(c)一般社団法人共同通信社(内閣府提供)
世界各国の皇族王族政府要人が参列される式典であり、プロトコールといわれる国際的な基本儀礼とマナーを基調として行なわれます。
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皇室の装束も、従来の宮中の衣更えの慣例でいえば、10月22日は旧暦では9月24日ですので夏装束となりますが、令和の即位礼正殿の儀での装束は、周りとの調和を考慮し冬装束に統一されたとお聞き致しました。
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内閣総理大臣から政府関係者の方へ発布された「即位正殿の儀」参列の案内文が公開されています。
着物は白襟紋付、比翼ありが好ましく、紋の数は随意。
随意ではあっても、紋付であることは必須です。
礼装と準礼装に必ず家紋が入っています。
紋付は、五つ紋、三つ紋、一つ紋とあり、数が多くなるほど格が高くなります。
そして、紋の中にも技法と図柄で格があります。
技法は大別すると染めと刺繍があり、
染めは白く染め抜かれた紋と色で彩色し描かれた紋があります。
格が最も高いのは、染め抜き日向紋です。
染め抜き紋には、日向紋 > 中陰紋 > 陰紋 があります。
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刺繍の日向紋
国産の手績みの大麻糸の縫い紋。
糸の光沢が素晴しい✨
縫い紋は染め抜き紋より格が下がりますが、日向紋にすることで準礼装にもつかえます。
プロトコールでは、女性の装いは男性に準じたものとなります。
ここ数日、話題で持ちきりなのは、即位礼正殿の儀とその夜の饗宴の儀での総理夫人の装いです。
ホスト国のファーストレディでいらっしゃり、国民の模範となるお立場、公私共に重圧で大変でいらっしゃると思います。
即位礼正殿の儀でお召しになられたシルクシャンタンのベルスリーブのディドレスも、饗宴の儀でお召しになられたこの日のために誂えたという訪問着も、安倍昭恵さんにとてもお似合いでした。
ですが、この日こそ、総理夫人として、第一礼装の五つ紋付色留袖を着ていただきたかった…。(願望です)
国事の最高儀礼でのファーストレディの装いは、国民の模範となるもの。
それは、この後の服飾の変遷を左右するものでもあります。国事でのファーストレディの装いが定番となる例は少なくないのです。
そして、礼装は家紋ありきのもの。
訪問着は上半身にも柄があり座っても華やかで、着席のパーティーには向いていますが、あくまでも社交着としてつくられたものであり、紋が目立たないのです。
昨今では、葬儀で黒紋付を着る方も少なくなっています。
最も格式の高い祝いの席で留袖が着られなくなってしまったら、着物だけでなく日本の家紋という文化の伝承も危うくなります。
即位礼正殿の儀は雨儀となりましたが、自国の誇りである日本文化を継承することの重要性を体現したものだったと思います。
着物の格としきたりは面倒、と思い込んでいらっしゃる方が多いような気がしますが、洋装にもルールがあります。しかも昼夜で着替えるという厳密なものです。招待客の方々の装いは、昼夜共にまさしく眼福であり素晴らしいものでした。
非日常である儀式(セレモニー)は、慣例に従い周りと調和する装いが求められます。
だからこそ、日常の着物は自由なのです。
昨日の日中に開催された、第2回饗宴の儀では、総理夫人は色留袖をお召しになられたそうです。
※たくさんの方から、総理夫人の装い、礼装についてのご質問、ご意見、ご感想をいただいておりますが、この記事をもってお返事とさせていただきます。ありがとうございました♪
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