フィルムの巻き戻しのような早口のトリックをするカーニヴァルの魔術師か何か、そこにいたのだ。一連の幕が翔りさったあと、皺ひとつないマントを羽織った見世物師だけがそこに残り、平然と、無表情に、面食らったようなまばらな拍手に挨拶する。

雷の鳴ったあとは広場に雑沓する人や車に時間が戻る。……

-そんな場面