浅草にあるアミューズミュージアムへ( 〜 3月31日まで)

 

この世の生物の中で、人だけが「衣」を必要とし、身体を守るため、自己表現のため、染織の技を生みだしました。

 

寒さを凌ぎ、体温を維持する為の「衣」がなければ、人は命を落す。

 

「衣食住」という言葉の中で「衣」が一番最初に来る由縁です。

 

寒冷地である東北の地では綿花が育たず、木綿布は貴重品であり、江戸時代の東北の庶民の生活においては、麻布をつかい、薄くなったり破れたりしたら当て布をするのは当たり前。貴重な布を末永く活用するために、藍で染め布を丈夫にし、さらに糸で刺し子を施すなど、保温と強度の工夫をしていました。使い古した裂地は「ぼろ」といわれます。

 

人の命を繋ぐものであった布。

「ぼろ」を収集し保存した田中忠三郎のコレクションが集められた美術館が、浅草にあるアミューズミュージアムです。

 

こちらの美術館、浅草という地にあるからか観光施設のように思われがちですが…、侮るなかれ。

 

2階と3階は田中忠三郎が収集した民具と布のコレクション

 

「美しいぼろ布展 〜都築響一がみたBORO〜」(〜 3月31日まで)

写真家の都築響一氏の取り下ろした写真と「ぼろ」が同一空間に展示されています。

 

麻、木綿といった素材。
絞り、絣、浸染といった加飾技法。
 
ドンジャといわれる、古くなった着物を何枚も重ねて刺し綴られたもの。
掛け布団にしたり囲炉裏を囲むときに肩から掛けたりしてつかわれました。
 
ガラスケースに入っているわけでなく肉眼でみることができるのも魅力。
 
ひとつずつじっくりみていると…、あっという間に日が暮れます@@;
 

 

200年前の機織り機。

こちらはメンテナンスして販売中。

 

「南部刺し子展」も開催中。( 〜 3月31日まで)

菱刺しの魅力が溢れています。可愛い♡

 

誠に残念なことに、アミューズミュージアムは今月いっぱいで閉館となります。

この後は海外へ巡回展としてまわられるとのこと。

 

貴重なモノであっても、日用品として使われた布は、雑巾になり灰となり、残っていないのが常なのですが、こうして残っているのがすごいことです。モノがつくられた過程を慈しみ大切にしてきた日本人の心。

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ぜひ、閉館前にいかれることをおススメいたします!

 

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