今は街中がクリスマス…ですが、ワタクシが子供の頃は、12月14日といえば忠臣蔵でした。

 

歌川国芳「忠臣蔵十一段目夜討之図」

 

忠臣蔵といえば、言わずと知れた「時は元禄15年、師走半ばの14日…」と語られたものですが、今の時代はもはや「言わずと知れた」といえるかどうか…。

 

東山天皇の勅使への饗応役であった浅野内匠頭が、礼儀指南役であった高家筆頭の吉良上野介へ刃傷に及んだことが発端となった元禄赤穂事件。喧嘩両成敗でなかったことが遺恨を残し、家臣が主君の仇をとったという義の美談から脚色化され、後世にまで語り継がれていたもの。

 

犬公方といわれる徳川綱吉の治世、東山天皇の御世での出来事です。

 

時は元禄、泰平の世。

 
綱吉の治世の前半は天和の治といわれる善政です。
東山天皇の大嘗祭を復活させています。

綱吉の実母である桂昌院は従一位という最高位を与えられています。

 

そこが時代背景としてあります。

 

そして、刃傷、松の廊下での、浅野内匠頭の烏帽子大紋、吉良上野介の狩衣指貫袴の装束は、武家の装束を語る格好の例。

テレビ東京「大忠臣蔵」1989年(昭和64年)1月2日 OA
 
キャスティングも時代考証も衣裳考証も好み♡

大石内蔵助…松本幸四郎(松元白鸚)
大石主税…市川染五郎(松本幸四郎)
大石理玖…岩下志麻
浅野内匠頭…近藤正臣
瑤泉院…松坂慶子
吉良上野介…芦田伸介
萱野三平…坂東八十助(坂東三津五郎)
上杉綱憲…中村橋之助(中村芝翫)
多門伝八郎…中村勘九郎(中村勘三郎)
垣見五郎兵衛…片岡孝夫(片岡仁左衛門)
松平綱豊…中村吉右衛門
 
「大紋」
五位の諸大夫(外様大名)の礼装です。
 
「狩衣」
元々は公家の普段着。
武家では四位以上の礼装です。
 

元禄という時代はとても興味深いのです。

 

文学では、井原西鶴、松尾芭蕉、近松門左衛門が活躍し、

美術では、尾形光琳、菱川師宣が登場し、

染織の世界では、友禅染の技法が定着します。

 

令和の精査された情報で、昭和の熱意をもって、

新たな元禄時代劇を復活してほしいものです。

 

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