5月5日はこどもの日。

 

そして「端午の節句」です。

 

菖蒲が尚武と音が通じること、菖蒲の葉が剣の形に似ていることから、「菖蒲の節句」ともいわれます。

 

●菖蒲(サトイモ科)●

 

菖蒲には食欲増進、疲労回復などの薬効成分があり、菖蒲湯は冷え性にも効果的といわれています。この薬効成分が邪気を払うとして古代中国の浴蘭節につかわれたのが、菖蒲湯の始まり。

 

菖蒲湯につかわれる菖蒲(サトイモ科)と花菖蒲(アヤメ科)は全く別の植物ですが、菖蒲の花は蒲に似て余りにも目立たないので、菖蒲に草姿の似ていたアヤメ科の花を花菖蒲とし、端午の節句の花としたようです。

 

混同されがちな、文目(あやめ)、杜若(かきつばた)、花菖蒲(はなしょうぶ)。
 
 
●文目(アヤメ科)●
 
菖蒲、杜若、花菖蒲は湿地に生えますが、文目は乾いた土に生えるのが特徴です。
 
文目(あやめ)には、花弁に綾目の黄色と紫色の虎班模様があることから文目になったという説と、葉が剣型できちっと並んで生えることから文目(筋道の意)になったという説があるようです。開花時期は4月下旬から5月上旬。
 
 
●花菖蒲(アヤメ科)●
 
端午の節句に鎧兜を飾るようになったのは鎌倉時代。
旧暦では端午の節句は現在の6月頃になり、この頃に甲冑の虫干しをしたこと、そしてこの時季に咲く菖蒲の花と尚武をかけて男児の節句として定例化したのだそうです。ゆえに、端午の節句の花は花菖蒲です。
 
●杜若•燕子花(アヤメ科)●
 
よく混同される杜若(カキツバタ)は、この花の汁を布に押し付け染めたので掻付花(カキツケバナ)と呼んだことから。
杜若の開花時期は5月上旬~中旬。
杜若を「燕子花」と表記することがあるのは、花の姿が燕が飛んでいるようにみえることから。
花菖蒲よりも開花時季は早いのですが夏の意匠としてつかわれることが多いです。
 
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優劣つけがたい美しいものを「何れ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)」といいます。
 
平安末期の頃のこと、鳥羽院の女房の菖蒲前に源三位頼政は恋してしまいます。頼政は菖蒲前に文を贈るもののなかなか返事はもらえず、そうこうしているうちに鳥羽院の知るところになります。
 
鳥羽院は頼政の気持ちを試すため、菖蒲前に似ている女二人に同じ装束を着せて、頼政に菖蒲前をあてるように申しつけます。
頼政は間違ってはたいへんなことになると、
 
「五月雨の 沼の石垣 水こえて いづれか菖蒲(あやめ) 引きぞわづらふ」
 
と歌を詠み、鳥羽院に奉ると、鳥羽院はこれに感じ入って菖蒲前を頼政に下賜しました。
 
これが由来となっています。
 

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