平成最後の日を迎えました。

 

平成の天皇陛下最後となる宮中祭祀「退位礼当日賢所大前の儀」

天照大神を祭る賢所に拝礼され、退位の儀式を行なうご報告をされるものです。

※写真は産經新聞ニュースより
 

今上天皇のみ纏うことができる桐竹鳳凰麒麟文様の黄櫨染

 

黄櫨染(こうろぜん)は櫨の木に含まれる黄色に蘇芳の赤色を掛合わせ媒染剤として酢と灰を用いた色。820年(弘仁11年)嵯峨天皇の御世に詔がだされ天皇のみの禁色となりました。形状は束帯。文様は10世紀ごろから藤原時平の進言によって天皇独自の地紋がつかわれるようになります。桐に鳳凰が総文様用いられていましたが、鎌倉時代に竹が加わり、さらに筥形文の飛柄へと変化し、麒麟と州浜が加わって現在のものになっています。

 

筥形文というのは、筥形の構図におさまる1つの絵のような四角い文様のこと。

 

この筥形文は織機の幅の問題で、袍の身頃と袖の部分の経糸と緯糸が、襴と蟻先という袍の裾についた部分では、経糸が緯糸に、緯糸が経糸につかわれて織られています。これは仙石先生に教えていただくまで全く気がつかなかった。筥形文ゆえの高度で手間のかかる織物ですが、だからこそ天皇のみの文様ともいえるかもしれません。

 

天皇陛下のこのお姿を拝するのは最後となります。

 

 

振り返ってみると、自分の人生は平成のはじまりも終わりも大きな転換期となりました。平成の終わりを前にして私的にはとてもとても悲しく辛いことがありましたが、それでも生きています。

 

ゆく時代、くる時代。

 

憲政史上はじめてのこととなる譲位による「践阼」は、パーッと華やかに迎えることになるかと思いましたが、本日のお天気のように、しめやかに送り出し、そして静かに迎えることになりそうです。