歌舞伎好きの間では「阿古屋」の話で持ちきりだった師走。
舞台上で、演者自身が、琴、三味線、胡弓を弾き熟す。それは言葉に偽り無しということを証明するためのものであるがゆえに、阿古屋として乱れのない音色を求められるという大役。平成では玉三郎だけが演じてきた阿古屋ですが、御世代わりを前に若い世代に継承されました。
玉三郎、児太郎、梅枝、3バージョンを見比べたら、さらに面白そう!という、楽しみ方もあり、そうしたいのは山々なれども、
梅枝バージョンの「阿古屋」で今年の歌舞伎鑑賞を締めくくることに。玉三郎の岩永というのもはずせない^^;
左は梅枝丈の奥さま、右は梅枝丈のお母さまである時蔵丈の奥さまと
梅枝丈の奥様の着物の衣裳がかわゆす♡
クリスマスにちなんでクマのエンジェル。
梅枝の阿古屋
花道からの赫々たる登場でした。傾城の名の通り国をも傾けさせるかもしれない誇り高い遊女。梅枝は背丈もあり古風な顔立ちながら華麗な装束を着こなした様式美。声の通りも心地良く、品格溢れる美しさでした。うっとり〜♡
豪華な打掛、そして胴抜き姿に孔雀の俎板帯。
阿古屋の衣裳の孔雀の俎板帯は演奏するには邪魔そうで、きっと高度なテクニックがあればできるというものでもなく、梅枝の腕の長さが強みになるかもと思っておりました。
今年のお正月には梅枝丈の胡弓を聴く機会に恵まれ、それから1年、阿古屋として奏でられる音色も楽しみにしておりました。阿古屋という演目は歌舞伎ファンの中で伝説化しているところもあり、さらに演者が観客から詮議されるようなトリプルキャストで、極度のプレッシャーだったことと思いますが、それを撥ね除ける研鑽を重ねられたのでしょう。緊迫感はあったものの初役とは思えないぐらい堂に入ったものでした。チューニングされる仕草も美しかった。
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