北鎌倉古民家ミュージアムにて「刺し子展 〜 一針にこめた想い 〜」が開催中

( 〜1月6日まで) ※大晦日と元旦は休館

 

現代はファッションの流行によって衣服としての布が使い捨てされてしまうような世の中ですが、昔は布は大変に貴重なものでした。庶民の生活において、布生地が薄くなったり破れたりしたら当て布をするのは当たり前。そして平面裁断によって一反の反物に戻すことができる着物は、何度も洗い張り仕立て替えをし、擦り切れてもつかえる部分は子供用にしたり、袋にしたり、最後は雑巾にし、さらに灰にして洗剤としてつかい、あげく肥料にまでするという、超エコロジーなつかい方をしていました。

 

貴重な布を末永く活用するために、藍で染め布地を丈夫にしさらに糸で刺し子を施すなど、保温と強度の工夫がされていました。これが「刺し子」の原点です。

 

築100年以上の古民家を移築してつくられた北鎌倉古民家ミュージアム

幾歳月を重ねて風情を増した柱や梁が、一針一針の手仕事の温もりを伝えるに何とも合う。

 

日常づかいの消耗品であったものは、現物は後世には残りにくいものなのですが、コレクターでもある古民家ミュージアムの長谷川さんの所蔵品が素晴しい!

 

火消し刺し子上衣 ◇ 明治時代

 

絣に刺し子上衣 ◇ 江戸〜明治時代

絣に刺し子上衣 ◇ 明治時代

 

東北に伝わる「庄内刺し子」「津軽こぎん刺し」「南部菱刺し」は、日本三大刺し子といわれます。

 

「庄内刺し子」

幾何学文様で針刺しされているのが特徴。米刺しは豊作を、うろこ刺しは大漁を、そろばん刺しは商売繁盛、菱刺しは無限のつながりから健康を祈願したもの。

 

「津軽こぎん刺し」

経糸の織り目に対して奇数の目を数えて刺すのが特徴。肩に横縞がある西こぎん、大柄の総刺しの東こぎん、背面に三段の縞がある三縞こぎんと、岩木川流域に3つの系統があります。

 

「南部菱刺し」

緯糸の織り目に対して偶数の目を数えて刺すのが特徴。はじめは麻布に木綿糸で刺されていましたが、明治から色毛糸もつかわれたのだそう。

 

米沢の遠藤きよ子さんによる素晴しい刺し子の作品もありました。

 

つい探してしまう麻の葉文様

 

北鎌倉古民家ミュージアム、大晦日と元旦は休館ですが、鎌倉で初詣と共に、ぜひオススメです!

冬の北鎌倉の空気、心が洗われます♡

 

※会場内での撮影と「きものカンタービレ♪」への掲載の許可を主催者よりいただいております。

 

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