大雑把に打ち明けてしまえば、僕の体は
男性でもあるし、女性でもある。
男性でもないし、女性でもない。
そんな形態をしています。
いや、後者ですかね。
生まれつきどちらの生殖能力も備わっていないので。
ここに『先天性疾患』と書いてきた僕の疾患名は、正式には
《性分化疾患》
といいます。
かつては
《半陰陽》
などとも呼ばれていた、先天的な身体が解剖学的に男性/女性の定型に当てはまらない状態。
(※現在では差別的だということで半陰陽の語は使われず、性分化疾患に統一されています)
性分化疾患は、性の分化が非典型である疾患グループの「総称」で、染色体異常、ホルモン異常、性器の形態異常など、さまざまな原因による複数の疾患をひとまとめにそう呼ぶものです。
そうだな、《性分化疾患》を《野菜》に置き換えてみると、野菜の中にはトマトさんもいればキャベツさんもいるし、カボチャさんもいればジャガイモさんもいる。
でもここではそんなある同じ方向性を持つ多種多様な植物を、まとめて《野菜》と呼びましょう。
そんな感じです。
なので一口に野菜といっても、中には比較的発生率の高い種類もあれば、絶対数の非常に少ない種類もあるわけです。
僕は20代の頃、この《野菜》であることには間違いないのだけど、その中のどれに相当するのかが分からない、相当する既存の種類が見つからない、という診断を受けました。
あらゆる可能性を検査しつくしても、世界中の症例に同じ前例がない。
新種発見。
珍獣捕獲。
大学病院の医師たちの次第にギラギラしていく目は、まさにそれに向けるものでした。
僕は世界にたった1匹の生物でした。
(T▽T)ポツン…
しかも困ったことにね、生まれたとき、周りからはこの体は女の子に見えた。
だから戸籍は女性で登録されているんですよ。
でも物心ついたときから、自分では自分のことを男の子だと認識していました。
これが過去にも書いたことのある、両親にも誰にも言えずに抱えてきた秘密であり、苦悩である、『大きな境遇のベース』。
子供でも分かるんですよね。性の話はタブーだって。
暴力を受けたことは人に言えても、性暴力を受けたことは誰にも言っちゃいけないと感じる、あれ。
ましてや親は疑いもせず、我が子を娘だと思って育てている。
言えるわけがない。
体が見るからに男女両性の特徴を持つ形態に発達し始めたのは、思春期の頃。第二次性徴を迎えたときでした。
おい、こんなの女としてだってどうやって生きていけばいいんだよΣ(T▽T)
外見の形状だけでなく、女性と違って生理は仕組みが中途半端にしかなく、排卵もなく(←作ってなかった)、ゆえに周期もなく。
疾患が確定したときには
状態から判断するに、あなたのは生理痛というより、毎回お産をしているようなもの。
その痛みによくひとりで耐えていましたね( ̄▽ ̄;)
って、医者になんか呆れ顔で言われたし(T▽T)w
(おかげでか、痛みにはめっぽう強いですが)
女性←→男性の振り幅のホルモン変動のおかげで、10代の頃から更年期障害のような症状とはずっとお友達。
そしてこの性ホルモンも(両性とも)いつ自分の体で作れなくなるか分からない。
そもそも遺伝子という人体の設計図に、おそらく大きなミスがあるのです。
いつ、何が、どんな形で発現してもおかしくない。
実際、僕の体は健康面でも不具合が多いです。
男性としても、女性としても、この世に存在するマニュアルに、僕の取り扱いは載っていませんでした。
子供の頃からすべての混乱をひとりきりで乗り切らねばなりませんでした。
ところで、以前の僕は、服を着たアウトラインは完全な女性でした。
しかもこの分野に詳しい人から聞いた
「そのタイプの人は見た目、女の人より女らしいことが多いよ」
というそのとおり、当時の容姿はそこらへんの女性より儚く華奢で、ウエストなんかは詐称なしの56~58cm。
顔も肌も完全に女性的でした。
だけど30代になり、いろいろと追い詰まり(笑)、いよいよこれ以上女として生きていくのは限界だ(つ▽T)となり。
外に向けては体のことは伏せ、便宜上「併発している」とされる性同一性障害として、まずブログ上でカミングアウトしました。
骨髄難病や心疾患があるため、僕は身体的な治療や手術はそちらの面からでもできません。
しかし、ならばと自力で骨格を肋骨の開き方から変え、
そこに筋肉をつけたウエストは20cmほど太くなり、
声変わりも起こし、
髭もこの年齢なりに生えるようになり、
今に至ります。
中途半端な生理もどきもこの過程で完全に止まりました。
今では他者からも男性側に判断されます。
あくまでも女性型が男性型になって、社会でも男性として認識され、生きていけるようになりましたというだけで、
陰陽はっきり分かれていない体
という根本には何も変わりはないんですけどね。
↑誤解なきようお願いいたしますが、性分化疾患は男性と女性の間を都合よく行き来できるようなものではありません。
背の低い男性が自分の意志で身長を伸ばせないように、
毛深い女性が自分の意志で毛を引っ込めたりできないように、
僕も本来は与えられた形状以外のものになることはできないはずなのです。
だからここにも「力ずくで医学的にありえない奇跡を起こした」と書いてきているのですm(_ _)m
それからあらかじめこの段階で申し上げておきますが、この疾患に関してLGBTの問題と混同される方、多様性の話を持ち出す方、物事のたった一面だけを切り取ってそれは個性だという押し付けをされる方とは、ここまでのご縁とさせていただくことをご了承ください。
もう浅はかな人間たちの相手をするのは疲れた(笑)。
・・・ああ、長い。長すぎるな。
まとめまで一気書きしてしまいたかったんですけど、もしここまで読んでくださっている方がいらっしゃいましたらすみません。
ここでもう一度だけ区切ります。
続((((((((((((((;T▽T)スゴスゴ
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