新しい土地に越してきたら、まず近所のことを知ろうとするだろう。それは当たり前のこと。
自分がどこにいるのかを知りたい欲求は、外洋に浮かぶ帆船に、六分儀もなく、たったひとりでいる船乗りほどにも、切実だ。彼は他にどんなことを考えるんだろう。その船乗りと同じくらい幸運にも、目に見えることをきちんと見て、それらつなぎ合わせていくことにかなりの時間が使える状態にいる。
ヴィジョン(視界)を埋める色のつぎはぎは、空間のなかを動くそのときどきに応じて、別れ、上へ下へと移動し、変形する。現在とは見ることの対象物だ。どの瞬間においても、目の前に見ているのはそんなふうに撒き散らされた色のつぎはぎに埋まった世界だ。