山種美術館にて「上村松園と美人画の世界」が開催中(〜 3月1日まで)

 

山種美術館創立者の山﨑種二氏は奥様が上村松園の美人画を特に好んだこともあり、松園と松篁の親子が上京すると移動手段、食事、宿と手厚くおもてなしをされ交流関係があったのだそうです。山種美術館には珠玉の松園の美人画が18点所蔵されています。

 

この展示会は、山種美術館が広尾へ移転して10周年を記念して、そのコレクションが全公開。さらに「西の松園、東野の清方」と並び称される鏑木清方や伊東深水、村上華岳、片岡球子、小倉遊亀などの美人画も並びます。

美人画の楽しみといったら、描かれる装いにもあり、着物好きの方は必見です。

 

土田麦僊「舞妓」

 

松園の美人画の見どころ

 

●着物の着こなしのような表装

 

表具屋の岡墨光堂が近くだったこともあり、松園の指示によって表具がつくられているものがたくさんあります。図録などには表装までは載らないので、これは美術展で見ることに価値があります。

 

上村松園「詠哥」(部分)

 

 

●美人画に描かれた化粧と髪型

 

桃山時代の上流階級の女性から江戸時代の公家階級の女性、江戸から明治に流行した一般女性のものまで。

 
上村松園「つれづれ」(部分)
鹿の子絞りの凹凸の描かれ方がリアル…。

 

櫛と簪の鼈甲の透き通る質感まで描かれています。

 

 
上村松園「春芳」(部分)
 
 
●女性の仕草と動きによってできる着物のシワ
 
寒さゆえに傘の柄を袂でつかむ、裾をたくし上げる
 
上村松園「牡丹雪」(部分)
 
 
●素材の質感と加飾表現、そして色
 
松園といったら、松園ブルー♪
 
上村松園「砧」
 
天然の孔雀石を砕いた緑青をつかって描かれる、松園らしい着物の色を意識した装いで鑑賞しました♡
 
梅の芳香が漂ってきそう。
上村松園「春芳」
 
上村松園は、強い関心と客観的な観察眼で風俗をみており自分の美意識に合致したものを描いています。古典の本質を理解したうえで描かれた独自の世界観です。
 
着物好きな方にはぜひ見て欲しい。
 
着物で鑑賞すると割引もあります。
ぜひ♡

 

※展示会場内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載の許可を山種美術館よりいただいております。