車が会いに来てくれた | 蒼空の霽月

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もう何でもあり。

不思議なことがありました。



先日、数千円の臨時収入(笑)があったので、愛方と「久しぶりにちょっといい回転寿司にでも行こうか」ということになった。


3年ぶりくらいのその店に着き、テーブル席に通されて、1皿目を食べ終わったか終わらないか、くらいのとき。

僕の真後ろの席に案内されてきた客を見て、愛方が驚いた顔をしている。


振り返ってみると、なんとそこにいたのは、僕の両親と弟。



ほえ? あれ?? なんで???



向こうも事態が飲み込めずフリーズしている。

そういうときって思考が一瞬バグるよね(笑)。



聞けば、その3人で、その日、その回転寿司屋に来たこと自体が、小さな偶然がいくつも重なってのことだったらしい。



①数日後に廃車にする予定のボロボロのカローラを、弟が実家の前で洗車していた。

その時点では両親には会わずに、洗車だけして帰ろうと思っていたそう。


②そこに母が予定外の時間に帰ってきた。

ならばせっかく会ったのだし、「ラスト・ランでも行く?」となり、父も乗せて、3人で行き先を決めないドライブに。


③2時間半ほど走り、このままどこかで晩ごはん食べていこうか~という流れになり。

しかし思い付いた店が行けども行けどもどこも軒並み休みだったらしい。

4軒目なんてちゃんと調べて営業日だったのに、行ってみたらやっていなかったそうだ。


④仕方なく地元に戻ったが、極めつけ、ここで道に迷う。

地元ですよ。普段からよく使っている、近所の道。

そこからしばらく出られずグルグルと。


母が地元でご飯を食べるなら僕たちのことも誘いたいと思ってくれたらしいが、そんなこんなで時間も遅くなってしまったし、もうあの子たちご飯終わっちゃってるわよねえ…と、気になりながらも声を掛けなかったという。


⑤グルグルをようやく脱出。

もう回転寿司でよくね?と、彼らにとっても数年ぶりとなるその回転寿司屋へとハンドルを切る。



⑥そこに、僕たちがいた、と。



その時間じゃなければ僕たちも滞店していなかっただろうし、お互いにいつも行く店でもないのだ。

星の数ほどある市内の飲食店。

なぜ別々の3世帯に住む家族がフルメンバー、この時間、この店に集結しているんだろう?



全員で「うわー」ってなりましたよ(笑)。



結局みんなで寿司を食べ、帰りは狭いカローラに5人ギュウギュウ詰めになり、家まで送ってもらいました。



この車は僕が実家を出たあとで買った中古車だったので、僕にはあまり接点がありませんでした。たぶん運転したこともなかったような?

なので廃車にすると決まり、最後の遠出として富士山の麓までドライブに行ったときも、父母弟の3人で行きました。


(遠出するのに5人で乗るには窮屈だし、全員の日程を合わせるのも難しいから)


でも僕にも少し心残りはあったんですよね。

優月が亡くなったとき、この車は予定より1日早く車検から戻ってきてくれて、おかげで家族で優月を斎場まで連れていってやれたんです。


あのときはありがとうね、って。



だからこの日も、車が会いに来てくれて、最後に全員を一緒に乗せてくれたのかなあ



ってね。











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