「青のある暮らし 〜着物•器•雑貨〜」が太田記念美術館にて開催中(本日が最終日です!)
ラフォーレ原宿の奥にある別世界。
小さいながらも14000点の浮世絵のコレクションを有する美術館です。
さて「青のある暮らし」
江戸時代になると庶民に安価で丈夫な木綿の織物が普及します。
それと呼応するように紺屋といわれる職人が発達。
歌川広重「名所江戸百景 神田紺屋町」
藍染めは、浴衣や手ぬぐいに盛んにつかわれます。
スッキリとした藍色は、江戸の気質にあう。
藍色は布だけでなく染付けの器などにも好まれました。
「ジャパンブルー」の時代です。
藍に彩られた生活を表現する色として、浮世絵の世界に変革をもたらしたのが、ベロ藍といわれる1704年にベルリンで生まれた人工顔料。当初は赤色をつくりだすための研究の中、偶然の産物として発見された色なのだそう。
ベロ藍が日本へ伝来したのは1747年(延享4年)のこと。
日本ではじめてベロ藍をつかったのは、伊藤若冲「動植采絵」といわれています。
浮世絵の世界は、墨絵摺りからはじまり後に多色摺りへと進化します。青色は露草(青花)や藍がつかわれていましたが、露草は退色しやすく、藍は定着しにくいという難がありました。
ベロ藍(ベルリンブルー)の伝来によって浮世絵は発展を遂げることになります。
それによって生まれたのが、葛飾北斎「富嶽三十六景」です。
「北斎ブルー」といわれます。
葛飾北斎「冨嶽三十六景 東都浅草本願寺」
ガン見してしまうのは、浮世絵に描かれている染織の技法と文様。
七代目市川団十郎が好んだことで流行した蝙蝠模様。
歌川国貞「浄瑠璃つくし 傾城恋飛脚 梅川忠兵衛 新口村の段」
見事な藍染めの有松鳴海絞りで表現されたタコ。
歌川国貞「江戸名所百人美女 薬げんぼり」
「青梅嶋」の着尺 も展示されていました。
復元されたのは、青梅市の藍染工房壺草苑。
江戸時代に大人気を博した青梅嶋。
鼠小僧が捕まった時に着ていたとか何とか…。
奢侈禁止令の中、表向きは綿織物だけれど、実は絹糸がコッソリしのばせてある織物。
粋でオシャレな江戸の人々だけでなく、京都や大阪でも好まれたようです。
経糸は絹糸と木綿糸、緯糸は木綿糸。
絹はヤマモモの鉄媒染、木綿は藍染め。
※青海縞の写真は、太田記念美術館のTwitterよりお借りしました。
時代には染織の技法と共に色ありけり。
江戸は「青」、明治は「赤」。
この日は、浮世絵展をハシゴしました。
次は、赤の浮世絵をご紹介します^^/