天皇の位を受け継ぐことを「践阼(せんそ)」といいます。

践阼によって位についたことを公的にすることを「即位」といいます。

 
この度の「御世がわり」は、憲政史上はじめてのこととなる譲位による「践阼」。

江戸時代の第119代光格天皇の「譲国の儀」から約200年ぶりのこととなります。

 

天皇が崩御した場合の践祚は「諒闇践祚」、譲位の時の践祚は「受禅践祚」と称されます。天皇の喪中期間があるかないかで様々な違いがあります。近年は、譲位及び受禅践祚が制度化されていなかったため、皇室典範の特例事項として、2017年6月に天皇の退位等に関する皇室典範特例法が公布されました。

 

それによって定められた、第125代天皇今上天皇陛下の「退位の礼」

 

本日の午前中、退位関連の最初の儀式となる「退位及びその期日奉告の儀」が宮中三殿にて行なわれました。

 

 

拝礼を終えられ賢所を退出される今上天皇陛下。

※写真は宮内庁提供による共同通信社ニュースより

 

宮中三殿の賢所(天照大神を祀る)にて拝礼され、お告げ文を読み上げられたのち、皇霊殿(天皇家代々の御霊を祀る)、神殿(天神地祇を祀る)と拝礼されます。

 

今上天皇のみ纏うことができる桐竹鳳凰麒麟文様の黄櫨染御袍の装束

 

午後より「勅使発遣の儀」

 

神武天皇山陵及び昭和天皇以前四代の天皇山陵に退位及びその期日を奉告し幣物を供えるために勅使を派遣される儀式です。先代から四代に勅使を派遣するというのが決まり事であり、御世がかわるとスライドされていきます。

 

平成2年に行なわれた「勅使発遣の儀」では、天皇陛下は装束をお召しになられていますが、「できるだけ簡素に行ないたい」という天皇陛下のご意向に従って、今回はモーニングコートを着用され、宮殿ではなく、お住まいの皇居御所にて行なわれました。

 

平成2年の勅使発遣の儀では、黄櫨染御袍から御引直衣へと御召かえされています。

 

 

先日の国際有職故実学会での「勅使発遣の儀」の再現。

仙石宗久先生のお話を参考にさせていただいております。

 

 

退位の礼では11の関連儀式が行われますが、国事である「退位礼正殿の儀」を除いての儀式は天皇家の私費である内定費で執り行われます。

 

恙無く、弥栄に。

 

時代が移り変わっても、次世代まで残して欲しい、残って欲しいものです。

 

 

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