当は会いたい口実で、お金を貸してもらおうと思ったんじゃないかな」
それを聞いた当時は子供だったので、何だかかなり傷ついた。
しかし、大人になって考えてみると、母の言う通りだったと思う。
一円たりとも養育費も払っていないのに、そんな電話をかけれる、そのその図々しさに驚きだ。
母のお金を稼がなければいけないという重圧は、それは大変なものだったろう。
金銭的な観点からいうと、何一つ不自由させずに、小学校前まで育てたのだから、やはり立派だったのだ。
母の場合は、大家族ゆえに周りに助けてくれる、なにより信頼のおける身内がたくさんいたけれど、世の中にはもっと過酷な環境なひとり親もたくさん存在する。
養父と再婚した事で、母の荷が少し降りたのは間違いない。