「きもの展」内覧会レポのつづき その5です。

 

戦国の三英傑の羽織もの。

 

なんといっても時の天下人のものですから、当時の染織技法を知るにも秀逸です。

 

●豊臣秀吉所用●

陣羽織 薄茶地獅子模様 / 安土桃山時代 東京国立博物館蔵

 

大きな獅子が織りだされた唐織の袖無し陣羽織です。

 

秀吉の身長は140cmだったといわれていますが、思っていたより大きめのお仕立ての印象。ちなみに信長は170cmですが、陣羽織の丈はほぼ同じ。同時展示で知る面白いところ。

 

色あせしていない猩猩緋の衿は舶来の羅紗。

羅紗は厚手の毛織物でポルトガル語のrasaの当て字。昔は軍服の服地として使われていたようです。身近な?ところでは麻雀卓のマットが羅紗。

 

カイガラムシ(コチニールかラック)を染料とした真っ赤は戦国武将に好まれたようで、有名なものでは小早川秀秋の違い鎌の陣羽織があります。

 

 

●徳川家康所用●

胴服 染分平絹地雪輪銀杏模様 / 安土桃山時代 東京国立博物館蔵

 

徳川家康が石見銀山の鉱山師吉岡隼人に下賜したもの。

 

胴服は武士が小袖の上に羽織る腰丈の日常着です。

日常着には加飾表現として絞りの技法が使われることが多い。

 

斜めの縞と雪輪と銀杏が縫い締め絞りで染め分けされています。

 

そして糸目糊置きと色挿しの技法がみられます。糸目糊置きによる防染と色挿しの友禅の技法は17世紀中頃には確立していたという説の根拠ともいうべき資料となっています。

 

この胴服の加飾表現を訪問着の意匠にして誂えても面白いかもしれない💡←絞りの染め分けと糸目糊置き

 

羽織であったら一番良いけど、そりゃ贅沢すぎちゃうしなぁ…。

 

時代に思いを馳せつつ、こんなもの着てみたい、誂えたい、この技法ならどなたに発注を依頼するか、、、

 

そんなことを考えつつ鑑賞すると、もう何時間あっても足りないのだ。。。

 

内覧会レポつづきます^^/

 

 

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特別展「きもの KIMONO」展 が 東京国立博物館平成館にて開催中

 

前期 6月30日(火)〜7月26日(日)

後期 7月28日(火)〜8月23日(日)

入場は感染症予防拡散防止対策のためオンラインによる事前予約制となっています。

 
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※展示会場内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載の特別な許可を主催者よりいただいております。

 

 

ありがとうございます*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆!!!