さて、リスニングの基礎がひととおり終わったので、
文法の末広がりトレーニングに戻ろう。
このトレーニングの最大の目的は、
英語の語順のベクトルをカラダに覚えさせること。
語順を自在に操れるようになれば、
英語は劇的にカンタンになる。
自在に操るには、反射的に語順が出てくることが肝心。
だから反射神経、つまりカラダで覚えるほうが効率がいいわけ。
自転車に乗る練習だと思って、楽しんでやって下さい。
一度カラダが覚えたら、忘れないから。
それでは末広がりトレーニング、行ってみよう。
まずは、おさらいから。
Pour the water into the glass.
「グラスにその水を注いでください」
この英語の語順は、
動作→モノ→方向・状況→モノ
という順番に並んでいる。
それぞれの動作やモノに、単語のカードを貼って実際に注いでみると、
動作(カードの並び)が、そのまま英語の語順になる。
・・というところまでが前回の説明。
な~んだ、英語って見たまんまじゃん。
そう、理屈はとってもカンタン。
ところが、ですよ。
「グラスに水を注いで」を英語で言おうとすると、
ほとんどの人が、とっさに
「え、えーと、glass ・・・」となるんじゃないかな?
でも、だいじょうぶ。
とっさにそういう反応になるのは、当たり前なんだ。
理屈ではわかっても、日本語にひきずられてしまうんだ。
日本語は、
外側にあるもの→自分の動作へと意識を向ける、外→内ベクトル。
日本人の思考には、常にこのベクトルが働いているんだ。
ところが、英語は見たまま並べたように、
自分の動作→外側にあるものへと意識を向ける、内→外ベクトル。
英語を使うときに日本語で考えてしまうと、
どうしても英語とは真逆のベクトルが働いてしまう。
(これは言語中枢が正常に働いている証拠でもある)
そうならないためにはどうするか。
日本語で考えない。
そして、英語を使うときは、英語のベクトルで考える。
これを徹底してカラダに覚えさせるんだ。
そのためのトレーニングが「リプロダクション・ゲーム」だ。
リプロダクションとは、「再現」とか「再生」という意味。
遊び方はカンタン。
2人1組になって、ひとりがやった動作をもうひとりが当てる。
ま、ゼスチャー・ゲームみたいなもんです。
<遊び方>
1.英語で書かれた指示カードを何枚か用意する。
2.指示の中にある実物を用意する。
3.ひとりがカードを一枚引いて、その指示通りの動作をする。
4.もうひとりは、その動作を見て、カードに書かれた英文を当てる。
5.当たったら、もう一度英語の発音・リズムで英文をくり返す。
6.役割を交代しながら続ける。
<指示の例>
Put the ball on the table.
Put the banana in the box.
Take a red ball out of the box.
Throw the ball into the box.
Put your hand into the box.
Read the book.
Eat the banana.
Jump high.
e.t.c.....
*大人数でやる場合は、チームに分けて、時間制限をもうける。
「3分でたくさんの指示を当てたチームが勝ち」のように。
以上が、「リプロダクション・ゲーム」の遊び方。
最初は指示カードを作って、ひとりで実演する練習だけでもOK.
その時に、しっかり英語の語順を体感してください。
特に、手がモノをつかみにいく感覚。
そこから前置詞で状態や様子があらわされる感覚。
英語の音と感覚をなじませるつもりで、ゆっくりやってみよう。
その時、動詞のカードを手の甲に貼ると、
「ああ、今takeという動作をしているんだな」
と実感しやすいので、オススメです。
要領がわかったら、身近な人を巻き込んで楽しんでみて。
そのほうが効果的です。
なぜって、言葉は誰かに何かを伝えるためにあるのだから。
ぜひ家族や友人と一緒に、英語を伝え合って楽しんでみよう。
最初は、単語をぶつ切りにしたようにしか言えないかもしれない。
けど、それでもぜんぜんかまわない。
これはトレーニングだから、何度も練習してはじめて効果がでる。
筋トレと同じ。
何度も遊んで、英語のリズム・発音でスムーズに言えるようにしよう。
そうすれば、英語を聞いた時、
日本語を介さずに、動作や様子がパッと頭に浮かぶようになる。
英語で聞いたものが、そのまま映像として再生(リプロダクション)される。
これが、リスニングができる、という状態だ。
そのためには、正しいリズムと発音が欠かせない。
なので、次回リスニングのコツで詳しく説明しよう。
もうちょっとだから、がんばろう。
英語の音の要素 、覚えてるかな?
