「世界の絣」展 の最終日、文化学園服飾博物館へ(会期は終了しています)

 

ワタクシ、絣好きです♡

 

「絣」は、意匠になるように糸の状態で染め分けた絣糸をつかって織りあげるもの。

 

糸を染め分ける方法は、大きく分けると3パターンあります。( )の中はパッと思いついた例。

 

●括り◇文様となるところを括って防染(琉球絣や弓浜絣)

 

●締め◇文様となるところを板や機などで締め付けて防染。板締め(村山大島、能登上布)織締め(大島紬、宮古上布の締機)

 

●捺染◇織りあがりを想定して文様をつける。解し捺染(秩父銘仙)摺り込み(八重山上布の白上布)

 

そして、絣は世界中にあります。

 

この展覧会は日本だけでなく、絣の源流であるインド、国際的に絣を表す用語としてつかわれるイカットのインドネシア、そしてタイ、ミャンマー、ウズベキスタン、イラン、アフリカ、ヨーロッパにいたるまで、様々な絣が紹介された充実の展覧会でした。

 

19世紀末〜20世紀 インド「サリー•パトラ」絹地の経緯絣

 

 

1860年ごろのフランス? 「ディ•ドレス」絹地の経絣。

 

日本の絣の中では、今では新潟県見附市で1件のみが行なっている、マンガン捺染絣をその工程から大きくピックアップしていました。

 

ちなみに、ワタクシはよくマンガン捺染の小千谷縮を着ています。

 

経糸と緯糸のそれぞれの絣糸をつくって、絣を合わせながら織るとなると、膨大な手間隙がかかります。

 

それをマンガン染めといわれる化学反応をつかって染めたのがマンガン捺染絣なのです。

その工程を詳細に動画で紹介していました。(以下覚書)

 

マンガンの溶液に綛の状態で糸を浸け、水酸化ナトリウムをつかって付着させ、空気中で酸化させてマンガン糸をつくる。マンガン糸で織りあげた生地に、染め分けるところだけアリニン糊を練り込ませ、模様が刻まれたローラーをつかって中和させることで、絣が浮きあがってくる。

 

ドラムをつかったロール捺染による量産型なので、手仕事によるものより低コストでの製産が可能なはずなのですが…、着物の需要そのものが激減してしまい、そうなると大掛かりな機械を動かすことにコストがかかるようになってしまう。

 

マンガン捺染の裂地が生地見本として販売されていました。

 

着物が日常着であった時代、量産型といわれていたものも、レッドリスト入り。

 

多くの産地で動かない力織機もみてきましたが…、貴重なのは手仕事だけではない。

着物を着る人が増えないことにはこの悪循環は止まらないのです。

 

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