出羽の織座「原始布から自然布の世界へ遊ぶ 展」がはじまりました。
東京交通会館2階ギャラリーにて開催中( 〜 7月11日まで)
原始布•古代織参考館館長の山村幸夫さんと♬
コレ!っと一目惚れ♡したのは、防染の白抜きがパキッと効いた、いかり模様の紙布帯。「錨を下ろす」は、定着する、落ちつくという意味がある良い模様だよね〜っという話になり、今の気持ち的にもピッタリ。
出羽の織座は、絹や木綿が普及する以前の織物を「原始布」として定義しています。
麻を栽培し繊維を取る以前の古代の人々は野山に自生する靭皮繊維から布を織っていました。木綿が庶民に普及しはじめると需要がなくなり、大変な手間がかかる原始布は都市から離れた山村の集落にのみ残りわずかに伝承されているという状況…。
1950年(昭和40年)ごろ、原始布•古代織参考館館長初代館長の山村精(やまむらまさし)は古布を手に山村の織り手を訪ね歩き、見聞きした記憶を記録し研究そして復元されました。
山村幸夫さんは山村精氏のお嬢さんの洋子さんのご主人です。
出羽の織座の主宰であり原始布•古代織参考館館長をつとめられています。
日本の原始布や古代織の復元と存続に取組み、その際に集めた膨大な資料を展示するために、原始布•古代織参考館を開館。編衣、藤布、科布、楮布、葛布、麻布、蕁麻布、苧麻布、紙布、ぜんまい織、琴糸織、アットゥシ、裂織、つづれ織、津軽こぎん刺し、南部菱刺し、など貴重な布と織機、資料が展示されています。
原始布•古代織参考館へいった時のレポはこちら↓
ぜんまい織•編衣 原始布•古代織参考館 その1 / 2014年秋 米沢染織巡りの旅 その4
大麻、苧麻、蕁麻、榀(シナ)、藤、葛、楮、その糸績みは、榀布(シナ布)の糸績みの技法でされているのだそうです。
広義の意味で、自然界から採取したものを自然布といいますが、日本の原始布で、出羽の織座がつくっていないのは、アットゥシのオヒョウ、そして芭蕉くらいとのこと。
榀布(しな布)
同じ型で、木綿と榀布(しな布)
苧麻
ぜんまい織
ぜんまいの新芽は綿のような衣で覆われています。これは雪から新芽を守るためのシェルターのようなもので、寒い地域のぜんまいほど、羊の毛のようにワタワタしています。春にぜんまいの新芽を採取した後、食用の茎と綿を分け、綿を集めてゴミを取り除いて、天日でよく乾燥させ、夏になると90℃ぐらいで蒸し、乾燥させて真綿と混ぜあわせ糸を紡ぎます。
ぜんまい糸は防水効果が高いため、藍瓶に浸けてもなかなか染まらない。なので、正藍染めとしては手間がかかりすぎるのだそうです。
ぜんまい織、榀布の正藍染めのバッグもありました。
出羽の国らしく、紅花の型も。
そして…、田中昭夫作品だけじゃない、ここでしかみることができないこだわりのものがいっぱい。
寒冷地の実用性の中から生まれた刺し子。
こちらの南部菱刺しは、苧麻地に手績みの紅花染めと藍染めの苧麻糸がつかわれていました!
榀布に菱刺しの暖簾
素朴な民芸…というより、芸術性が高くて驚くような作品も
正藍筒書と絞り作家の菅原匠の大麻に染めた正藍染めの暖簾。
琴の弦でつかわれる絹の琴糸で織られた琴糸織。
榀布の捩り織に大麻糸
摩耶つづれ織、紙はた織、など茜が美しいもの
苧麻のからむし織の格子が可愛い♡
葡萄蔓のバッグ
巾着の内袋につかわれているのは榀布
菅原匠の正藍染の絞りの作品、榀布バッグ、ぜんまい織のバッグは、紫根染と茜染の糸がつかわれています。
ここにしかない!ものばかり…。
自然から生まれ、その良さを生かした染織のもつ力は、空気を変えるようなもの。
纏ってみたい、この布がある空間で過ごしたい、と思う。
美しいものをみて、美しいものを愛でて、美しいものを纏う人生でありたい。
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