如月(きさらぎ)となりました。

 

「如月」の語源は、一番寒いとされるこの時期は、寒さで「衣を更に重ねて着る」ことから「衣更着(きさらぎ)」となったといわれています。※他にも諸説あります


重ね着といえば、十二単(五衣唐衣裳)。

 

現代では宮中での女性の最高礼装です。

 

 
皇后陛下が即位礼正殿の儀でお召しになられた御十二単。

 

色は最上位の白。

御唐衣には松喰い鶴の丸、御表着はお印であるハマナス。

 

平安時代は宮仕えする女房の主人に敬意を表した装束でした。

女房装束といわれる由縁です。

 

 

日本人の色の感性の豊かさは素晴らしいもので、自然界を色を写し取るように、いくつもの色を重ねることで新しい色を生みだすという発想から生まれたのが「かさねの色目」です。

 

●重ね着をすることで派生する裾や袖口の重なりの「襲の色目」

 

●袷の表地と裏地の配色を楽しむ「重ね色目」

 

●経糸と緯糸の配色で楽しむ「織色」

 

さらに配色の意匠表現として「繧繝」「薄様」「匂い」「村濃」「裾濃」があります。

●「繧繝(うんげん)」薄いものも重ねていき濃いものを強調するグラデーションの原型
●「薄様(うすよう)」薄く漉かれた光を通す白い紙をつかい白を襲ねる配色のこと
●「匂い(におい)」段々と色を濃くしていくグラデーションのこと
●「村濃(むらご)」アットランダムに強い色を入れる配色。村はムラになるの斑のこと
●「裾濃(すそご)」上を淡く、下にいくほど濃くなる配色のこと

 

高御座の御椅子の座面には繧繝が施されていました。

 

それにしても、暖かい如月ですね。