1.母音の変化
2.音のつながり、脱落
3.リズム
4.トーン
「こんなのあったっけ?」
まあ、忘れててもいいけど・・。
1.母音の変化は、ほぼマスターできたよね。
そうすると、自然と3.リズムもわかってきた。
このように、英語の音はいろんな要素がからみあってできている。
だから、それぞれの要素がからめばからむほど、英語の音はクリアに聞こえるようになるんだ。
というわけで、今回は、2.音のつながり・脱落をからめていこう。
で、レリゴーである。
Let it go が、なぜレリゴーになるのか。
まずは、音のつながりの大原則から。
①子音は母音につながる
②子音と子音はつながらない。
ま、字ヅラにすると単純なことなんだけど、
日本人はうっかりやっちまうことがある。
英語は単語と単語の間にスペースがあるから、
そこはお休みどころだと勘違いして、
単語を区切って発音しちゃうんだな。
区切るから、ついつい語尾の子音に母音をつけてしまう。
音だけ考えるなら、英語はこうなっている。
Letitgo
分かりやすいように色分けしてみよう。
青が子音、赤が母音、だ。
Letitgo
注目してもらいたいのが、子音の重なった部分だ。
青赤、青赤、ときて、青青赤
なんかリズム崩れるだろ?
英語も日本語同様、基本、青赤、青赤にしたいんだよね。
実際、子音が続くと発音しづらい。
すると、どうなるかというと、例によって手抜きがおこるのだ。
またかよ!
そうなんだよね。
舌はt を発音する位置まで持っていくけど、
するとt がなくなったように聞こえる。
しかし、本人は t を言ってるつもりである。
「ちゃんと言ってるつもりなんだけど、な~んか結果的に手抜きになっちゃうんだよね~。てへ。」
この救いようのない手抜きが、子音の脱落だ。
これは、文章中ではしょっちゅう起こる。
なんせ、子音で終わる単語と子音で始まる単語が圧倒的に多いからね。
まあ、いわば手抜きのプロによる上級テクなので、われわれ律儀な日本人は、しっかり手抜きの法則とテクニックを、脳の回路に刻まねばならない。
勤勉を美徳とする日本人には屈辱的ですらあるが、仕方ないやね。
そうしないと、聞きとれないんだから。
子音が続くと、前の子音が脱落する。
が、舌の位置はキープ。
しかし、英語の音の手抜きはこんなもんじゃ収まらない。
前回まで、単語内のアクセントに注目したが、それを文章にまで意識をひろげてもらいたい。
Let it go
この文章で、強く言うところは、Let と go の部分。
it は弱く言う。手を抜くわけだな。
しかも、t はすでに脱落している。
残るは弱い i のみ。
その前のLet の t は子音。
次の母音とつながろうとするので、
i の弱さにつられて弱くなる。
弱い t と 弱い i で、「リ」になる。
??? なんで?「ティ」じゃないの?
うん、そう思うだろ。でも、「ティ」は比較的強い音なんだ。
代名詞は手を抜くから、弱くしなきゃいけない。
弱い t の音は、舌の弾き加減が弱くなる。
その時の舌の位置と、
日本語の「リ」を発音する時の舌の位置が、まったく同じなんだ。
だから、ti が「リ」に聞こえる
舌の位置が同じで、息の出し方も同じだから、同じ音に聞こえる。
なるほど~。
ただ、英語のネイティブには、「らりるれろ」という音の概念がないので、彼らには「り」とは聞こえない。日本語の回路がないからね。
弱い「d」の音をめっちゃ早く言う音、ぐらいしか、認識できないんだ。
逆に日本人には、弱い「d」のめっちゃ早い音、がピンとこない。
おもしろいよね。
だから、お互い様なんだ。
さて、弱い t の音が、「らりるれろ」に対応するとわかったところで、
Shut up がなんと読むかわかるかな?
