「日本のモードの源流はここにあり」と謳う史上最大級の染織展覧会が開幕しました。
特別展「きもの KIMONO」展 が 東京国立博物館平成館にて開催中
前期 6月30日(火)〜7月26日(日)
後期 7月28日(火)〜8月23日(日)
入場は感染症予防拡散防止対策のためオンラインによる事前予約制となっています。
事前告知は一切しない主義の きものカンタービレ♪ が、報道記者会見からレポしてしまうぐらい楽しみにしておりました♡
内覧会でお会いした、東博の方、メディアの方、美術関連の方、皆様口々に「朝香さんならではのレポを楽しみにしてます!」とおっしゃってくださったので、どういう思いで鑑賞したのかも含めてじっくりとアップしていきたいと思います。
鬱陶しいぐらいの熱量が伝わっていたのかしら…^^;
いざ!会場へ♬
この展覧会が鎌倉時代から現代にかけての服飾の変遷を追うものであるからに、知っておいたほうが良いのは服飾様式の変遷三原則。
●服飾漸変(服飾は急激には変化しない)
●表衣脱皮(下着として着られていたものが表着化していく)
●形式昇格(下位にある服飾形式が上位の服飾として昇格していく)
ザックリ流れをいってしまうと…。
●公家階級の下着であった小袖が表着として着られるようになる。
●室町時代は意匠は男女で明確な違いはなく肩裾形式や段替わりの構成。
●小袖中心の衣生活が一般化すると、男女の性差をつけるために文様の変化が起こり、江戸時代の慶長年間を境に激変し左右比対称になっていく。
●直線裁断で加飾面の広い小袖は文様表現の格好な場であり、多彩な文様が展開するようになっていき、現在のきものに至る。
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まずは、最古の大袖と小袖です。
「きもの」は宮廷装束の大袖の下着であった小袖の表衣脱皮であり形式昇格です。装束の大袖と比べると袖口が小さいことから小袖といわれます。小袖が表着となったのは室町時代後期のこととなります。
表着 白地小葵鳳凰模様二陪織物 / 鎌倉時代 13世紀 鶴岡八幡宮蔵
後白河法王が奉納した神服のひとつで形状として現存する最古の宮廷装束。鎌倉時代のものとして鶴岡八幡宮に伝わる5領のうち2領が前期と後期で展示されます。
じつは、この装束は2013年に東京国立博物館で開催された大神社展でも展示されていました。
小袖が表着となったのは室町時代後期のこととなります。
現存する最古の小袖も展示されています。
左)小袖 白地桐竹模様綾 / 室町時代 16世紀 東京国立博物館蔵
石見国の益田宗兼が船岡山の合戦の功績により室町幕府将軍足利義稙から拝領したと伝わる束帯の下着としてつかわれたと思われる小袖。
染織品は着るものであり繊維であるからには劣化を防ぐのは難しい…。
現存するものは奉納品であったり拝領の品であるものがほとんどです。
この展覧会は、服飾史のポイントを抑えているので、過去にみたことがあるものも多く展示されていますが、これを一堂に会しているというのが、空前絶後なのです。
つづく!
※展示会場内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載の特別な許可を主催者よりいただいております。
ありがとうございます*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆!!!