銀座教文館 ギャラリーステラにて開催中の「和更紗あそび展」へ ( 〜30日まで)

 

装丁家の熊谷博人さんの「和更紗江戸デザイン」の出版を記念しての展示会です。

 

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和更紗江戸デザイン帳

 

 

この日は工芸ライターの田中敦子さんによる「舶来文化ときもの」というテーマでの講演会がありましたメモ

 

「きもの」は、日本独自に発生したものではなく、異国の影響を受けながら日本人の融通無碍な気質から成立ったもの。着物の「右前」も、前開長衣型衣服(カフタン)を弓を引く遊牧民(野蛮とされた)は弓が引きやすいように左前だけれど、それと大別するために生まれた古代中国の思想がそのまま日本に定着したというお話も。(ちなみに日本でも弓を引くときは直垂に弓懸に籠手は左前につけます)

 

インド更紗の、太陽と生命の赤(パワフル)、異国の動植物(エキゾチック)、軽くて吸湿速乾性のある布(ハイスペック)に、日本人は魅了された。

 

長崎の出島の二番蔵は、蘇芳のための専用蔵で、染めるのに手間がかかりすぎる紫根染の代用として舶来品蘇芳を媒染して偽紫をつくった、というお話も。ここ行ってみたい!

 

大変に興味深いお話をありがとうございました♡

 

田中敦子さんと熊谷博人さんと♬

 

 

インド更紗とは…。

 

16世紀、インド更紗が日本へ伝来。日本人がはじめてみるこの布は大名や茶人を虜にし、陣羽織や帛紗、茶入れのお仕覆、茶杓入れなどにつかわれました。

 

インド更紗は木綿布がつかわれますが、木綿布は天然染料が染まりにくい性質。インドでは古くからタンニン酸で下染めし媒染で発色させるという技術をもっていました。

 

インド更紗を大きく大別すると2種類。

 

●細く長い木綿糸で打ち込み強く織られた布にカラムペンで手描きし、茜染の染色、蠟伏せして藍染めし緑や青を発色させたもの。

 

●太目で甘撚りの木綿糸で厚手に粗く織られた布に木版をつかって茜染された鬼更紗系のもの。

 

こちらは熊谷博人さんのコレクションのオランダ東インド会社(1602年に設立)のVOCマークが入ったインド更紗。

 

「和更紗」とは…。

 

インド更紗に刺激を受けて日本でつくられたのが和更紗です。

 

熊谷さんは和更紗コレクターとしても有名。

 

「更紗」ですが、日本では全く技法が違います。

 

日本では、柿渋で防染された和紙「伊勢型紙」を何枚もつかって型摺り捺染で染められます。

 

神の国といわれる日本ですが、紙の国といいたい。

 

和更紗は、京都の堀川でつくられた堀川更紗、堺更紗、長崎更紗、鍋島更紗とあります。

鍋島更紗は木版。

 

蘇芳地の「堀川更紗」

 

群青、黄土、弁柄など摺り込む技法が駆使された「堺更紗」

 

パッチワークのようにみえますが、防染による染め分けの「長崎更紗」

 

 

裏地に和更紗がつかわれた陣羽織

 

こちらは表地に和更紗の陣羽織

この形、面白い!

 

小さなスペースながらも、稀少なものがギッシリ。

 

貴重な布も触ってもOKの懐の広さ!

ただし、何百年も洗ってない布だからね〜、とのこと。

顔料で染めたものは、洗えば色落ちしてしまいます。

 

コレクターの愛に勝るものってない気がする。

 

稀少な和更紗の裂地がつかわれた壁掛けや数奇屋袋や香木入れも販売されていました!

 

 

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