そう、シャット アップではなく、
get up は、ゲラッp
shake it off は シェキラf
ただし、up や off を強く言う時は、
だから、テイラー・スイフトは
よっぽど振り払いたいんだな。
音楽だけ聞くと「シェキ ア」としか聞こえないけど、
PV見ると、ちゃんと「f」の口の形をしてるのがわかるよ。
じゃあ、最後に water は?
a にアクセントがあるからあとは手を抜いて、最後にrを響かせる。
「わーら~r」。
さあ、これでやっと、グラスに水を注げる。
次は文法に戻るよ。
末広がりトレーニングのつづきをしよう。
See you later!
さて、リスニングの基礎も6回目。
単語の音、特に母音を中心にここまできたけど、
英語の音の手抜き加減が、少しわかってきたかな?
今日は、母音のおさらいをしよう。
満を持して、chocolate の登場、である。
まずは、音節(音の区切り)の確認。
choc o late で、3音節(3拍)だったね。
次に、アクセント。
アクセントは、第1音節choc のo にあるよ。
アクセントがあるところは、強く言うのだから、
このoは、大きく縦に口をあけて、「ア」と言う。
えっ、 「ア」? 「オ」じゃなくて?
そう、money(お金)は「マネー」と言うじゃない。(正しくは、マニ)
Monday も「マンデー」だろ?(マンデイもしくはマンディ)
だから本当は、monkey(サル)は、「マンキー」なの。(マンキ)
ただし、chocolateなどの3音節の「ア」は、縦に口を大きくあけて、のどの奥から声を出すので、若干こもったような強い音の「ア」になり、
money などの2音節の「ア」は、忘れていたことをふと思い出した時の、弱い「あ」になる。
わかりにくいな。字ヅラで説明するのも、そろそろ限界だな・・。
ともかく、chocolateの第1音節はクリアした。
思いっきり強く、「ア」で、「チャk」になるよ。
アクセントのあるところだからね。
ということは、ほかのところは、例によってやる気のない音になるんだったね。
まず、第2音節の o は、やる気のない「ア」だか「ウ」だかわからない音を出せばオッケー。
問題は、第3音節の late 。
late を見て、前回のアルファベット読みを思い出した人もいると思う。
これがアルファベット読みなら、 a をやる気満々に「エィ」と読み、マジックe は読まずに t をごく弱く発音するので、「レィt」 となるはず。
late(遅い、遅れている)は、「レィt」 、だね。
でも、第3音節のlate には、アクセントがないので、やる気を出しちゃいけない。
アクセントがなければ、たちまちやる気をなくして、「エィ」は小さい「ィ」だけになってしまうので、 late は、 「リッt」 と弱く短くなってしまうんだ。
つまり、chocolate は、「チャークリッ」 のように聞こえる、というわけ。
もはや、チョコレートとは似ても似つかない別もの・・・。
別ものの音だから、聞きとれないのも無理はないんだよね。
でも、だいじょうぶ。
「アクセントの位置で、音やリズムが変わるパターンを覚える」
それだけで、英語らしい音も、リズムも、自分のものになってくる。
これが、リスニングのコツ の第一歩です。
このコツをつかむと、英語の短く弱い音が聞きとれる耳ができてくる。
リズムのとり方も、少しずつよくなってくる。
まだ、あまり「できだぞー」という実感はないかもしれないけど、心配しないで。
音やリズムの変化のバリエーションを知った今は、
これまでとは英語の音に対するとらえ方が格段に違うからね。
基礎はできた。
そして、リスニングの上達という目標は、確実に近づいてる。
スモールステップだけど、一歩一歩着実にステップアップしていこう。
さて、これまでは、個々の単語。
次回は、文章中でどのように音やリズムが変わるかに発展するよ。
また一歩、ステップを上がろう!