野鳥のヒナを保護するとき、親の代わりに教えなければならないのは
・餌の取り方
・飛び方
・人間への恐怖心
大体この3つ。
中でも3つ目はとても大切で、しかし、それを子供の頃の僕には教えるのが難しかった。
だって懐いてほしいもの。
心を通わせて、そこに絆ができて、鳥のほうからも
『離れたくないよう』
って言って欲しくなるもの。
だけど外で生きていく小さな野鳥にとって、人間を信頼することはリスクにしかならない。鳥に善人と悪人の見分けはつかないからね。
だったら「人間が近づいてきたら逃げなさい」と教えておくのが最善だ。
今はそれが分かる。
スーはとてもいい子。
たぶん本来の年頃よりも早く一人ご飯ができるようになり、上手に飛べるようにもなり、
そして僕たちを警戒し、距離を詰めようとすると逃げるようになった。
もちろんそうなるふうに仕向けていった。
ヒナを保護した話をすると、おそらく相手から望まれる巣立ちのストーリーは
「お互いに心を通わせ合った野鳥との涙の別れ」
なんじゃないかな、と。
でもごめん、たぶん旅立ちはあっさりしたものになると思います(笑)。
心は、小さな野生動物にはこちらから送るだけでいいんです。
お互いに通わせてはならない。
それでもスーの魂のどこかには、僕たちと暮らした数日間はちゃんと刻まれていると思います。
それで十分。
それすらも無くていいな(^-^)
さあ、窓を開けます。
いい天気!
追記
スー、無事に飛び立ちました。
まっすぐに、力強く、青い空に吸い込まれていきました。
一緒に見守ってくださった皆様、ありがとう。
和室、まだスーの匂いがする。